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1998年3月 (11日〜20日)

あなたは 番目の訪問者です。


3 INET GATE INR00101 98/03/11 00:05
題名:[lex] 辞書に意味が出ているかどうかの

Date: Tue, 10 Mar 1998 23:47:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

加藤和男先生

村田年です.
さっそくの教示ありがとうございます.
先生の論文と投書を見つけて読んでみます.不勉強であまり論文を読んだことは
ないのですが,前置された分詞はいろいろとおもしろい意味と用法があるので
しょうね.
まずはお礼を申し上げます.


2 INET GATE INS00103 98/03/11 00:45
題名:[lex] 検索ソフトSonarProfessional

Date: Wed, 11 Mar 1998 00:26:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

佐藤弘明先生

村田 年@です.
ご多忙だと拝察されますのにいつも即座にご返事いただきましてありがとう
ございます.普通単語の検索は早くても2語,3語になると遅くて困ると聞
いていましたが,そうでもないのですね.ありがとうございました.


1 INET GATE INP00101 98/03/11 00:44
題名:[lex] racing mind の例

Date: Wed, 11 Mar 1998 00:26:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

加藤和男先生

村田@です.
貴重な用例をありがとうございます.手元の借り物のコーパスではracing mind は1例
もありません.mind + race はやり直しましたら6例出てきました.佐藤先生の用例を
見ると,確かに mind そのものが走りまわる意味にとれますね.頭の中をものごとが駆
けめぐるというより,頭自体がものごとからものごとへと駆けめぐると考えるのが英語
的なのでしょうか.ちょっとおもしろいですね.
御礼申し上げます.


4 INET GATE INP00100 98/03/11 09:53
題名:[lex] racing mind の例

Date: Wed, 11 Mar 1998 09:56:16 +0900
From: (SATO Hiroaki)
Reply-To:
To:

At 2:29 PM 98.3.10 +0900, kazuo kato wrote:
>(1) The beer slows his racing mind to a crawl. It is the only
> way he knows to relax. (LATimes)
>(2) And what occupies the racing mind as the feet trudge on?
> You count parked cars, estimate the lung intake from the
> exhaust of the vehicle streaming... (Washington Post)
>
>(1) の例は「心が忙しい」さまがよく出ている例だと思います.
(1)でも,(比喩的に)「2 (速く)走る,速く行く[動く],〔…に向かって〕突進する
」状態のmindの「動く速度」が"crawl(「【名】1 [単数形で] はうこと,徐行」)にな
っていることが分かりますね?

>貴重な用例をありがとうございます.手元の借り物のコーパスではracing mind は1例
>もありません.mind + race はやり直しましたら6例出てきました.佐藤先生の用例を
>見ると,確かに mind そのものが走りまわる意味にとれますね.頭の中をものごとが駆
>けめぐるというより,頭自体がものごとからものごとへと駆けめぐると考えるのが英語
>的なのでしょうか.ちょっとおもしろいですね.(村田先生)
私の例と加藤先生の1例には,「動く」mindの用例がありました。村田先生の6例の
内,動くものを数えれば,どの程度,「動く」mindが使われるかが分かるかもしれま
せん。
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  専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明
TEL: 044-911-1297
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1 INET GATE INP00102 98/03/11 14:37
題名:[lex] 辞書学MLからの脱会

Date: Wed, 11 Mar 1998 14:29:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

各位

脱会手続きをとる際には,どうもalias機能がうまく働かないようです。した
がって次のようにしてください。

または
宛に,

本文に

signoff lex
unsubscribe lex

とだけ書いたメールを出してください。

※このメールは脱会を勧めるものではありません。(^_^;)

13:53 (水) 03/11/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


3 INET GATE INR00103 98/03/11 17:40
題名:[lex] address no hen-kou ni tuite

Date: Wed, 11 Mar 1998 17:45:34 +0900
From: (terutada OKADA)
Reply-To:
To:

脱会するのではありません。メールを受け取るアドレスを変更したいのですが、どう
すれば、いいでしょうか。ご面倒ながらご一報いただけませんか。


2 INET GATE INS00100 98/03/11 19:00
題名:[lex] address no hen-kou ni tuite

Date: Wed, 11 Mar 1998 18:55:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

 アドレスの変更について

岡田先生

村田 年です.

やりかたについて,私でもわかる質問が初めてでました.
おそらく,まず新しいアドレスで前回と同じやりかたで入会します.
入会の手続きがうまくいったことを確かめてから,旧いアドレスを脱会
すればいいのです.確かめてからでないとメールが全部つながらない
恐れがあります.

これでいいのでしょうね.井上先生?


1 INET GATE INR00104 98/03/11 21:54
題名:[lex] address no hen-kou ni tuite

Date: Wed, 11 Mar 1998 21:46:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

> アドレスの変更について
>
>岡田先生
>
>村田 年です.
>
>やりかたについて,私でもわかる質問が初めてでました.
>おそらく,まず新しいアドレスで前回と同じやりかたで入会します.
>入会の手続きがうまくいったことを確かめてから,旧いアドレスを脱会
>すればいいのです.確かめてからでないとメールが全部つながらない
>恐れがあります.
>
>これでいいのでしょうね.井上先生?

さすがに用心深いですね,村田先生。(^_^;) おっしゃるとおりされるのがも
っとも,確実かと思います。

ちなみに,まず,今度新しく使われるメールアカウントでアクセスして,

宛に

subscribe lex

とだけ書いたメールを送り,メーリングリストのwelcomeのメールが届いたの
を確認されて,今度は脱会するメールアカウントでアクセスして,

宛に

signoff lex

とだけ書いたメールを送ってください。

以上,宜しくお願い申し上げます。

21:39 (水) 03/11/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


3 INET GATE INS00102 98/03/12 11:56
題名:[lex] More Racing Minds

Date: Thu, 12 Mar 1998 11:14:35 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To: lexicographer <>

村田 年先生:

加藤 和男@岩手医大です.
物好きの凝り性で, Yahoo! (AltaVista) で racing mind を検索し
てみました.あまり能率的ではないし,何が出てくるかわからない
薄気味悪さもありますが,次はその例です.(3)(4) は 3月10日の
(1)(2) の類例です:
(3) It was 11:00 PM, but I knew my racing mind would not let
me sleep yet. Perhaps a nice, hot shower would do the
trick, the warmth of the water making me too drowsy for
my thoughts to haunt me.
(4) Owen spoke. "Both of who? What happened, Clearly?" Owen's
racing mind outpaced his groggy voice.
(5)(6) では副詞が前置されています:
(5) Flesh and flesh as he ran his thumb on his bottom lip,
cigarette clenched between the ring and middle fingers.
It felt good. Good enough to stimulate his already
racing mind.
(6) I must listen to your every word to ease my paranoia;
I must daydream to ease my constantly racing mind.
しかし,(7) の Racing mind はこれまでのものとは異なり, The
mind of a person/persons who compete(s) in a race ぐらいの
意味ですね.「名詞に前置された現在分詞の意味」という小論で
扱ったのはこういう問題でした.
(7) Racing mind: Psychological Skills for Marathon Running
by ..., PhD.

加藤 和男 <>


2 INET GATE INS00101 98/03/12 12:40
題名:[lex] More Racing Minds

Date: Thu, 12 Mar 1998 12:24:54 +0900
From: (SATO Hiroaki)
Reply-To:
To:

At 11:14 AM 98.3.12 +0900, kazuo kato wrote:
>物好きの凝り性で, Yahoo! (AltaVista) で racing mind を検索し
>てみました.あまり能率的ではないし,何が出てくるかわからない
>薄気味悪さもありますが,次はその例です.(3)(4) は 3月10日の
>(1)(2) の類例です:
AltaVistaの全文検索は非常に速いですね。ただ,問題は,検索結果がkwic形式で出
力されない点です。マウスでリンクをクリックして,手作業で本文から目的の語句を
検索しなくてはなりません。100件見つかった場合,これを手作業でやるのは大変
です。

これを自動化するソフトがあれば,絶対に便利です。プログラムの機能はとても単純
です。
1. AltaVistaの検索結果のhtml形式の文書をからリンクを探し出して
2. リンク先の文書を自動的に読み込んで,
3. 検索語句を探し,
4. kwic形式で出力する。

文字列処理の得意なperlで書けそうです。私は4月から学内の「雑用」から解放され
るので,作ってみようかと考えています。(すでにこのようなソフトはありますか?)
__________________________________________
〒214-80 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
  専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明
TEL: 044-911-1297
FAX: 044-911-1231
e-mail:
homePage: http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/


1 INET GATE INR00104 98/03/12 13:33
題名:[lex] More Racing Minds

Date: Thu, 12 Mar 1998 13:30:04 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

佐藤 弘明先生:

加藤 和男@岩手医大です.

SATO Hiroaki wrote:

> AltaVistaの全文検索は非常に速いですね。ただ,問題は,検索結果がkwic形式で出
> 力されない点です。マウスでリンクをクリックして,手作業で本文から目的の語句を
> 検索しなくてはなりません。100件見つかった場合,これを手泣jでやるのは大変
> です。

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> homePage: http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/

私はネットなるものを始めて1年未満のまったくの初心者です.
今回も「手作業」でやりました.自動的に検索できるソフトがあれば
助かります.
それから AltaVista の検索で困るのは,検索語句を入れても「検
索文字を発見できませんでした」というメッセージがよく返ってくる
ことです.
よろしくご示教ください.

加藤 和男 <>


1 INET GATE INP00100 98/03/12 17:21
題名:[lex] More Racing Minds

Date: Thu, 12 Mar 1998 17:16:40 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

kazuo kato <> さんは書きました:
> 加藤 和男@岩手医大です.
> 物好きの凝り性で, Yahoo! (AltaVista) で racing mind を検索し
> てみました.あまり能率的ではないし,何が出てくるかわからない
> 薄気味悪さもありますが,次はその例です.(3)(4) は 3月10日の
> (1)(2) の類例です:

> しかし,(7) の Racing mind はこれまでのものとは異なり, The
> mind of a person/persons who compete(s) in a race ぐらいの
> 意味ですね.「名詞に前置された現在分詞の意味」という小論で
> 扱ったのはこういう問題でした.
> (7) Racing mind: Psychological Skills for Marathon Running
> by ..., PhD.

加藤和男先生

村田年@です.
ありがとうございます.2日ほどするとちょっと暇ができますので,い
ただきました用例を整理して,弱い頭で少し考えてみたいと思っております.

またよろしくお願い致します.


1 INET GATE INR00101 98/03/13 08:41
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Fri, 13 Mar 1998 08:33:00 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

文字化け事件も一段落しましたし,(^_^;) 今日は皆さんの学習辞典とユーザ
ーインターフェイスに関するご意見をうかがえればと思いまして,書き込んで
おります。

最近,『フェイバリット英和』とか,『ヴィスタ英和』とか,ユーザーインタ
ーフェイスを売り物にした辞書がでてきました。もちろん,他の辞典がユーザ
ーインターフェイスに気を使っていないというわけではありませんが,ユーザ
ーインターフェイスに気を使えば,必然的にスペースに影響が出て,記述の正
確さやその他の点において問題になることがしばしばあります。その兼ね合い
が難しいところで,ターゲットユーザー別にいろいろな辞書が存在するわけで
すが,その辺りの皆さんのご意見がうかがえれば幸いです。

08:25 (金) 03/13/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


2 INET GATE WID00103 98/03/13 10:17
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Fri, 13 Mar 1998 10:07:54 +0900
From: 投野由紀夫<東京学芸大学> <>
Reply-To:
To:

投野@学芸大です。

On Fri, 13 Mar 1998 08:33:00 +0900
Nagayuki Inoue <> wrote:

> 文字化け事件も一段落しましたし,(^_^;) 今日は皆さんの学習辞典とユーザ
> ーインターフェイスに関するご意見をうかがえればと思いまして,書き込んで
> おります。

井上先生のご発言に対して、一応辞書ユーザー研究を専門にしている者としてワ
ンコメントします。

Dictionary user interface の問題ではいくつかの切り口があります:

1)accuracy vs. user-friendliness
これは井上先生の指摘されたとおり見やすさと正確さのどちらを取るか、の
バランスの問題です。
2)exhaustive vs. selective
なるべく記述を包括的にするという視点と重要なものを選別するという視点
のバランスです。
3)learner proficiency level vs. optimal interface structure
ユーザーの英語力と辞書の情報をどう見せるか、というレベルの調整の問題
です。
4)learner reference skills vs. optimal interface structure
ユーザーの辞書引きスキルのレベルと辞書情報の見せ方の関係です。

などです。

実は、研究上いろいろ問題になるのは、辞書項目の記述の正確さや包括性に関し
てはある程度言語学的に基準を示せるのですが、「ユーザーインターフェースに
関する経験的なデータがほとんどない」ということです。つまり、どういうレベ
ルの学習者がどういう辞書を引くとどんな情報を使えてどんな情報は手に負えな
いか、とかそういったことのデータが非常に少ないことです。

[U],[C]などもうちの学芸大の英語科でない学生は40%くらいしか記号の意味
を知りません。((数えられない名詞))と書いてやるといいか、というとそれでど
れだけ使い勝手が向上するのか、本当はよくわかっていません。中学・高校とこ
ういう数字がどう変化するのか、大学生と社会人ビジネスマンではどうか、など
辞書使用に関する統計的なデータは非常に少ないので、編者のカンに頼るか、ざっ
と観察した印象か、しかないわけです。

ですから、もっとこういうフィールドワークというか辞書使用に関する実証的な
研究があるべきだと思うわけです(世界でも専門にやっている人は10人くらい
しかいません)。

ヨーロッパでは出版社が辞書学会にかなり活発に参加して発表していますので、
彼らがユーザー調査のデータを公表するところが多いです。(特に Oxford は積
極的に研究投資をしていて、それを公開しています。Longman はどちらかという
と自分たちの内部にリソースをため込むので、商品は面白いけど学会での貢献度
は低いわけです。ですから、ヨーロッパでは OUP の辞書の売れ行きが圧倒的にい
いです。ですから例外的によく売れる日本は Longman にとって大変なお客様です)

こういう学会での出版社の姿勢は、商品なのだからきちんとマーケットリサーチ
をしよう、という発想ですが、日本の場合は辞書はマーケット調査をあまりしな
くても売れる珍しい商品の1つなのです。

飯塚さんとかその他の出版社の方もリストに加わっていらっしゃるので、僕は是
非、それぞれの会社の辞書のユーザーアンケートの結果などを支障のない範囲で
公開する方向で共有してはどうかと思います。お願いします。

ちなみに『フェイバリット』(東京書籍)は初版第6刷ですが、2年目も25万
部以上行きそうな売れ行きで、快進撃です。校閲委員をした者として嬉しいので
すが、「ユーザーインターフェイスに気を使えば,必然的にスペースに影響が出
て,記述の正確さやその他の点において問題になることがしばしばあります。」
という井上先生のご指摘はずばり的中していますね。(内容が多少雑でも、営業
力で売ってしまうと言うこともあるかも...)

*******************************
投野 由紀夫
東京学芸大学英語教育学研究室
email:
URL: http://www.u-gakugei.ac.jp/~tefldpt/tonolab/index-j.html
*******************************


2 INET GATE INQ00100 98/03/13 11:27
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Fri, 13 Mar 1998 11:14:00 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

投野先生,早速レスをいただきありがとうございます。

>Dictionary user interface の問題ではいくつかの切り口があります:
>
>1)accuracy vs. user-friendliness
> これは井上先生の指摘されたとおり見やすさと正確さのどちらを取るか、の
> バランスの問題です。
>2)exhaustive vs. selective
> なるべく記述を包括的にするという視点と重要なものを選別するという視点
> のバランスです。
>3)learner proficiency level vs. optimal interface structure
> ユーザーの英語力と辞書の情報をどう見せるか、というレベルの調整の問題
> です。
>4)learner reference skills vs. optimal interface structure
> ユーザーの辞書引きスキルのレベルと辞書情報の見せ方の関係です。
>
>などです。

うまくまとめていただき恐縮です。

>は低いわけです。ですから、ヨーロッパでは OUP の辞書の売れ行きが圧倒的にい
>いです。ですから例外的によく売れる日本は Longman にとって大変なお客様です)

・売れる辞書
・良心的な辞書
・正確な記述を誇る辞書

というのは,多少の重なりああるにしろ,本当はすべて違うのかもしれませ
ん。(^_^;)

>こういう学会での出版社の姿勢は、商品なのだからきちんとマーケットリサーチ
>をしよう、という発想ですが、日本の場合は辞書はマーケット調査をあまりしな
>くても売れる珍しい商品の1つなのです。

おっしゃるとおりですね。ちゃんとやっている出版社もあるのかもしれません
が,その成果がもうひとつ見えてこない。

>飯塚さんとかその他の出版社の方もリストに加わっていらっしゃるので、僕は是
>非、それぞれの会社の辞書のユーザーアンケートの結果などを支障のない範囲で
>公開する方向で共有してはどうかと思います。お願いします。

出版社,辞書編集関係者の方から,高校や中学などで辞書採択にかかわられて
いる方,一般ユーザーの方々からの忌憚のないご意見をお待ちしております。

11:05 (金) 03/13/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INS00102 98/03/13 13:46
題名:[lex] 関係代名詞のwhose

Date: Fri, 13 Mar 1998 13:11:00 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。いま、html 形式の文法書を書いています。一つ疑問
点が生じたので、どなたかにご教授いただければと思い投稿しています。

OXFORD ENGLISH 1986 THE WRITTEN WORD GRAMMER P153 に、

whose or of which in relative clauses

The relative pronoun "whose" can be used as the prossessive of which, i.e.
with reference to a non-personal antecedent, just as much as it can as the
posessive "who". The rule sometimes enunciated that "of which" must always
be used after a non-personal antecedent should ignored, as it is by good
writers, e.g.

The little book whose yellowish pages she knew (Virginia Woolf)

A robe whose weigaht and stiff folds expressd her repose (Evelyn Waugh)

A narrow side street, whose windows had flower boxes and painted shutters
(Doris Lessing)

In some sentences, "of which" would be almost impossible, e.g.

The lawns about whose closeness of cut his father worried the gardener
daily (Susan Hill)

There is of course, no rule prohibiting "of which" if it sounds natural,
e.g.

A little town the name of which I have forgotten (W. Somerset Maugham)

Whose can only be used as the non-personal posessive in relative clauses.
Interrogative whose refers only to persons, as in "Whose book is this?"

とあります。

また、ALT として佐賀に滞在中のネイティブたち(アメリカ、イギリス、カナダ、
オーストラリア人全員)が、高校生が使っている文法書の

 The building whose roof you see over there is our school.

という文を見て、変だ、間違っている、と指摘します。確かに OXFORD ENGLISH の
説明とも一致しないように思います。

物を先行詞とする whose の取り扱いに工夫が必要かな、と考えているのですが、
「愛情や、哀愁を感じる場合」という限定をつけるのはおかしいでしょうか。


3 INET GATE INP00102 98/03/13 15:43
題名:[lex] Usability Testing for Dictionaries

Date: Fri, 13 Mar 1998 15:33:34 +0900
From: Minoru Moriguchi <>
Reply-To:
To:

シャープ・森口です。
しばらく前、取扱説明書とオンラインヘルプを作成していると自己紹介して
コメントを流させて頂きましたが、実はコンピュータのアプリケーションの
ユーザインタフェースにも口出しをしています。
コンピュータのユーザインタフェースと辞書のユーザインタフェースは
ある程度パラレルに考えることができると思っているので、先生方の議論を
興味を持って拝見させて頂いています。

投野先生:
>実は、研究上いろいろ問題になるのは、辞書項目の記述の正確さや包括性に関し
>てはある程度言語学的に基準を示せるのですが、「ユーザーインターフェースに
>関する経験的なデータがほとんどない」ということです。つまり、どういうレベ
>ルの学習者がどういう辞書を引くとどんな情報を使えてどんな情報は手に負えな
>いか、とかそういったことのデータが非常に少ないことです。

この経験的データがほとんどないという事情を解決する方法として、コンピュータ
の方で取られている手法に Usability Testing という手法があります。以下のような
手順です。
1 ターゲットになるユーザ層の人に Usability Testing Lab に
  来てもらう
2 ユーザにコンピュータを使ってしてもらいたいタスクを伝える
  ただし、どうやったらそのタスクを実行できるかは言わない
  たとえば、ワープロソフトなら「表を作って下さい」と
  ユーザにお願いするが、その方法は説明しない
3 ユーザは試行錯誤しながらそのタスクを実行する
  その際、自分が何をしているかを声を出していう
  たとえば、「罫線というコマンドをさがしています」
4 メーカーの担当者はその様子をマジックミラーから覗いていて
  ユーザの行動や疑問を記録していく
5 タスクが終わったら、メーカーはその記録を分析してユーザ
  インタフェースの改良に役立てる

ごく大雑把に言えば、こんな感じで、「プロトコル分析」と呼ばれることも
あるようです。
全く同じ方法が辞書のインタフェースに使えるかどうかは疑問ですが、
何かのヒントにはならないでしょうか。

--
Minoru Moriguchi
Personal Computer Division
SHARP Corporation


1 INET GATE INR00103 98/03/13 16:12
題名:[lex] Usability Testing for Dictionaries

Date: Fri, 13 Mar 1998 16:03:50 +0900
From: 投野由紀夫<東京学芸大学> <>
Reply-To:
To:

投野@学芸大です。

On Fri, 13 Mar 1998 15:33:34 +0900
Minoru Moriguchi <> wrote:

> この経験的データがほとんどないという事情を解決する方法として、コンピュータ
> の方で取られている手法に Usability Testing という手法があります。以下のような
> 手順です。

これと同じような think aloud protocol を使った方法で調査している研究は数
は少ないですが、確かにあります。ただ、大多数は questionnaire タイプの物で
す。私の下記のホームページの「辞書ユーザー研究」を参照してください。

要は、あまりやる人がいないので、まだまだ事実の積み上げが少ないと言うこと
ですね。

*******************************
投野 由紀夫
東京学芸大学英語教育学研究室(もうすぐ辞めて英国へ行きます)
email:
URL: http://www.u-gakugei.ac.jp/~tefldpt/tonolab/index-j.html
*******************************


1 INET GATE INR00101 98/03/13 16:49
題名:[lex] 関係代名詞のwhose

Date: Fri, 13 Mar 1998 16:45:20 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.

Matumoto Yosihito wrote:
>
The little book whose yellowish pages she knew (Virginia Woolf)
>
また、ALT として佐賀に滞在中のネイティブたち(アメリカ、イギリス、カナ
ダ、
> オーストラリア人全員)が、高校生が使っている文法書フ
>
>  The building whose roof you see over there is our school.
>
> という文を見て、変だ、間違っている、と指摘します。
> 物を先行詞とする whose の取り扱いに工夫が必要かな、と考えているのですが、
> 「愛情や、哀愁を感じる場合」という限定をつけるのはおかしいでしょうか。

個人的な見解ですが,「愛情や、哀愁を感じる場合」という限定をつけても
解決にならないと思います. この問題については Quirk et al. (1985), A
Comprehensive Grammar of the English Language, p. 769 や Webster's
Dictionary of English Usage (1989), pp. 959-960 などに適切な解説があり
ます.要するに,関係代名詞の whose を人間以外の先行詞に使うのに抵抗を
感じる人がいるが,そうでない人もいて,昔から使われていたということのよう
です.相談された ALT の人たちはたまたまその用法に抵抗を感じる人たちだ
ったのでしょう.
ただ,関係代名詞の whose は文章語的で少し堅いので,「フェイバリット英
和」p.916 には話し言葉では a house whose house was red ではなく a house
with a red roof というべきだという注意があります.わたしもこの注意は適切
だと思います.
ALT が拒否反応を示したら,じゃ,同じ内容のことをどう言えばいいのかと
ただすことも大切ではないでしょうか.
それから,Susan Hill の例文には単語の脱落か何かがあるみたいで,意味が
よくわかりませんでした.

加藤 和男 <>


1 INET GATE INR00103 98/03/13 17:51
題名:[lex] RE: [lex] 関係代名詞のwhose

Date: Fri, 13 Mar 1998 17:42:56 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

加藤先生、ありがとうございました。

>個人的な見解ですが,「愛情や、哀愁を感じる場合」という限定をつけても
>解決にならないと思います. この問題については Quirk et al. (1985), A
>Comprehensive Grammar of the English Language, p. 769 や Webster's
>Dictionary of English Usage (1989), pp. 959-960 などに適切な解説があり
>ます.要するに,関係代名詞の whose を人間以外の先行詞に使うのに抵抗を
>感じる人がいるが,そうでない人もいて,昔から使われていたということのよう
>です.相談された ALT の人たちはたまたまその用法に抵抗を感じる人たちだ
>ったのでしょう.

確かに、いくつかの文法書で、そういった記述を見た記憶があります。また、
"TIME" 等を読んでいても、あまり、この "whose" に出会うことがなかったものでお
聞きした次第です。(早くコーパスぐらい使えるようにならないといけませんね
(^^;)

> ただ,関係代名詞の whose は文章語的で少し堅いので,「フェイバリット英
>和」p.916 には話し言葉では a house whose house was red ではなく a house
>with a red roof というべきだという注意があります.わたしもこの注意は適切
>だと思います.

> ALT が拒否反応を示したら,じゃ,同じ内容のことをどう言えばいいのかと
>ただすことも大切ではないでしょうか.

いつもそうしています。先生ご指摘のように、 "with" を使った表現にする場合や、
二つの文のまま述べる場合が多いです。

> それから,Susan Hill の例文には単語の脱落か何かがあるみたいで,意味が
>よくわかりませんでした.

確かめてみましたが、原文通りでした。ひょっとしたら誤植でしょうか。

もやもやしていたのがすっきりしました。ありがとうございました。


1 INET GATE INR00103 98/03/13 17:51
題名:[lex] RE: [lex] 関係代名詞のwhose

Date: Fri, 13 Mar 1998 17:42:56 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

加藤先生、ありがとうございました。

>個人的な見解ですが,「愛情や、哀愁を感じる場合」という限定をつけても
>解決にならないと思います. この問題については Quirk et al. (1985), A
>Comprehensive Grammar of the English Language, p. 769 や Webster's
>Dictionary of English Usage (1989), pp. 959-960 などに適切な解説があり
>ます.要するに,関係代名詞の whose を人間以外の先行詞に使うのに抵抗を
>感じる人がいるが,そうでない人もいて,昔から使われていたということのよう
>です.相談された ALT の人たちはたまたまその用法に抵抗を感じる人たちだ
>ったのでしょう.

確かに、いくつかの文法書で、そういった記述を見た記憶があります。また、
"TIME" 等を読んでいても、あまり、この "whose" に出会うことがなかったものでお
聞きした次第です。(早くコーパスぐらい使えるようにならないといけませんね
(^^;)

> ただ,関係代名詞の whose は文章語的で少し堅いので,「フェイバリット英
>和」p.916 には話し言葉では a house whose house was red ではなく a house
>with a red roof というべきだという注意があります.わたしもこの注意は適切
>だと思います.

> ALT が拒否反応を示したら,じゃ,同じ内容のことをどう言えばいいのかと
>ただすことも大切ではないでしょうか.

いつもそうしています。先生ご指摘のように、 "with" を使った表現にする場合や、
二つの文のまま述べる場合が多いです。

> それから,Susan Hill の例文には単語の脱落か何かがあるみたいで,意味が
>よくわかりませんでした.

確かめてみましたが、原文通りでした。ひょっとしたら誤植でしょうか。

もやもやしていたのがすっきりしました。ありがとうございました。


8 INET GATE INP00102 98/03/14 11:44
題名:[lex] 英文テクスト分析ツール wc.exeのご

Date: Sat, 14 Mar 1998 11:27:04 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

関山@愛知淑徳大院生 です。

 英文を分析し,基本的な統計値を算出するDOS汎用のツール(wc.exe)をご紹介しま
す。WC (Word Count)は(もともとは)Unix上で動くツールですが,DOSにも移植され
,似たようなのがいろいろと出ています。しかし,大半は文字数や単語数,段落数ぐ
らいしか出てこないと思います(元がそうなので)。
 今回ご紹介するwc.exeは,それらに加え,以下のような情報も得られます。

・単語数(トークン+タイプ)
・平均単語長
・文字別の出現頻度
・単語の出現頻度順リスト(デフォルトでは上位30語のみだが,オプション指定によ
り,ユニークな単語の全リスト(と出現頻度)も出力可)
・1文あたりの平均単語数
・1単語あたりの平均音節数
・1文あたりの平均音節数
・リーダビリティーの数値とグレードレベル(Fleschのだと思います)

 このような情報はWord 97付属の文法チェッカーや,Grammatikなどについている分
析機能でも一応は出せますが,ファイルサイズが大きくなると,気が遠くなるほど遅
くなり,動作も不安定になるのが難点です。しかし,wc.exeなら,数mbのテキストフ
ァイルでも5,6秒(私のPC(Pentium 100MHz)の場合)で完了します。これなら,市販
のコンコーダンスソフトにもひけをとらないと思います。DOSコマンドなので,リダ
イレクトして結果をファイルに落としたりすることも(DOSの作法を知っている人に
は)簡単にできるので,加工も容易です。
 ただし,算出対象ファイルの指定にワイルドカードが使えないので,複数テキスト
を比較したりする際は不便です。また,日本語のテクストには対応していませんし,
コーパスのようにタグや制御コードの混ざったものは誤動作したり,異常終了するこ
ともあります。文字別の出現頻度の算出は面白いのですが,DOSの制約からか,65535
? 以上になるとうまくカウントされないようです。
 以下は,出力例です(ちょうど手元にあったクリントン大統領の就任演説のテクス
トを用いました(^^))。この程度の長さのテクストなら,一瞬で終わります。

Word Count V1.4 by Chris B. Sakkas (C)1994 The Software System
A : 557 B : 100 C : 230 D : 284 E : 953 F : 163
G : 116 H : 331 I : 477 J : 8 K : 40 L : 305
M : 211 N : 524 O : 634 P : 127 Q : 4 R : 497
S : 456 T : 582 U : 234 V : 91 W : 224 X : 2
Y : 119 Z : 6
Words in File : 1603 Avg. Word Length : 4.546 Unique Words : 604

The Thirty Most Used Words In This File Are:
1. THE: 89 コ 16. BUT: 15
2. AND: 66 コ 17. WITH: 14
3. OUR: 57 コ 18. US: 13
4. WE: 52 コ 19. NOT: 12
5. TO: 50 コ 20. PEOPLE: 12
6. OF: 46 コ 21. THAT: 12
7. IN: 31 コ 22. BY: 10
8. IS: 28 コ 23. FROM: 10
9. FOR: 20 コ 24. SO: 10
10. MUST: 18 コ 25. THIS: 10
11. WORLD: 18 コ 26. TODAY: 10
12. A: 17 コ 27. WHO: 10
13. HAVE: 17 コ 28. ALL: 9
14. AMERICA: 15 コ 29. AMERICANS: 9
15. ARE: 15 コ 30. AN: 9

Word Count V1.4 by Chris B. Sakkas (C)1994 The Software System
Approximate Number of Sentences in File : 87
Approximate Words per Sentence : 18.4253
Approximate Number of Syllables in File : 2387
Approximate Number of Syllables per Word : 1.4891
Approximate Number of Syllables per Sentence : 27.4368

Readability Index : 62.1569 (Standard - Grade Level 9)

 入手方法(の一例)ですが,http://www.shareware.com にアクセスし,DOSソフト
を選択し,検索キーワードにwc14.zipと入れればダウンロードできます。ここ以外で
も,海外のフリーウェア/シェアウェアのサイトの多くには登録されています。
 あるいは(添付ファイルの受信が可能な方は),私個人宛のメール(961018x@
asu.aasa.ac.jp)でご連絡くだされば,アーカイブをメールに添付してお送りします
(今月末まで学会等で手が放せないため,若干遅れるかもしれません)。

---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---
SEKIYAMA, Kenji
Graduate School of English Aichi Shukutoku University

E-mail:
★ Homepage URL: http://members.tripod.com/~sekky ★

"Sociolinguistics is NOT sociolinguistics, but sociolinguistics is
linguistics" (William Labov)
---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---


2 INET GATE INR00102 98/03/14 16:13
題名:[lex] 研究発表募集

Date: Sat, 14 Mar 1998 16:15:18 +0900 (JST)
From: 赤野 一郎 <>
Reply-To:
To:

会員にはすでにニューズレターでお知らせしていますので,重複することになり
ますが,非会員で英語の語法に関心のある方も奮ってご応募ください.

英語語法文法学会第6回大会が、本年10月17日(土)京都外国語大学で開催されま
す。以下がその応募規定です.

1. 発表者は会員であること。
2. 発表要旨は、余白を十分とり、1行目にタイトルを明記し、A4版25字×32行
で4枚以内(原稿用紙使用の場合はA4 版400字詰め横書き8枚以内)にまとめて
5部(コピーで可)を提出する。ただし、参考文献表は枚数に含めない。名前は
別紙に書くこと。
3. 選考及び研究発表の割り振りは大会準備委員会が行い、結果は応募締切後一
ヶ月以内に応募者に通知する。
4. 名前、所属・職名、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールのアドレ
スを明記したものを添付する。名前には必ずふりがなを付ける。
5. 発表時間は一人25分以内(別に質疑10分)とする。
6. 応募締切は1997年7月10日(金)必着とする。
7. 宛先(問い合わせ):615-8558京都市右京区西院笠目町6 京都外国語大学
赤野研究室内英語語法文法学会事務局。「発表応募」と朱筆のこと。
電話075-322-6103
E-mail:。
8. なお、入会希望者は郵便振替で年会費4,000円を口座番号01180-0-42272、加
入者「英語語法文法学会」に送金すること。

***************************************************************
英語語法文法学会
京都市右京区西院笠目町6番地
京都外国語大学英米語学科 赤野研究室内
phone: 075-322-6103(直通) fax: 075-322-6246(総務課)
e-mail: NIFTYSERVE: HFC03130
***************************************************************


1 INET GATE INP00100 98/03/14 17:51
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sat, 14 Mar 1998 17:47:46 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: <>

学習辞典とユーザーインターフェイス について
臨床的な1事例

ごく普通の大学英語科2年生40人のうち『ジ(ーニアス)』が
30人ほどいて、
agree to do の記述を英和辞典で探させました。(動詞型
を数週間扱った後のことです。)

90秒与えて、『ジ』所持者の3分の2以上の学生が探せませ
んでした。(『ジ』では、見出し語 agree の6行目に、本体記述
でいえば2行目にあります。だからこの事例は信じてもらえない
かも知れませんが、信じる lexicographers に幸いあれ!)

<<単なる語学教師としての原因推測>>
辞書執筆家は、agree to NP と agree to do を意味の上では
同一視する。(「動詞型あり -- 意味を求む」タイプの『アンカー』
にして同じです。)
これは英語の専門家として to のところで共通の意味を取り、
同一語義内に入れたのでしょう。

しかし、英悟史あたりまでかじる段階でないと、これを感じとれず、
学生は冒頭をみて「無い」から「次の語義へ」となったのかもしれな
い。

このように、執筆者が専門的、学術的知識を駆使してスペース
と戦う工夫をしても、学習者にはいかんせんついて行けない。

ここまで書いたので、止む無く投稿しますけれども、
「agree 欄を全部読んでも2分ぐらいだろうに、もうちょっと丁寧に
読めんか?」
と、言う方が先ではないかと思ってもいます。

しかし、Mother pictured her delightedly opening and shutting
the lid of this new desk. における picture NP to do のように
「型 --> 意味」 が取り易いものは、『Nアンカー』などの方式の
表示が使いやすい(教えやすい) というのが経験から確かです。

私のクラスではここ3,4年『ジ』所持者がクラスの80%前後で
す。私は好きで使っていますが、この辞書は "EFL teacher's
dictionary" と言うほうが当たっていませんか。

西村 公正


2 INET GATE INS00102 98/03/14 19:31
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sat, 14 Mar 1998 19:25:00 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

西村先生:

書き込みありがとうございます。

> ごく普通の大学英語科2年生40人のうち『ジ(ーニアス)』が
>30人ほどいて、

すごい比率ですね。外大ということもあるのでしょうね。

> agree to do の記述を英和辞典で探させました。(動詞型
>を数週間扱った後のことです。)
>
>90秒与えて、『ジ』所持者の3分の2以上の学生が探せませ
>んでした。(『ジ』では、見出し語 agree の6行目に、本体記述
>でいえば2行目にあります。だからこの事例は信じてもらえない
>かも知れませんが、信じる lexicographers に幸いあれ!)

『ジーニアス』(s.c. agree)
1 ...[SV(M)]〈人が〉(決定権があって)〔提案などに〕同意する,賛成する
〔to〕;〔…することを〕認める〔to do,to doing〕‖I asked him to come
with me and he 〜d ...
※〔to〕のtoはイタゴチ,〔to do, to doing〕のtoとingはイタ。

となっていますが,うーん,確かにあまり目立たない書き方ですね。『ジーニ
アス』の書式でいうと,〔to do, to doing〕のうちのto doはせめて,すぐ前
にある〔to〕のようにイタゴチにくらいはして欲しいですね。

>「agree 欄を全部読んでも2分ぐらいだろうに、もうちょっと丁寧に
>読めんか?」
>と、言う方が先ではないかと思ってもいます。

教師としては,詰まるところこう言いたいのですが,何でも最近の教材は「や
さしく」という方向へ行っており,そのこと自体の是非は別として,辞書も
「丁寧に読」まなくてもとりあえずは使えるといったことを求めるようになっ
てきているのかもしれません。

もちろん,そういった傾向をそのまま受け入れて,じっくり用例も読んで語感
を身につけてゆくといった態度を放棄してよいとは思いません。やはり,ユー
ザーインターフェイスと辞書指導というのは車の両輪のようなものだと思いま
す。

> しかし、Mother pictured her delightedly opening and shutting
>the lid of this new desk. における picture NP to do のように
>「型 --> 意味」 が取り易いものは、『Nアンカー』などの方式の
>表示が使いやすい(教えやすい) というのが経験から確かです。

確かに,授業などで教師が黒板に書くのは picture A doingといった形が多い
ので,生徒はなれているでしょうね。

> 私のクラスではここ3,4年『ジ』所持者がクラスの80%前後で
>す。私は好きで使っていますが、この辞書は "EFL teacher's
>dictionary" と言うほうが当たっていませんか。

ユーザーの能力別レベルでいうと確かに上級者向けと思います。

18:59 (土) 03/14/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INP00101 98/03/14 19:30
題名:[lex] JAECS 11th Program

Date: Sat, 14 Mar 1998 19:25:00 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

lexicographer各位

神戸大学の西村秀夫氏より,英語コーパス言語学会第11回大会プログラム転送
のご依頼がありましたので,以下に転送いたします。

>英語コーパス学会
>運営委員各位
>                          事務局 西村秀夫
>
>      英語コーパス学会第11回大会のご案内
>
> 英語コーパス学会
>
>
> 遅くなりましたが、来る4月18日(土)に開催されます、英語コーパス学
>会第11回大会のプログラムをご案内いたします。既にCorpistには流してあ
>ります。
>
>********************************************************************
>
> 英 語 コ ー パ ス 学 会 第 11 回 大 会
>
>日  時  1998年4月18日(土)
>会  場  大手前女子短期大学(兵庫県伊丹市稲野町2-2-2) Bホール
>  @阪急電鉄神戸線塚口駅で伊丹線に乗換 「稲野駅」下車
> 東へ徒歩2分
>    AJR宝塚線<福知山線>「猪名寺駅」下車 西へ徒歩7分
>
>ワークショップ  10:30−12:10  OA演習室
>    《双方向型コンコーダンスソフトTXTANAを使ったコーパス検索》
>      講 師 赤瀬川史朗
>      先着 30名(予定)  参加費 会員無料・非会員1,000円
> (申し込みは電子メール・FAX・郵便で事務局まで)
>
>受付開始  12:30
>開  会  13:00
>  1.会長挨拶              姫路獨協大学 齊藤 俊雄
>  2.総  会         
>  3.そ の 他
>研究発表  13:30−14:50
>  1.「everybody/everyoneを受ける代名詞について」
> 奈良女子大学大学院生 村田 和代
> 司会 徳島大学 田中 廣明
>  2.「付加文――COBUILDDirect利用の一研究」
> 追手門学院大学 稲木 昭子
> 司会 京都外国語大学 赤野 一郎
>
> 〈休 憩  14:50−15:05〉
>
>シンポジウム  15:05−17:30
>  《コーパスと辞書編集》 司会 大阪女子大学 南出 康世
>「コーパスと1言語辞典――EFL/ESL辞典を中心として」
> 講師 龍谷大学 正保 富三
>「コーパスと2言語辞典――英和辞典を中心として」
> 講師 島根大学 井上 永幸
>「コーパスと2言語辞典――ハイブリッド方式採用の和英辞典を
>    中心として」
> 講師 大修館書店 飯塚 利昭
>
>閉会の辞 大手前女子短期大学 西村 道信
>
>《懇親会 17:40−19:30 大手前女子短期大学教授会室  会費4,000円》
>
>--------------------------------------------------------------------
>英語コーパス学会  (Japan Association for English Corpus Studies)
>会 長 齊藤俊雄 
>事務局 657-8501 神戸市灘区鶴甲1-2-1 
>    神戸大学国際文化学部 西村秀夫研究室
>TEL/FAX 078-803-0737 E-mail:
>郵便振替口座 00940-5-250586
>URL http://muse.doshisha.ac.jp/JAECS/index.html
>--------------------------------------------------------------------
>◆大会当日、入会受付もいたしますので、お誘い合わせの上ご参加下さい
>(年会費 一般4,000円 学生3,000円)。
> また「当日会員」としての参加も受け付けております(1,000円)。
>
>
18:40 (土) 03/14/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


13 INET GATE INR00102 98/03/14 20:05
題名:[lex] JAECS 11th Program

Date: Sat, 14 Mar 1998 20:10:22 +0900 (JST)
From: 赤野 一郎 <>
Reply-To:
To:

次回の英語コーパス学会は興味深いシンポジウムになりそうですね.特に出版社
の方が講師として参加されるのは,日本の学会ではきわめてまれなことだと思い
ます.

> >シンポジウム  15:05−17:30
> >  《コーパスと辞書編集》 司会 大阪女子大学 南出 康世
> >「コーパスと1言語辞典――EFL/ESL辞典を中心として」
> > 講師 龍谷大学 正保 富三
> >「コーパスと2言語辞典――英和辞典を中心として」
> > 講師 島根大学 井上 永幸
> >「コーパスと2言語辞典――ハイブリッド方式採用の和英辞典を
> >    中心として」
> > 講師 大修館書店 飯塚 利昭
> >

__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/
AKANO, Ichiro
Kyoto University of Foreign Studies
TEL: 075-322-6103
E-MAIL:
NIFTY SERVE ID: HFC03130
__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/


11 INET GATE INS00101 98/03/14 22:57
題名:[lex] FW: ヴィスタ英和を読む(1)

Date: Sat, 14 Mar 1998 22:32:35 +0900
From: "Hiro Matsuzaki" <>
Reply-To:
To: "Lexicographer" <>

新刊の『ヴィスタ英和辞典』の話題にちょいと。

>@収録項目3万1千:実際の主見出しの数は不明:そのうち私流のやり方で推
>定してみたいと思っているが,印象としては高校初級用としては最も少ない部
>類ではないか.

いい辞書とは単に語彙数の多さではない。特に高校生・大学生が求めているのは
そう言える。ならば単語数を抑えて、分かりやすい解説の辞書を作ろう。
そうすれば売れる筈だ。それがヴィスタ誕生の出版社サイドのわけかなと思いまし
た。

>Aカナ発音を発音記号と併記している:この点についてどなたかのご意見をい
>ただければ有難いですね.

高校・大学生の多くが発音記号が苦手。だからカナ表記を、というディマンドは以前
から強い。そのことは出版社を動かす。でも、そのディマンドにOKサインを出すの
は教師としてはなかなか思い切ったなと感心しています。
会話本をカナ表記で出さないかという出版社の依頼を「ざけんな!」と断ってきた僕
は、ちょいと複雑な気持ちになっています。

>B記号類の一層をはかって,「わかる英和」を目指したと言う.この点が一番
>の特徴かも知れません.この点の評価は議論の分れるところかと思います.

なにも辞書は一冊だけじゃないので、一冊ぐらい「わかる英和」はあっていいと思い
ます。ヴィスタ存在の意味はそこにあるのでは。

>Eフォーラムとして,文化情報・表現を自然科学にもかなり力をいれて解説し
>ている.ただ難解なだけの文法をカットして,英語はこんなに「楽しい」こと
>をわからせたい,という.

辞書を楽しい読み物にする発想は素晴らしい。実は同じようなことを考えてい
たものですから、先をこされて悔しいです。

専門的なことは分かりませんが、普通の高校が欲しがるように戦略を立てて
商業的にも成功するように三省堂さんが「わかりやすさ」を全面に出した辞書
だと思います。
その昔、英語が出来なくて、赤尾の豆単を辞書代わりにしていた僕ですから、
ヴィスタは「豆単の辞書バージョン」としてプログレス・ジーニアスと並ぶ売れ行き
を記録するのではないかと予測しています。

ξ Teaching English since 1975
□D 松崎博 【American House Inc】


9 INET GATE INP00101 98/03/15 00:27
題名:[lex] 英文校正ソフトに関して

Date: Sun, 15 Mar 1998 00:27:23 +0900
From: "谷橋浩昭" <>
Reply-To:
To: <>

です。
職業柄英語をどんどん書かなければなりません。
書いた英語が文法的に正しいか正しくないかをある程度チェックしてくれる
ソフトを探しています。
会員の皆様なら何かご存知かと存じます。
ご教示ください。宜しくお願いいたします。

15/03/98
Academy in Michi-Akashi, Hyogo


7 INET GATE INP00101 98/03/15 11:23
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sun, 15 Mar 1998 11:15:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

西村先生・井上先生

西村先生の『ジーニアス』に関するショッキングなレポートとそれにつ
いての井上先生のコメント拝見しました。『ジーニアス』の記述方針は
「全体を知って個を知る」です。英文和訳で下線部訳の問題を考える場
合、そこだけ読んでもある程度の訳はできますが、全体を読んだ方がよ
り正しい訳ができるというのと同じ理屈です。すなわち「語を引いたら
まず全体を読んで(少なくともagree程度の分量であれば)それから統
語上の型とか語義を把握せよ」ということです。(言い換えると、語義
が型を決定するわけだから、いきなり、型に飛びついてそれで済ますの
ではなく、語義全体を見てから型に戻ると、語義と型の関連性がよりよ
く理解できるということです)。これはユーザーに過酷な負担を課して
いるように思われます。しかし長い目で見れば、この方が記憶に残りや
すいし、語彙力増強につながり学習効果が上がると思います。それに同
じ語を必ず2度3度ひくものです。引く度に負担は減りますから、負担
は見かけほどではありません。
 すこし話は脱線しますが、新入生にCOBUILD, OALDなどの英英辞典
を紹介しています。できるだけ客観的にその特徴を述べることにして、
どれを購入するかは学生に任せていますが、COBUILD を選ぶ学生が結構
多いのです。未知の単語の意味を即座に知るためには、COBUILDは引き
づらいので意外な結果です。購入した学生に聞いてみると「引きにくいが、
文形式の定義は読むとなんだか英語が分かった気がする」といった反応が
返ってきます。英英辞典と英和辞典では次元が違いますから単純比較はで
きませんが「見てすぐわかる」が辞書選択の基準のすべてでないことが分
かります。
 話をもどして、「全体を知って個を知る」の基本方針は分離複合語の記
述にも生きています。『ジーニアス』は分離複合語を主見出しの下に追い
込んでいます。この方が親と子の関係が一瞥してわかります。これを独立
見出しとして並べると、そのあいだに他人あるいは親戚が割り込んできて、
親子の関係、すなわち全体と個の関係が把握しにくくなります。
 以上が作る側の主張です。主張自体は間違ってないと思いますが、問題は
この主張が空回りしていないかということです。ある辞書学者は「ユーザー
は作る側と別の世界にいる」とさえ言っています。これは作る側の思いこみ
や思い上がりを戒めるいい発言です。
我々も辞書は作りっぱなしでなく様々なユーザー・ユースに関わる調査を継
続的に行っています。しかし全体像を正確に把握できないと言うのが現状で
す。これには投野先生が指摘されているように適確な調査方法が確立してい
ないことに原因があると思います。
 今回の西村先生のご報告は単純明快でそれだけに説得力があり、作る側の
主張とユーザーとの接点を考えてゆく上で参考になります。これまでの投稿
(learners' dict. & user interface)も含め編集主幹に報告しておきま
す。ありがとうございました。

南出康世


5 INET GATE INP00100 98/03/15 14:17
題名:[lex] JACET辞書研究会からのご連絡

Date: Sun, 15 Mar 1998 13:55:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:

JACET英語辞書研究会会員・準会員の皆様へ
英語の辞書に関心を持たれる方々へ

大学英語教育学会(JACET)英語辞書研究会
                  (連絡)村 田  年

3月例会及び今後の催しのお知らせ
   
**************************************************************   1.3月
例会(第13回)   日時:3月
27日(金)15:00 〜 17:00 場所:早稲田大学
西早稲田キャンパス9号館5階 商学部大会議室
(地下鉄東西線「早稲田」駅に一番近い建物です)
発表:小 室 夕 里 (江戸川大学),Longman Essential Activator
       の編集とレキシコグラファー養成の問題    
 会費:無料 (参
考)小室さんはイギリスのエクセター大学修士課程(辞書学コー
     ス)在学中に4ヶ月の研修をロングマン社で受け,折よく
     Essential Activator の編集に参加し,レキシコグラファー養成か
     ら編集会議までをつぶさに見聞きする機会を得ました.この貴重な
     ご経験も踏まえて,Essential Activator の特徴について話される
     ことを期待致します.
   **************************************************************
   発表は3部構成になります.
    1)親版との比較により Longman Essential Activatorの紹介
     をされます.
    2)LEA の features がどのような発想に基づいて,どんな過程
     を経て生まれたかについて,対象者(intermediate 向け)に
     見合う「商品」とするために随時行われていたパイロット・ス
     タディーについて話されます.
3)レキシコグラファーの養成の問題について,英国ロングマン社
     の場合について,テキストの質を高く保つための会議の模様など
     を話されます.

2.6月例会について
   **********************************************************
  日時:6月14日(日)13:00 〜 15:00
場所:園田学園女子大学
  発表:濱嶋 聡(園田学園女子大学)「オーストラリアの英語辞書学:
     Macquarie 辞書とDictionary Research Centre」
     南條健助(大阪国際大学非常勤講師)「英和辞典の発音表記」
***********************************************************

◎6月例会については別のメールで詳しくお知らせ致します.

3.シンポジウム(9月11日,JACET大会(就実女子大)において)
  「学習辞書と用例」をテーマに企画中です.司会を岩崎研究会の活発なメ
 ンバーである赤須 薫さん(東洋大学)にお願いし,提案者として早稲田大
 学の山田 茂さん,東横学園女子短期大学の土肥一夫さん,京都外国語短期
 大学の土家裕樹さんを予定しています.ご期待下さい.

 ◎このシンポジウムについては別のメールで詳しくお伝え致します.

4.次のワークショップの発表募集
  次回のワークショップは12月5日(土)に「英語の辞書」をテーマに早稲
 田大学で開く予定です.発表者は先着順50人を予定しております.参加
 する人は発表することが原則ですので,早めに発表の準備をして下さい.
大学院生,若手研究者,高校教員等の方々のご発表を歓迎致します.

5.著書・論文等の紹介
  斉藤俊雄・中村純作・赤野一郎編『英語コーパス言語学 基礎と実践』
英語コーパス言語学という,急速に発展しつつある,新しい言語研究の分野
 の全貌を知ることのできる初めての概説書の刊行はありがたい.ぜひ手元に
 1冊備えて参考のされるようご案内致します.

6. AILA '99 Tokyo(1999年8月1-6日)(早稲田大学)への参加
  シンポジウム2件,ポスターセッション1件を出そうと企画中です.今年
 の5月末までに(二次募集として9月末までに,という手もありますが)
 申込まなければなりません.自薦・他薦をお願い致します.

◎この連絡はそれほど多くの人に送っておりません.ぜひお知合いの方々に
 PRをお願い致します.

問合わせ・連絡先:村 田  年
連絡等はできる限り E-mail でお願い致します.
         
FAX: 043-290-3747
〒273-0865 船橋市夏見4ー9ー5
TEL:0474-23-5475


3 INET GATE INS00101 98/03/15 17:35
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sun, 15 Mar 1998 17:30:47 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: <>

南出先生、『ジ』編集側からのコメントをありがとうございました。
(さて、以下は「実際の使用者市場」の報告です。なんら辞書学
とは関係なく事例をあげているだけですので、反論ではありま
せん。誤解のないようにお願いしたうえでレポートします。)

>語義が型を決定するわけだから、いきなり、型に飛びついて
>それで済ますのではなく、語義全体を見てから型に戻ると、
>語義と型の関連性がよりよ理解できると

この点については、『河村クラウン英和』は同じ趣旨を「序文」
で述べていたと記憶します。これには用例を上から下まで読むと
その語の使用型、文型がわかる、ということで形式記述を一切
していなかったですね。

しかし、"積極的動機の無い" >ユーザーに過酷な負担を課して<
ということを考えると、市場をも編集方針決定に考慮しなければな
らない現状では、大変ですね。辞書学はこれも含むものなのか、
大変興味深いところです。

というのは、『Universe of English』 を使う東京大学の授業案内
には 「辞書を引いたときに、冒頭の訳語を引き写しておしまい、と
はしないこと」 という注意書きがあるそうです。(『現代英語教育』
か『英語教育』で読んだ?)

>COBUILD … 購入した学生に聞いてみると「引きにくいが、文形式
>の定義は読むとなんだか英語が分かった気がする」といった反応

"きわめて普通の" 大学の英語科学生ではその97%は、COBUILD
に立ち向かって、こうはいかないのが現状です。

英和辞典をどう読んでいるのかを知るために、時々辞書を音
読させています。 information を引かせて、
「ではそこを読んでください」 というと、

「知らせること」 から読み出します。
『ジ』は
--[名](<複> 〜s /z/) 1 [U] 知らせること、…

となっておりますのに。 これがほとんど(まあ100%)です。

>「見てすぐわかる」が辞書選択の基準のすべてでないことが分
>かります。(極端な部分引用ですみません。)

出版を維持する経済市場を念頭に置かないのであれば、
"user interface" は今の水準で十分ではないでしょうか。

「携帯用英和」 を授業中に使ったら減点する、と言っているの
に使っている猛者が数人はいます。その理由は
「一瞥、全体が読める」 からだそうです。

ここで少しわからなくなったのですが、井上先生が発議された
"user interface" の問題は、純粋に学習上のことだけだったの
かとも思いますが。

西村 公正


2 INET GATE INP00100 98/03/15 19:43
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sun, 15 Mar 1998 19:36:46 +0900
From: "Hiro Matsuzaki" <>
Reply-To:
To: <>, <>

南出先生の詳細な解説をふむふむ言いながらは松崎@アメリカンハウスは拝読させて
いただきました。

>言い換えると、語義
>が型を決定するわけだから、いきなり、型に飛びついてそれで済ますの
>ではなく、語義全体を見てから型に戻ると、語義と型の関連性がよりよ
>く理解できるということです)。

高校時代の自分は100%型ねらいでした。他のクラスメートも含めて
刹那的な辞書の活用法しか頭になかったですね。

>しかし長い目で見れば、この方が記憶に残りや
>すいし、語彙力増強につながり学習効果が上がると思います。

この「長い目」の評価をめぐって、学生、教師、出版社の間で分かれて
くるでしょうね。で、その攻めぎあいを経て、一冊の辞書が誕生するの
ですね。

>ある辞書学者は「ユーザーは作る側と別の世界にいる」とさえ言っています。これ
は作る側の思いこみや思い上がりを戒めるいい発言です。

一般ユーザーは同じ世界に住んでいるとは、皆目思っていないようですよ。
大学の先生とお聞きしただけで、恐縮し、後ずさりしますもの。

>我々も辞書は作りっぱなしでなく様々なユーザー・ユースに関わる調査を継
>続的に行っています。しかし全体像を正確に把握できないと言うのが現状で
>す。

もし高校生を主なるユーザーと想定したなら、詳細なアンケート調査に基づくデータ
分析による全体像の把握の加えて、高校の英語教師の現場感覚を編纂委員会がどれだ
け反映できるか、頑張っていただきたいと思います。

>今回の西村先生のご報告は単純明快でそれだけに説得力があり

説得力の見本を拝見させていただいた気がしております。

ξ Teaching English since 1975
□D 松崎博 【American House Inc】


2 INET GATE INS00102 98/03/15 22:02
題名:[lex] RE: ヴィスタ英和を読む(1)

Date: Sun, 15 Mar 1998 21:55:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

Hiro Matsuzaki 様

村田 年(千葉大学)です.
「ヴィスタ英和を読む」(1)にご返事をいただきありがとうございました.
ぜひ貴兄のような考えの先生が高校に多いことを期待致しております.私自身
もこの辞書の行き方には敬意を表しております.今までは売れないという判断
があって,なかなか出す出版社がなかったのではと推察しております.
いろいろな辞書があって,その中から自分にあったものを選び,買ったが
最後一生使う,などと考えないで,音楽のCDを買うように,少し力が
ついたらもう一冊求めるようでありたいですね.

 かなり反応がありましたので続編を書きたいと思っております.


1 INET GATE INP00100 98/03/15 23:59
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sun, 15 Mar 1998 23:53:00 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

南出先生:

>西村先生の『ジーニアス』に関するショッキングなレポートとそれにつ
>いての井上先生のコメント拝見しました。『ジーニアス』の記述方針は

南出先生にコメントをいただき,心強い限りです。

>「全体を知って個を知る」です。英文和訳で下線部訳の問題を考える場

これは,特に最近の高校生にはつらいかもしれません。いや,最近でなくて
も,昔は『カレッジクラウン』(三省堂)のように,読解型というか,「用例を
読んでゆけばおのずとその単語が理解できる」式の辞書が主流だったわけです
が,だんだんと,こういったスタイルの辞書は少なくなってきております。項
目をすべて読むというのは,考えてみればかなりのレベルの生徒しか期待でき
なのではないでしょうか。読解型の教育が主流だった当時はこれでよかったの
でしょうが,授業時間数も減って,生徒の英語を読む力はつくる側が期待する
ほどあまり高くはないような気がします。

だからといって,「視覚的に特定の型とその訳語だけを確認して,はい終わ
り」といった傾向を是認するものではもちろんありません。

あと,用例も問題です。文法書や語法書などからの無味乾燥な,文法事項を説
明するだけの用例が辞書に持ち込まれ,なるほど,用例の長さは短くなり,そ
の長さで多くの文法事項を説明できるのですが,あまり実生活ではすぐに役に
立たない用例が多くなってしまいます。生活実感の持てる用例でないと,生徒
は読んでくれないような気がします。生徒が用例を読んで,「ああそうか,自
分があの時使っている表現は英語ではこういうんだ」といった感動がでてこな
いと,用例を読んでもらうことは期待しにくくなるような気がします。

>我々も辞書は作りっぱなしでなく様々なユーザー・ユースに関わる調査を継
>続的に行っています。しかし全体像を正確に把握できないと言うのが現状で
>す。これには投野先生が指摘されているように適確な調査方法が確立してい
>ないことに原因があると思います。

おっしゃるように,つくる側は「つくりっぱなし」にならないよう注意しなけ
ればなりませんね。同時に,現場で採用していただいた際には「買わせっぱな
し」にならないようなアフタケアというか,使う側とつくる側が一体になって
辞書を育ててゆく体制づくりが必要ではないかと思います。

『ジーニアス』の『英語教育』誌上におけるQ&Bも,文法・語法等の記述内容に
関してはその一環といえるでしょうが,ユーザーインターフェイスに関して
は,議論されているのを見たことがありません。これはユーザー側が議論しよ
うとしていないのか,Q&Bは文法・語法に関する質問のみということになってい
ると考えているのか,わかりませんが。『英語語法大事典』の第1巻ではもっ
とさまざまな質問が取りあげられていたように思います。もっとも,辞書のイ
ンターフェイスに関する質問はそれでも見たことがありません。(^_^;)

23:12 (日) 03/15/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INR00103 98/03/16 00:18
題名:[lex] 英文テクスト分析ツール wc.exeのご

Date: Mon, 16 Mar 1998 00:13:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

関山様:

> 英文を分析し,基本的な統計値を算出するDOS汎用のツール(wc.exe)をご紹介しま
>す。WC (Word Count)は(もともとは)Unix上で動くツールですが,DOSにも移植され
>,似たようなのがいろいろと出ています。しかし,大半は文字数や単語数,段落数ぐ
>らいしか出てこないと思います(元がそうなので)。

いつもながら貴重な情報をありがとうございます。いろいろツールもあります
が,ひとつでこれほどこなせるものは珍しいですね。しかも,フリーというの
もありがたいですね。授業でちょっと学生に使わせるといったときには高いソ
フトをそろえられませんから,強い味方となりそうです。ありがとうございま
した。

00:09 (月) 03/16/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


3 INET GATE INR00102 98/03/16 10:11
題名:[lex] WordWebのご紹介

Date: Mon, 16 Mar 1998 10:03:08 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

関山@愛知淑徳大院生 です。

 以前にお知らせしましたWordNetというオンライン類語辞典のソフトウェアですが
,プリンストン大学とは別の組織が,同じデータを使ったWordWebというソフトウェ
アを提供しておりますので,ご紹介します。
 WordWebは,WordNetを一般向けにしたもので,研究目的というよりは,一般の人が
英語を書いたり,クロスワードパズルなどを解いたりする際に使うことを想定してい
るようです。データはWordNetのものと全く同じですが,語義と類語のウィンドウが
別になっているので見やすいですし,Synonym, Hypernym, Hyponymなどの切り替えが
,タブをクリックするだけで簡単に行えます。データはバイナリになっているので,
ファイルサイズが小さく(ダウンロード時で約4mb)手軽に手に入れられます。ただ
し,WordNetのように,階層的に意味のつながりを表示することはできず,例えばあ
る単語の上位語を調べても,1つ上の階層の語しか表示されません。
 WordWebはフリーウェアですが,登録料($18)を払えばWordWeb Proというバージョ
ンが送られてきます。こちらは,主にクロスワードパズル愛好者(解く人+作る人)
を対象にワイルドカードを用いたパターン検索や,anagramの検索,同一作者による
クロスワード作成ソフトCrossword Compilerと連携し,パズルのカギを作成中に
WordWebを自動検索するといったことができます。

http://www.netword.demon.co.uk/wweb に詳しい紹介があります。ダウンロードもこ
こからできます。

---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---
SEKIYAMA, Kenji
Graduate School of English Aichi Shukutoku University

E-mail:
★ Homepage URL: http://members.tripod.com/~sekky ★

"Sociolinguistics is NOT sociolinguistics, but sociolinguistics is
linguistics" (William Labov)
---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---


2 INET GATE INP00101 98/03/16 10:11
題名:[lex] wc.exeはシェアウェア($9)です。

Date: Mon, 16 Mar 1998 10:03:08 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

井上先生,

> いつもながら貴重な情報をありがとうございます。いろいろツールもあります
> が,ひとつでこれほどこなせるものは珍しいですね。しかも,フリーというの
> もありがたいですね。授業でちょっと学生に使わせるといったときには高いソ
> フトをそろえられませんから,強い味方となりそうです。ありがとうございま
> した。

 レスをありがとうございます。今wcのドキュメントを見てみましたら,シェアウェ
アでした。レジストしなくても動作制限はありませんが,$9を作者宛に送れば,最新
版のディスクが届くそうです。Educational discountにも応じると書いてありました

---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---
SEKIYAMA, Kenji
Graduate School of English Aichi Shukutoku University

E-mail:
★ Homepage URL: http://members.tripod.com/~sekky ★

"Sociolinguistics is NOT sociolinguistics, but sociolinguistics is
linguistics" (William Labov)
---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---=---


6 INET GATE INP00103 98/03/16 13:15
題名:[lex] learners' dict. & user interface

Date: Sun, 15 Mar 1998 23:59:40 +0900
From: "Hiro Matsuzaki" <>
Reply-To:
To: <>

南出先生の詳細な解説をふむふむ言いながらは松崎@アメリカンハウスは拝読させて
いただきました。

>言い換えると、語義
>が型を決定するわけだから、いきなり、型に飛びついてそれで済ますの
>ではなく、語義全体を見てから型に戻ると、語義と型の関連性がよりよ
>く理解できるということです)。

高校時代の自分は100%型ねらいでした。他のクラスメートも含めて
刹那的な辞書の活用法しか頭になかったですね。

>しかし長い目で見れば、この方が記憶に残りや
>すいし、語彙力増強につながり学習効果が上がると思います。

この「長い目」の評価をめぐって、学生、教師、出版社の間で分かれて
くるでしょうね。で、その攻めぎあいを経て、一冊の辞書が誕生するの
ですね。

>ある辞書学者は「ユーザーは作る側と別の世界にいる」とさえ言っています。これ
は作る側の思いこみや思い上がりを戒めるいい発言です。

一般ユーザーは同じ世界に住んでいるとは、皆目思っていないようですよ。
大学の先生とお聞きしただけで、恐縮し、後ずさりしますもの。

>我々も辞書は作りっぱなしでなく様々なユーザー・ユースに関わる調査を継
>続的に行っています。しかし全体像を正確に把握できないと言うのが現状で
>す。

もし高校生を主なるユーザーと想定したなら、詳細なアンケート調査に基づくデータ
分析による全体像の把握の加えて、高校の英語教師の現場感覚を編纂委員会がれだ
け反映できるか、頑張っていただきたいと思います。

>今回の西村先生のご報告は単純明快でそれだけに説得力があり

説得力の見本を拝見させていただいた気がしております。

ξ Teaching English since 1975
□D 松崎博 【American House Inc】


3 INET GATE INS00101 98/03/16 16:02
題名:[lex] "the building whose roof" and "Nat

Date: Mon, 16 Mar 1998 15:42:43 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To: lexicographer <>

加藤@岩手医大です.

3月13日の「関係代名詞の whose 」という問題提起について発言しましたが,
まだ舌足らずなような気がするので,もう少し書かせてもらいます.
問題は,無生物を先行詞にした The building whose roof you see over
there is our school. という高校生用の文法書の例文を米英,カナダ,オー
ストラリアの ALT 全員が容認不可としたのだが,これは無生物を先行詞に
した関係代名詞の whose を認めている文法書の記述と矛盾するということで
した.
私はこれは個人方言の違いだからやむを得ないと書きました.この主張が
間違っているとは思いませんが,あの時触れなかった問題点がもう一つありま
す.それは文法書の例文をしりぞけた Native(s) は上の例文を見て「無生物
を先行詞にした関係代名詞の whose」はすべてダメと判断したわけではない
ということです.この ALT たちがした判断は上の例文についての判断なので
あって,一般的な「無生物を先行詞にした関係代名詞の whose」という文法
条件についての判断ではないのです.つまり,この Native(s) たちは文法的
な条件が同じでも,次のような例文についてなら OK という判断をを出す可
能性は十分にあるのではないかと思われます:

(1) Either a car without a roof or one whose roof can be removed
(2) Pharmaceutical plant whose roof was constructed using ... PALRUF
American Profile Panels.
(3) ..., a vehicle that has no roof, or a vehicle whose roof is
completely removal.
(4) ... developed a hard-sided, folding RV whose roof raises(sic) or
lowers hydraulically ....
(5) ..., who lived in a dirt-floor shack whose roof blew away.

以上は,検索機能を使って「手作業」でネットのホームページから拾ったもので
す.
"Native check" は使い方が難しい道具です.手軽ではありますが,それを過信
するのも危険ですし,また,「攘夷」論者のように使わないのももったいない話
です.

加藤 和男 <>

================

2 INET GATE INQ00101 98/03/16 17:21
題名:[lex] 『ジーニアス』の記述方針雑感

Date: Mon, 16 Mar 1998 17:17:53 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

  『ジーニアス』の記述方針とUser Interface に関連しての雑感

村田 年です.
agree to に端を発したこの問題の議論を興味深く拝読致しました.
大した意見もないのですが,とりとめもないことを書かせていただきます.

(南出先生 wrote: )
『ジーニアス』の記述方針は
「全体を知って個を知る」です。英文和訳で下線部訳の問題を考える場
合、そこだけ読んでもある程度の訳はできますが、全体を読んだ方がよ
り正しい訳ができるというのと同じ理屈です。すなわち「語を引いたら
まず全体を読んで(少なくともagree程度の分量であれば)それから統
語上の型とか語義を把握せよ」ということです。...

 話をもどして、「全体を知って個を知る」の基本方針は分離複合語の記
述にも生きています。『ジーニアス』は分離複合語を主見出しの下に追い
込んでいます。この方が親と子の関係が一瞥してわかります。

(村田)
『ジーニアス』は「全体を知って個を知る」基本方針に貫かれていること
は引いてみて,読んでみてよくわかります.この点がこの辞書を生徒が扱
うには重すぎるものにしているのではないかと思っています.たまによほ
ど気になる場合に限って辞書を引く教師と違って,生徒・学生はかたっぱ
しから辞書を引いているので,時間との戦いになるわけです.片っ端から
引く方が悪いと言えばそれまでですが.「全体を知って個を知る」ように
との辞書指導はたいへん難しく,やっても徒労に終わるのでは推察致しま
す.「個を知って全体を知る」というか,何回か引いて初めて,この単語
は全体にはどういう意味・用法の体系になっているのだろうと思う方がふ
つうかも知れません.
私個人としては辞書は引くためのもの,捜しやすい,わかりやすいを第
1とし,囲み記事,付録などは二の次,三の次と思っております.

 『ジーニアス』を越える英和を作る観点からこの辞書を眺めたり,引い
たり,読んだり,他の英和・英英と比べたり,書き写してみたりした私の
小さな経験から言うと,この辞書を越えることは至難のわざだと思い知り
ました.部分的にはいろいろ指摘できますが,全体的な記述,バランス,
包括性,辞書の大きさなど総体的にはたいへんに優れた学習用中英和と言
わざるを得ません.
 それだけに,この辞書は生徒が扱うには重いところがあります.気軽に
扱える辞書ではありません.(昔,市河三喜先生が作られた発音辞典で意
味が1つしか出ていないので,たいへんに扱いやすい辞書があって,簡単
をひっくり返して「単簡」と呼ばれたものが旧制中学生・高校生の間で大
いに流行ったと聞いていますが.)このような重い,本格的な辞書が高校
生に最も売れて,広く愛用されているのは驚きです.英語教育がたいへん
いい,望ましい方向に向いているからでしょうか.単に辞書は先生が選ぶ,
高校の先生は語法好きだからでは説明がつかないと思っています.

 たいへん差し障りのある話をしてしまうのですが,ある予備校の先生が
私に話してくれたのですが,浪人してその予備校に入ってきた生徒たちの
中に毎年「A」嫌いのグループができてしまうのですよ,と言っていまし
た.この「A」というのはある英和辞典なのです.これを聞いて判断の内
容には間違いがあるかとは思うのですが,先生から与えられた辞書に対し
て自分の好みや判断を主張するとは見上げたものです.辞書は先生にもて
れば将来は安泰とはいかないでしょう.

 投野先生がヨーロッパでは OALD が断然使われていると言われましたが,
日本ではLDOCEが人気があります.世界的に見ても日本の人気は異常に高い
のかも知れません.投野先生は辞書学に対する態度がオックスフォード
(OALD)は積極的で,開かれているからとおっしゃっていますが,辞書その
ものが好みに合うかどうかという点もあるでしょう.文化的な面を除いても
日本人に合った「英英」というのがあるのかも知れません. 

西村先生,井上先生,南出先生の興味深いやりとりを読ませていただきま
した.


1 INET GATE INS00102 98/03/16 17:32
題名:[lex] 名前が判りません

Date: Mon, 16 Mar 1998 17:22:18 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

BE動詞の後の動詞形で、to 不定詞になる場合、文法用語で何か名前があるので
しょうか。

Tip one is to buy the text book early enough and read it through before the
coursebegins.
~~~~~~~~~
弓プレス ミーティングピープルU P4

ひょっとして名前を知らないって凄く恥ずかしいことなのかもしれませんが、・・・
(^^;;


1 INET GATE INR00101 98/03/16 23:33
題名:[lex] 辞書研からのご連絡(2)

Date: Mon, 16 Mar 1998 23:22:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

村田 年です.
JACET英語辞書研というサークルの世話人をしています.
このMLとかなり参加者はだぶっていると思うので,
二重にメールが送られ,迷惑な人もおられるかと心配し
ています.メールが長くなって読んでいただけないといけ
ないので,2つに切って,昨日東京での例会(3月27日)
の通知を送りました.今日は関西での例会の通知を送ります.
メールで話している方々とお会いできればうれしいです.
今後ともよろしくお願い致します.

JACET英語辞書研究会会員・準会員の皆様へ
英語の辞書に関心を持たれる方々へ

大学英語教育学会(JACET)英語辞書研究会
                  (連絡)村 田  年

 初めて関西地区で開きます例会の詳しい内容が南出先生,畠山先生
より届きました.以下に掲載致します.京都外大でのワークショップ
(160名出席)同様たくさんの方々のご出席をお待ちいたします.
同僚・友人の方々にもお知らせいただきたくお願い致します.

JACET 英語辞書研究会6月例会のお知らせ

南 出 康 世(大阪女子大学)
畠 山 利 一(大阪国際大学)

例会を関西で初めて開くことになりました。2つの研究発表の他に
オックスフォード大学出版局による辞書・辞書学関係の文献の展示
もあります。また当日は村田年先生もお越しになる予定です。多数
ご出席下さい。

日時:6月14日(日)1:00〜3:00pm.
場所:園田学園女子大学

講師:濱 嶋 聡(園田学園女子大学助教授)
題目:「オーストラリアの英語辞書学:Macquarie 辞書
   とDictionary Research Centre」
時間:1:00〜2:00

濱嶋聡氏は1994年に大阪大学大学院言語文化研究科博士前期課
程を修了され。現在園田学園女子大学国際文化学部の助教授を
務めています。専門は社会言語学、英語教育で、最近はオーストラ
リア政府文化財団、豪日交流基金一般研究奨励金による英語を母語と
しない移民、アボリジニーへの言語政策調査に取り組んでいます。 
辞書学が専門でありませんが、Macquarie大学辞書研究所長、前
Australex会長 Yallop 教授と親交があり、オーストラリアの辞書と
辞書学を語れる数少ない人物の一人です。

<発表概要>

第3版が1997年11月に出版されたオーストラリアの国民的辞
書ともいえるMacquarie辞書についてまず、その歴史を述べ、初版、
第2版、第3版の比較、また、第2版の出版より6年という短期間
での第3版の出版を可能としたOzcorpについて発表予定。また、
Macquarie辞書研究所の歴史、目的、主な活動、オーストラリア辞書
学学会Australexとの関係についても触れたい。

講師:南條 健助(大阪国際大学・甲南大学国際言語文化センター非
  常勤講師)。
題目:「学習英和辞典における最適な発音表記とは」
時間:2:00〜3:00

南條健助氏は1997年、甲南大学大学院人文科学研究科博士課程後
期課程英語英米文学専攻を単位取得満期退学され、現在大阪国際
大学と甲南大学国際言語文化センター非常勤講師を務めています。専
門は英語音声学・英語学で『ジーニアス英和辞典』 改訂版(大修
館書店)の発音を担当しました。英語音声学会発音表記部会委員で
新進気鋭の研究者です。英和学習辞典の発音表記についていろいろ有意
義な提案がなされます。

<発表概要>

1. 学習英和辞典には、どのような発音記号の体系が最適か.
 英語音声学の立場と英語発音教育の両面から考察する.(『ライト
 ハウス英和辞典』と『ジーニアス英和辞典』に言及する)
2. 学習英和辞典には、どのような音声情報を盛り込むべきか.
 一つの単語に何通りもの発音がある場合の扱い.「略式」「非標準」
 といった発音の情報や、早い発話での発音も盛り込むべきである.
3. IPA 発音記号以外の表記法(カタカナ表記とフォニックス表記)
 について.(『ヴィスタ英和辞典』と『ライトハウス英和辞典』『表
 音小英和』に言及する)

研究発表後懇親会を予定しています。
会場までの交通機関等は次回のメールに載せます。

連絡先:南出康世()・
    畠山利一 ()


1 INET GATE INS00102 98/03/17 09:43
題名:[lex] "the building whose roof" and "Nat

Date: Mon, 16 Mar 1998 22:13:21 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

加藤先生、更なる情報ありがとうございます。佐賀の松本@MCSです。

>まだ舌足らずなような気がするので,もう少し書かせてもらいます.
中略
>文法書の例文をしりぞけた Native(s) は上の例文を見て「無生物
>を先行詞にした関係代名詞の whose」はすべてダメと判断したわけではない
>ということです.この ALT たちがした判断は上の例文についての判断なので
>あって,一般的な「無生物を先行詞にした関係代名詞の whose」という文法
>条件についての判断ではないのです.つまり,この Native(s) たちは文法的
>な条件が同じでも,次のような例文についてなら OK という判断をを出す可
>能性は十分にあるのではないかと思われます:
>
> (1) Either a car without a roof or one whose roof can be removed
> (2) Pharmaceutical plant whose roof was constructed using ... PALRUF
> American Profile Panels.
> (3) ..., a vehicle that has no roof, or a vehicle whose roof is
> completely removal.
> (4) ... developed a hard-sided, folding RV whose roof raises(sic) or
> lowers hydraulically ....
> (5) ..., who lived in a dirt-floor shack whose roof blew away.
>
>以上は,検索機能を使って「手作業」でネットのホームページから拾ったもので
>す.
>"Native check" は使い方が難しい道具です.手軽ではありますが,それを過信
>するのも危険ですし,また,「攘夷」論者のように使わないのももったいない話
>です.

先日アップしました例文を見せたら、全員が、これなら大丈夫という反応でした。あ
れらも、一応は無生物ですが、「感情」が入った「物」なのかな、それなら大丈夫な
のかな、と勝手に判断していた次第です。作成中の文法書では、「無生物主語が先行
詞となる"whose"は、初心者の間は用例集め程度にしていた方が無難」と記すつもり
です。つまり、ちょっと使い方が難しいよ、と、注意するつもりです。高校生のほと
んどが英文を書けない、聞き取れない現状は、初級者用の文法書に中級レベルの内容
が入っているからではないか、と感じています。しかも、その中級レベルの文法が解
ける生徒に限って、三単現の"S"を判っていなかったり、(もちろん指摘す
れば、「あ、うっかりうしてた」という言い訳が返ってきたりします)句も節も分
かっていないのに倒置をやったりと、「英語は暗記科目、特に田舎では」といった現
実があります。私の周りにある高校生用の文法書は、この"whose" を、他の関係代名
詞と全く同列で取り扱っているので、今度の文法書には一言注意書きを入れれば、気
付く生徒は気付くかな、と考えています。

基礎文法書、書き上がりましたらウェッブ上に公開する予定です。もちろん無料で
す。色々ご批判をいただきながら改良して行きたいと思っています。先生の用例もぜ
ひ使わせていただきたいのですがよろしいでしょうか。

用例、本当にありがとうございました。


2 INET GATE INS00102 98/03/18 09:51
題名:[lex] 私の IDを変更します

Date: Wed, 18 Mar 1998 09:21:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:

村田 年です.

ニフテイー・マネジャーんのバージョン1.2を使ってきたのですが,
船橋のアクセス・ポイントの Road 4 が閉鎖されたようで,3月16日
からまったくメールが入りません.こちらから送ることはできるのです
が.1月以来何度かバージョンアップを試みたのですが,うまく機能しま
せん.ニフテイーに相談し,パソコンを入れたところに相談しているの
ですが,すぐにというわけにはいかないようです.弱りました.
 モデムが Road 7 以上の高速に対応していないようなのですが,よく
わかりません.まったく知識がなく情けない状態です.

 そこでしばらくは大学のメールを使うことにしました.申し訳ありま
せんが,今後 E-mail ID を下記に変更しますので,アドレスブックの
私のアドレスを下記のものに変更していただきたくお願い致します.

村 田  年(むらたみのる)<>

 以上よろしくお願い申しあげます.

                村 田  年
                


1 INET GATE INR00102 98/03/18 10:27
題名:[lex] 実は英和類義語辞典?

Date: Wed, 18 Mar 1998 10:26:30 +0900
From: Atsuhiro Kato <>
Reply-To:
To:

LDOCE2の初めの方にある"A Quick Guide to Using the Dictionary"
というところの7番、"help or assist"の項の2段落目に次の記述が
あります。

>The definition first explains the meaning of help and then
>gives another word that has roughly the same meaning. Whenever
>possible, the dictionary provides a "synonym"(a word with a
>similar meaning) directly after the main definition.

実際のhelpの項の記述は次のようになっています。

>to make it possible for (someone) to do something, by doing
>part of the work oneself; be of use to (someone in doing
>something); ASSIST

これを読んで思ったのですが、我々が英和辞典(赤井先生のおっし
ゃるように英日辞典と言うべきかもしれませんが)と呼んでいるも
のが載せているのは"another word that has roughly the same
meaning"(be of use to . . .) や"'synonym'"(assist)であり、
"explains the meaning"(to make it . . .)の部分が欠けているの
ではないでしょうか。

したがって、我々が英和辞典と呼んでいるものは、実は「類義語辞
典」にすぎないのだと思います。しかも、言語の違いや執筆者自身
の知識不足による、かなり質の悪い代物だと思います。

日本の学生は、本当の意味での英語の辞書に出会ったことがないと
いえるでしょう。なんと不幸なことでしょうか。(;;)このことが、
英語を単なる暗記科目におとしめ、直訳を平然と行わせる原因とも
なっているのではないでしょうか。

これからは、次のような記述の英和辞典があってもいいと思います。

help 1. 作業の一部を行うことで、(人が)何かをできるようにし
てやること; be of use to (someone in doing something);
ASSIST

英英辞典を読んだ時に得られる、言葉に対する深い理解やそれに伴
う感動が、日本語で書かれた辞書でも味わえるようになってほしい
ものです。

---------+---------+---------+---------+---------+---------+
加藤豊裕(Atsuhiro Kato) 島根大学 教育学部 英語教育専修
E-mail :

「...辞書って玉手箱ですね、老練な精神を与えてくれる。」


1 INET GATE WID00103 98/03/18 11:44
題名:[lex] 実は英和類義語辞典?

Date: Wed, 18 Mar 1998 11:37:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

井上(島根大学)です。

>これを読んで思ったのですが、我々が英和辞典(赤井先生のおっし
>ゃるように英日辞典と言うべきかもしれませんが)と呼んでいるも
>のが載せているのは"another word that has roughly the same
>meaning"(be of use to . . .) や"'synonym'"(assist)であり、
>"explains the meaning"(to make it . . .)の部分が欠けているの
>ではないでしょうか。

英語の説明を日本語の訳語と並記した辞典は過去にもいくつかありました。
が,学習辞典ではスペースの問題その他で,あまり取り入れられていません。

>したがって、我々が英和辞典と呼んでいるものは、実は「類義語辞

どうも,加藤君が意図しておられるものを以下にあげられておりますhelpの例
から拝見しますと,最初の部分は英英辞典の単なる翻訳ではないでしょうか。
これをほんとうにやって引く人は使いやすいでしょうか。また,スペースの問
題も忘れることはできません。それよりも,もっとも近い日本語の対応語をあ
げ,その日本語の対応語と英語のもとの意味とのずれの部分は,( )や注記で
記述するというのが,今主流の語義記述のやり方だと思います。

>典」にすぎないのだと思います。しかも、言語の違いや執筆者自身
>の知識不足による、かなり質の悪い代物だと思います。

これはだれか[どこか]からの受け売りでしょうか。それともご自分で実際にい
くつかの辞書を観察された上でのご意見でしょうか。

このMLには辞書にかかわられた方々も多いので,こういった意見を出すとき
は,皆さんを説得できるような証拠というか,実例をあげて説明しないと,納
得されないと思います。

井上自身の意見としては,日本の英和辞典は非常に高い水準にあり,世界的に
も注目されている存在だと思います。仏語あたりは,最近学習英和の影響か,
ようやっと学習辞典らしい学習辞典が出始めました。加藤君は他の1言語辞典
あるいは2言語辞典と,日本の英和辞典を比較したことがありますか。

※皆さんへ: 若干教官と学生の会話になっておりますが,お許しください。
                              (^_^;)

11:20 (水) 03/18/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INP00102 98/03/18 12:50
題名:[lex] 実は英和類義語辞典?

Date: Wed, 18 Mar 1998 12:48:49 +0900
From: Atsuhiro Kato <>
Reply-To:
To:

>どうも,加藤君が意図しておられるものを以下にあげられておりますhelpの例
>から拝見しますと,最初の部分は英英辞典の単なる翻訳ではないでしょうか。

すみません。私が本当に意図しているのは、helpの意味を日本語で説明すると
いうことだけであり、英英辞典の翻訳である必要は全くありません。ただ、私
にはhelpの意味を説明することができませんので、一例として翻訳をあげただ
けです。実際に辞書を作るとしたら、日本人の執筆者が独自に考えればいいと
思います。

>これをほんとうにやって引く人は使いやすいでしょうか。

そのことは頭をよぎりました。しかし、肯定的な見方もできると思います。そ
れは、訳語を介さず英語の文章(や筆者・作者の思考)と直接対話ができると
いう点です。
今の英和辞典の訳語主義のために、日本の学生は、英語の文章を本当には読ん
でいないと思います。彼らはただ英語を日本語に置き換えているだけなのです。
もし、敢えて訳語をあげなければ、学生は文章の内容に思考を巡らすようにな
ると思います。また、そういう思考の後で、学生が自ら訳語を捻り出したとす
るかもしれません。訳語を覚えるのは苦痛でも、訳語を発見することは喜びだ
と思います。

>>典」にすぎないのだと思います。しかも、言語の違いや執筆者自身
>>の知識不足による、かなり質の悪い代物だと思います。
>
>これはだれか[どこか]からの受け売りでしょうか。それともご自分で実際にい
>くつかの辞書を観察された上でのご意見でしょうか。

「ある先生」が授業で言われたことがこの考えの根底にありますが、自分で実
際に確かめてみてもそうだと思っています。例えば、井上先生がよくおっしゃ
っている「話し言葉におけるmany」の問題もその一つではないでしょか。この
前何冊かの英和辞典を調べたら、manyの生起制限が何も書かれていなかったり、
LDOCEと同じく「話し言葉では主に否定文・疑問文で用いられる」と記述されて
いるものがありました。

>このMLには辞書にかかわられた方々も多いので,こういった意見を出すとき
>は,皆さんを説得できるような証拠というか,実例をあげて説明しないと,納
>得されないと思います。

その通りですね。例えば、このメール内の内容で言えば、訳語をあげずに語義を
説明すれば文章の理解度は高まるか、とか、学生が自分で訳語を作ることが喜び
に感じられるか、といったことを確かめるための調査をし、その結果をあげると
よいと思います。
ただ、素人の突飛な発想にももしかしたら一理あるかもしれない、という思いは
ありました。

>加藤君は他の1言語辞典あるいは2言語辞典と,日本の英和辞典を比較したこと
>がありますか。

ありません。これから関心を向けていきたいと思います。でも、面白そうなテー
マに思えます。

いろいろなご教示、ありがとうございました。これからますます研究室や図書館
に通い、学習に励みたいと思います。

---------+---------+---------+---------+---------+---------+
加藤豊裕(Atsuhiro Kato) 島根大学 教育学部 英語教育専修
E-mail :


1 INET GATE INR00101 98/03/18 13:45
題名:[lex] 実は英和類義語辞典?

Date: Wed, 18 Mar 1998 13:40:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

>>>典」にすぎないのだと思います。しかも、言語の違いや執筆者自身
>>>の知識不足による、かなり質の悪い代物だと思います。
>>
>>これはだれか[どこか]からの受け売りでしょうか。それともご自分で実際にい
>>くつかの辞書を観察された上でのご意見でしょうか。
>
>「ある先生」が授業で言われたことがこの考えの根底にありますが、自分で実
>際に確かめてみてもそうだと思っています。例えば、井上先生がよくおっしゃ
>っている「話し言葉におけるmany」の問題もその一つではないでしょか。この
>前何冊かの英和辞典を調べたら、manyの生起制限が何も書かれていなかったり、
>LDOCEと同じく「話し言葉では主に否定文・疑問文で用いられる」と記述されて
>いるものがありました。

一応,私の名前にふれてありますので,一言付け加えておきますが,部分的に
記述の不適切に思える箇所があるからといって,全体の価値をおとしめるもの
にはならないと思います。

辞書の批判をする人の中には,自分の個人的経験による判断と異なるため,学
習辞典としての立場や辞書としての汎用的記述といった点をぜんぜん無視して
〔というか,そういう観点を持ち合わせずに〕批判する人をときおり見かけま
すが,辞書の内容をよくしようという建設的な態度で臨まないと,単なる言い
がかり的な批判になってしまいます。

前のメールにあった加藤君の

>これからは、次のような記述の英和辞典があってもいいと思います。
>
>help 1. 作業の一部を行うことで、(人が)何かをできるようにし
> てやること; be of use to (someone in doing something);
> ASSIST

といった提案は,非常に興味深いものなので,こういった線で加藤君なりの見
本原稿を提案して見てはいかがでしょうか。「執筆者自身の知識不足による、
かなり質の悪い代物」といった批判は,その後からでも遅くありません。

13:22 (水) 03/18/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INR00104 98/03/18 14:13
題名:[lex] 実は英和類義語辞典?

Date: Wed, 18 Mar 1998 14:11:47 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.

加藤さんと井上先生のやりとり興味深く読みました.

Atsuhiro Kato wrote:
>
> LDOCE2の初めの方にある"A Quick Guide to Using the Dictionary"
> というところの7番、"help or assist"の項の2段落目に次の記述が
> あります。
>
> >The definition first explains the meaning of help and then
> >gives another word that has roughly the same meaning. Whenever
> >possible, the dictionary provides a "synonym"(a word with a
> >similar meaning) directly after the main definition.
>
> 実際のhelpの項の記述は次のようになっています。
>
> >to make it possible for (someone) to do something, by doing
> >part of the work oneself; be of use to (someone in doing
> >something); ASSIST
>
> これを読んで思ったのですが、我々が英和辞典(赤井先生のおっし
> ゃるように英日辞典と言うべきかもしれませんが)と呼んでいるも
> のが載せているのは"another word that has roughly the same
> meaning"(be of use to . . .) や"'synonym'"(assist)であり、
> "explains the meaning"(to make it . . .)の部分が欠けているの
> ではないでしょうか。
>
> したがって、我々が英和辞典と呼んでいるものヘ、実は「類義語辞
> 典」にすぎないのだと思います。しかも、言語の違いや執筆者自身
> の知識不足による、かなり質の悪い代物だと思います。
>
Johnson 博士は250年も前に辞書の見出し語とその定義の間に互換性
が存在しないという指摘をしていますが,加藤さんが引用された定義
にも同じことが言えると思います.
help の 語義をかりに LDOCE のように to make it possible for
(someone) to do something (後半略)とすると,これは enable の
語釈とほとんど同じです.しかし,help と to enable someone to
do something by doing part of the work oneself が等号で結べる
とは思えません.
つまり,説明によるにしろ類義語による言い換えにしろ,辞書の
語釈は(語彙意味論の論文とはちがって)スペースの制限のため,
常に不完全にならざるをえません.英和辞典の語義に国語辞典のよ
うな語釈を採用しても,それほど改善になるとは思えません.
何年かある英和辞典の校閲をして感じたのは,英和辞典の語釈を
する際に英英辞典の類義語による言い換えを直訳したためにあまり
適切とは言えない訳語ができてしまっていることでした.ひとつの
例が singsong でした.ある英英辞典はこれを monotonous in
tone and rhythm と定義しています.当時の英和辞典にはこれを直
訳して「単調な,一本調子の」としているものがいくつかありました.
しかし,singsong は sing a song (or songs) という文字通りの
意味と切り離して考えることはできません.これは「歌うような調子
で,しかもその抑揚が一本調子」ということのはずです.英英辞典
の語釈をした人間やその主な利用者である英語人にとっては,
singsong の文字通りの意味は自明のことですから,語釈にはわざわ
ざその情報を含めなかったのだと思います.
他にも例がありますが,くわしいことは「辞書への異議申立て」
(「岩手医科大学教養部研究年報」28号(1993))に報告しました.後で
別刷りをお送りします.
せっかく英英辞典のよさに感激しているときに冷水をあびせかけ
るみたいで恐縮ですが,辞書の語釈が見出し語と同じ言語でされよ
うと,英和辞典のように外国語でしようと,程度の差こそあれ,
言い換えである事実には変わりなく,見出し語と語釈の間に完全な
互換性は存在しないということは忘れたくないものです.

加藤 和男 <>


3 INET GATE INS00102 98/03/18 14:49
題名:[lex] 法助動詞とは?

Date: Wed, 18 Mar 1998 14:19:20 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。TOEFL受験参考書の、仮定法の部分を読んでいたら、

Avoid using a present or past verb instead of a verb word. Avoid using a
modal before the verb word.
[EXAMPLES]
INCORRECT: He complied with the requirement that all graduatestudents
in education should write a thesis.
~~~~~~~~~~~~
CORRECT : He complied with the requirement that all graduatestudents
in education write a thesis.
~~~~~
BARRON'S TOEFL #7 p94 Nouns Derived from Subjunctive Verbs

という部分がありました。この手の、関係代名詞制限用法中の仮定法も、"insist"
や "order" の後にくる目的節同様、ここで誤りとされた、"should + 原形 " の省略
形だとばかり思っていたので、はたと困っています。

適切な参考文献等ありましたら、どなたかご教授お願いいたします。


7 INET GATE INS00102 98/03/18 17:42
題名:[lex] 速報: HESLD

Date: Wed, 18 Mar 1998 17:01:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

井上(島根大学)です。

たった今注文していた
The American heritage English as a Second Language Dictionary,
1998, Houghton Mifflin.

が届きました。

収録語句: 40000以上
定義: AHDをadaptedしたもの
用例: 多いです(^_^;)〔はっきり書いていない〕
発音記号: ページの下にキーがある,例のアメリカ式です。
接尾辞・接頭辞の項目: 詳しいです
類義語欄(100,詳しい解説あり),同音異義語欄,語法欄(100),挿絵(250),
word building欄(たとえば,non-の用法)

巻頭になかなか詳しい GUIDE TO USING THE DICTIONARYがあります。ざっと見
たところでは,コンピュータコーパスのことはふれられていません。

Newbury House のものよりはかなり学習辞典ぽくなりました。(^_^;)
以上,大まかですが,速報でした。

16:48 (水) 03/18/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INP00102 98/03/19 09:12
題名:[lex] 速報: AHESLD

Date: Thu, 19 Mar 1998 09:03:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

AHESLDについて,値段と出版社の問い合わせが個人宛にまいりましたので,一
応あげておきます。

The American Heritage English as a Second Language Dictionary,
1998, Houghton Mifflin.

上の,Houghton Mifflinの部分が出版社名です。

値段ですが,私がいつも利用しているhttp://www.barnesandnoble.comのもの
で,書店によって多少の違いはあると思いますので,その点ご了承下さい。

>American Heritage English as a Seco 1 $ 28.36
> --------
> Subtotal $ 28.36
> Tax $ 0.00
> Shipping $ 5.95
> --------
> Total $ 34.31

08:35 (木) 03/19/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


4 INET GATE INS00101 98/03/19 10:01
題名:[lex] 速報: AHESLD

Date: Thu, 19 Mar 1998 09:42:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

>The American Heritage English as a Second Language Dictionary,
> 1998, Houghton Mifflin.

表紙の解説によると,ペーパーバック版,アクティビティーブックもあるよう
です。

Components:
Paperback (0-395-81873-7)
Activity Book (0-395-88070-X)

09:37 (木) 03/19/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INR00101 98/03/19 17:25
題名:[lex] 重要度ランクの基準

Date: Thu, 19 Mar 1998 17:12:23 +0900
From: (馬本 勉)
Reply-To:
To:

はじめまして。馬本@比治山大in広島と申します。

私は語の選択の問題に興味を持っていますが,いつも知りたいと思っていることに,
辞書の重要語表示の基準があります。

たとえば『ジーニアス』では中学基本語約1,100語,高校基本語約4,800語・・・と
いうように,重要な見出し語には印が付けられて(あるいは大見出しになって)い
ますが,これらの語選定とランク付けの基準はどういうものなのでしょうか?(以
前,佐藤さんも問題提起されてましたね。私は,選定された語が妥当なものかどう
か考える参考にと,その基準を知りたいと思っています。) 

おそらく頻度を中心にしたものでしょうが,辞書によって区分もまちまちですので
(たとえば『フェイバリット』は最重要語約2,000語と重要語約5,000語,『ヴィス
タ』は最重要基本語として機能語150語・内容語550語,重要基本語として機能語70
語・内容語1,950語,『トリム』では最重要語1,072語,重要語2,115語といったよ
うに),それぞれの編集段階で,独自の方法が取られているんだろうな,と推測し
ています。

旧版『プログレッシブ』にある「キーワード5000」の詳しい解説のように,なぜ
「重要」なのかが分かれば,学習のあり方もひと味違ったものになるのでは?と考
えます。
(古くは『岩波英和』で選ばれた2,900語は「基本語の選定に当たっては,従来行
われた頻度数の統計的研究を参考にしたが,最終決定は著者の判断によった」とい
う説明があり,このくらいの記述でも使用者として納得できます。)

実際に選定作業に携わった方々も多いと思いますので,いろいろとお教えくだされ
ば幸いです。(ついでに文部省中学校指導要領のいわゆる「必修語」507語の選定
基準もどなたかご存じでしたら教えてくださいませんでしょうか)

----
Umamoto Tsutomu (馬本 勉)


==================

2 INET GATE INS00101 98/03/19 19:55
題名:[lex] 重要度ランクの基準

Date: Thu, 19 Mar 1998 19:48:18 +0900
From: (SATO Hiroaki)
Reply-To:
To:

At 5:12 PM 98.3.19 +0900, 馬本 勉 wrote:
>旧版『プログレッシブ』にある「キーワード5000」の詳しい解説のように,なぜ「重要
>」なのかが分
>かれば,学習のあり方もひと味違ったものになるのでは?と考えます。
>(古くは『岩波英和』で選ばれた2,900語は「基本語の選定に当たっては,従来行われた>頻度数の統計
>的研究を参考にしたが,最終決定は著者の判断によった」という説明があり,このくら
>いの記述でも
>使用者として納得できます。
「ロングマン現代英英辞典」(3訂新版)では,コーパスで使用頻度を載せています
。「プロシード英和辞典」(改訂新版,1991年)の「キーワード5000」も,コーパス
(「延べ900万語強の英文」)をもとにしてます。

当然予想されることですが,それぞれ違ったコーパスに基づいているので,使用頻度
ランクが異なります。とくにコーパス収集が難しいとされる「タブー語」では,大き
な違いがありました。例えば,shitという「タブー語」では:

「プロシード英和辞典」:「キーワード5000」に入っていない。
「ロングマン現代英英辞典」:口語英語で使用頻度の高い2000語に入る。

一方,一見,普通の単語であるfreezeでも,2つの辞書の「使用頻度」は異なりました。
「プロシード英和辞典」:「キーワード5000」でfreedom, oppositeと同じレベル(
上位1500語以内?)。
「ロングマン現代英英辞典」:口語英語コーパスでも書かれた英語のコーパスでも使
用頻度の高い3000語に入らない。

コーパスでの使用頻度という一見すると「客観的」な数字であっても,辞書によって
だいぶ違うことが分かります。まして,重要語表示が「それぞれの編集段階で,独自
の方法が取られている」となれば,独自の方針によってもっと大きな違いがでること
が予想できます。
__________________________________________
〒214-80 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
  専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明
TEL: 044-911-1297
FAX: 044-911-1231
e-mail:
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1 INET GATE INP00102 98/03/19 20:16
題名:[lex] 重要度ランクの基準

Date: Thu, 19 Mar 1998 20:11:29 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

関山@愛知淑徳大院生 です。

At 19:48 +0900 98.3.19, SATO Hiroaki wrote:

> 当然予想されることですが,それぞれ違ったコーパスに基づいているので,使用頻度
> ランクが異なります。とくにコーパス収集が難しいとされる「タブー語」では,大き
> な違いがありました。例えば,shitという「タブー語」では:
>
> 「プロシード英和辞典」:「キーワード5000」に入っていない。
> 「ロングマン現代英英辞典」:口語英語で使用頻度の高い2000語に入る。

 学習辞典の重要語の選定基準ですが,私も大きな関心をよせています。
 タブー語に関してですが,これは素人の推測なのですが,「プロシード英和辞典」
のほうは,選定の基準となったコーパスでの頻度上位順に機械的にランクをつけるの
でなく,「教育的配慮」を加味して,若干手を加えてあるような気もします。初版の
「プロシード」のキーワード5000に関する解説は,選定方針,方法に関してかなり細
かいこと(「プロシード」のユーザ向けというよりは,明らかに教師向け,研究者向
けの内容ですが)まで書いてありますが,その中に,たしか,教育的配慮から一部の
語を削除した云々という記述があったような気がします。手元に現物がありませんの
で正確には分かりませんが…。
 あと,これもうろ覚えで恐縮ですが,初版「プロシード」のキーワード5000のコー
パスの出典は,Timeなどの(真面目な?)雑誌やペーパーバックを中心とした書き言
葉のものが多かったと記憶しています。書き言葉では,特にTimeのような堅い雑誌の
場合,編集規定か何かでtaboo wordsは排除される傾向が強いため,BNCのような,談
話コーパスも含まれていて,しかも出典自体が幅広いコーパスをもとにしているもの
と比較するとかなり違いが出てくるような気もします。「プロシード」の初版と改訂
版ではキーワード5000の基準がかなり変わったようで,この2つを対比してみると面
白いかも,と思い,かなり前からデータベースソフトに手作業で入力していますが,
なかなかはかどりません。

 私個人としては,LDOCE3のように,生のコーパスデータによる頻度をそのまま書い
てあった方が,学習者にとっても得るものは多い(すなわち,shitは実際のネイティ
ブの会話ではよく用いられるが,日本人学習者は安易に使うべきではない,というこ
とからはじめ,それは何故なのかを考えたりですとか,スピーチレベルの指導材料と
しては貴重な資料となるでしょうから)と思うのですが,一方で,寝た子を起こす?
というか,わざわざ卑語が実際にはよく使われるなどという情報を提示するのは教育
上よろしくない,と考える向きもあるかと思います。どうなのでしょうか? 卑語や
スラングまでコーパスでの出現頻度に忠実にランクを設定したほうがいいのか,ある
程度の「教育的配慮」により,元データに手を加えた方がいいのか…? ご教示くだ
されば幸いです。ちなみに,私が見た限り,COBUILD2の頻度ランクは,かなりBank
of Englishのデータに忠実なようです。ですから,あまりなじみのない固有名詞など
で上の方のランクだったりするものもあるようですね。

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SEKIYAMA, Kenji
Graduate School of English Aichi Shukutoku University

E-mail:
★ Homepage URL: http://members.tripod.com/~sekky ★

"Sociolinguistics is NOT sociolinguistics, but sociolinguistics is
linguistics" (William Labov)
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1 INET GATE INS00102 98/03/19 21:30
題名:[lex] 重要度ランクの基準

Date: Thu, 19 Mar 1998 21:32:11 +0900
From: (SATO Hiroaki)
Reply-To:
To:

At 8:11 PM 98.3.19 +0900, SEKIYAMA, Kenji (Sekky) wrote:
> あと,これもうろ覚えで恐縮ですが,初版「プロシード」のキーワード5000のコー
>パスの出典は,Timeなどの(真面目な?)雑誌やペーパーバックを中心とした書き言
>葉のものが多かったと記憶しています。
改訂新版「プロシード」の14ページには,「キーワード5000」を学習しておけば,
映画の英語の理解にも役立つ,という主旨の記述があります。

「キーワードの単語を知っていて,洋画の英語を聞いたり,雑誌『タイム』を読んだ
りするような現代英語の代表的な活動20種を実践する...[と仮定して統計分析を行
った場合]本辞書のキーワード[5000]が断然良いということがわかるでしょう。」

改訂新版「プロシード」での映画の英語は,「現代英語の代表的な活動20種」に含
まれ,雑誌『タイム』よりも前に列挙されています。映画の英語がとても重要視され
ていることが分かります。

>卑語や
>スラングまでコーパスでの出現頻度に忠実にランクを設定したほうがいいのか,ある
>程度の「教育的配慮」により,元データに手を加えた方がいいのか…?
改訂版「ジーニアス英和辞典」での,「タブー語」の扱いは面白いです。代表的なタ
ブー語であるshitとfuckを「Cランク(大学生・社会人に必要な単語)」としてます
。一方,会話で頻繁にyesと同じ意味で使われるyeahは最下位の無印「Eランク」で
す。同様にyesと同じ意味で使われるuh-huhも無印最下位です。

「ロングマン現代英英辞典」(3訂新版)の使用頻度では,yeahは[S1](ロングマン
の口語英語コーパスで最も使用頻度の高い1000語以内に入る)ですが,uh-huhは無印
です(ロングマンでは,ハイフンがないuh huhの文字列が見出し語になっており,2
語とみなすため,使用頻度リストから除いたのだと推測できます)。「コビルド第2
版」では,yeahは,最も使用頻度の高い黒◇印5つ(上位700語)ですし,uh-huhは
黒◇印2つ(上位6600語)でした。

「タブー語」だけでなく,普通の略式表現に関しても,辞書によって「ランク付け」
が違うようです。
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  専修大学8号館8411研究室
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3 INET GATE INP00103 98/03/19 23:58
題名:[lex] prevent 「ジ」の語法注記?(ミスタ

Date: Thu, 19 Mar 1998 23:57:59 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: "lexicographer" <>

(申し訳ありません。タイプミスのため訂正して再度
投稿させてください。)

辞書の使い勝手の時に、『ジ』には「語法注記があるから
安心して使える…」 と発言しようとして、
prevent NP (from) doing の語法を例にするつもりでした。

念のため語法書を見たら、解釈の違いがあったので止めた
のですが、気になります。

、『ジ』 -- 「from を省略した形は…直接に妨害した意になる。
したがって次例のような無生物主語では from の
省略は不可。 Illness prevented me from coming
to school. 」

とあります。

ところが、『The Complete Guide to Standard American
English (1993) 』 では(s.v. prevent)、
prevent (v.) is standard in all these structures:
The darkness prevented him from finding his penknife.
It prevented finding it.
It prevented him finding it.
となっているのです。( it の前の his を消し忘れてました。)

Wood (1967) 『English Prepositional Idioms』 には
HIs cold prevented him playing in a football match.
があります。

、『ジ』は初版では、引用した同じ.文で from の無い形が
書き換え文として使われています。

改訂版のこの語法注記には何らかの典拠があるのだと
思いますが、しかし Columbia や Wood もあるのです。

どなたかご存じありませんか?

(西村 公正)


7 INET GATE INS00101 98/03/20 09:07
題名:[lex] 英文校正ソフトに関して

Date: Fri, 20 Mar 1998 09:00:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

谷橋様,書き込みありがとうございます。

>職業柄英語をどんどん書かなければなりません。
>書いた英語が文法的に正しいか正しくないかをある程度チェックしてくれる
>ソフトを探しています。
>会員の皆様なら何かご存知かと存じます。
>ご教示ください。宜しくお願いいたします。

辞書学のMLなので,詳しい方が少ないのか,レスがつかないようですので,私
の知っている限りでお答えします。「ある程度チェック」ということですの
で,GRAMMATIKというのが昔あったと思うのですが,今はどうなのでしょう
か。word98とかword proなどのワープロにはついていないのでしょうか。

ただ,昔この手のソフトを使ったことがあるのですが,非常に機械的で単純な
判断しかしていませんでした。まあ,それだけでも助かることは助かるのです
が,逆に間違いでないものを間違いだと言ってくる場合もあります。要は使い
方次第でしょうが。最近文法チェックソフトをお使いの方はいらっしゃいませ
んでしょうか。

08:50 (金) 03/20/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


4 INET GATE INP00102 98/03/20 10:24
題名:[lex] 英文校正ソフトに関して

Date: Fri, 20 Mar 1998 10:09:44 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

関山@愛知淑徳大院生 です。

At 9:00 +0900 98.3.20, 井上先生 wrote:

> 辞書学のMLなので,詳しい方が少ないのか,レスがつかないようですので,私
> の知っている限りでお答えします。「ある程度チェック」ということですの
> で,GRAMMATIKというのが昔あったと思うのですが,今はどうなのでしょう
> か。word98とかword proなどのワープロにはついていないのでしょうか。

 Grammatikですが,私はWindows 3.1用のものを使っています。当時(約5年前)は
Word Perfectの日本語版にGrammatikのフルバージョンががバンドルされていました
。しかし,最近はWord Perfectも日本では影が薄いようで,どうか分かりません。
Grammatikはアメリカでの評価はかなり高いそうなので,アメリカではおそらく今で
もWindows 95向けにバージョンアップが着実にされていると思います。学部時代の私
にとっては,Grammatikは三単現のsをうっかり落としたり,時制の一致がされていな
いなどの単純なミスを拾ってくれるので,非常に重宝しましたが,しょせんはセンテ
ンスレベルでの誤りしかみてくれない(それも,コロケーションなどの語法的な問題
はほとんどチェックされない)ので,限界もあると思います。リーダビリティーの数
値を算出してくれるので,以前は塾の教材を作る際などの参考用に重宝しましたが,
これに関しては,wc.exeなどの専用ソフトの方が速いので,最近はあまり使っていま
せん。
 他に私の知っているこの手のソフトでは,AHDのCD-ROM版を日本語化(メニューの
表記などのみ)して出している,住友金属(?)から,Correct Grammarというものが出
ています。ただ,同じテクストをGrammatikとCorrect Grammarの両方でチェックする
と,Grammatikの方がかなり多く「ミス」として拾うようです。これは一長一短があ
るので,必ずしも多く拾うからいいというものでもないでしょうが…(ちなみに,
Correct Grammarの宣伝文句として,「重要な誤りにターゲットを絞り,より実用度
の高い文法チェックソフトをめざした」というようなことが書かれていました)。こ
れも最近は見かけません。
 Word98やWord Proは分かりませんが,Word97には文法チェッカーがついています。
日本語の文法チェックと英語の文法チェックの両方ができるものです。精度としては
,Grammatikなみ,あるいは,少し落ちるような気もします。いずれにしても,この
手のソフトは,中学生ぐらいの英作文のチェック用にはある程度使えますが,専門で
英語を書く場合には,時制や三単現といった初歩的なミスをチェックしてくれるため
,ネイティブに見せたときに恥ずかしくない? ぐらいの効用しかないような気もし
ます。

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SEKIYAMA, Kenji
Graduate School of English Aichi Shukutoku University

E-mail:
★ Homepage URL: http://members.tripod.com/~sekky ★

"Sociolinguistics is NOT sociolinguistics, but sociolinguistics is
linguistics" (William Labov)
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3 INET GATE INR00104 98/03/20 11:00
題名:[lex] 英文校正ソフトに関して

Date: Fri, 20 Mar 1998 10:48:57 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

>>職業柄英語をどんどん書かなければなりません。
>>書いた英語が文法的に正しいか正しくないかをある程度チェックしてくれる
>>ソフトを探しています。

>ただ,昔この手のソフトを使ったことがあるのですが,非常に機械的で単純な
>判断しかしていませんでした。まあ,それだけでも助かることは助かるのです
>が,逆に間違いでないものを間違いだと言ってくる場合もあります。要は使い
>方次第でしょうが。

私も文法チェッカーはうんざりするようなことを言ってくるので、嫌いです。が、最
新の情報となると、佐良木技術翻訳事務所の佐良木昌先生だとお詳しいはずです。
メールで勝手に住所や電話番号を載せるとまずいでしょうから、どうしましょう。

ちなみに、日本英語表現学会に入れば、会員名簿が来、それに連絡先が載っていま
す。ここでそれを写せば簡単なのですが。^;)


1 INET GATE INR00104 98/03/20 11:55
題名:[lex] prevent「ジ」の語法注記?(ミスタ

Date: Fri, 20 Mar 1998 11:51:17 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.

NISHIMURA Tadamasa wrote:
>
> 辞書の使い勝手の時に、『ジ』には「語法注記があるから
> 安心して使える…」 と発言しようとして、
> prevent NP (from) doing の語法を例にするつもりでした。
>
> 念のため語法書を見たら、解釈の違いがあったので止めた
> のですが、気になります。
>
> 、『ジ』 -- 「from を省略した形は…直接に妨害した意になる。
> したがって次例のような無生物主語では from の
> 省略は不可。 Illness prevented me from coming
> to school. 」
>
> とあります。
>
> ところが、『The Complete Guide to Standard American
> English (1993) 』 では(s.v. prevent)、
> prevent (v.) is standard in all these structures:
> The darkness prevented him from finding his penknife.
> It prevented finding it.
> It prevented him finding it.
> となっているのです。( it の前の his を消し忘れてました。j
>
> Wood (1967) 『English Prepositional Idioms』 には
> HIs cold prevented him playing in a football match.
> があります。
>
> 、『ジ』は初版では、引用した同じ.文で from の無い形が
> 書き換え文として使われています。
>
> 改訂版のこの語法注記には何らかの典拠があるのだと
> 思いますが、しかし Columbia や Wood もあるのです。
>
> どなたかご存じありませんか?
>
> (西村 公正)

私も改訂版のこの語法注記の典拠はわかりませんが,Webster's
Dictionary of English Usage (1989) にもこの語法注記の反例に
なると思われる例があります.
以前から英和辞典の語法注記の典拠は公開すべきではないかと思
っています.それは,その注記の典拠になった文献をたまたま読ん
だ記憶がある場合はいいのですが,そうでないとその文献を探すの
が大変だからです.(論文の場合なら典拠を示すのが当然ですから,
問題がありませんし,間違っていたらそれを修正すればすみますが,
辞典の場合はそんなにしょっちゅう訂正するわけにはいきません.)

何年か前にある英和辞典にあった使役の have とアクセントの関係
の注記について聞かれて,その注記に根拠がないことを明らかにする
ためにずいぶん時間を使ったことがあります.(これは第6回日本英語
学会で発表し,「使役動詞 have とアクセント」(「岩手医科大学教養
部研究年報」 24号(1989)にまとめました.)
その論文の別刷りを同じような注記を載せていた英和辞典(約10
社)に送ったのですが,受領の返事をもらえたのは1社か2社だった
と記憶しております.

ついでですから,動詞型についても一つ例をあげます.これはある
英和辞典の校閲をしていて気づいたのですが,continue (to be) Adj
という型の,不定詞のない continue Adj の型は気になるので,米人
の同僚に相談すると,彼もおかしいといいます.調べてみるとこの動詞
型を出しているのは LDOCE だけなので,数時間かけて OED2on CD-ROM
で検索してやっと2例見つけました.そして,(to be) は止めようかと
思ったのですが,結局 LDOCE に敬意を表してゲラのままにするよう提案
したことがあります.

動詞型の場合なら調べる範囲がきまっているから楽ですが,語法注記
の典拠探しには泣かされます.
ぼやきになってしまいましたが,同じ悩みをお持ちの方もいらっしゃ
るのではないでしょうか.

加藤 和男


1 INET GATE INR00101 98/03/20 21:51
題名:[lex] prevent 「ジ」の語法注記 ?

Date: Fri, 20 Mar 1998 21:45:27 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: "lexicographer" <>

西村 公正です。

加藤先生、コメントをありがとうございました。私は複数の
文献に当たらないまま、『ジ』のこの注記を授業で読ませ
たので、今になっては反省しています。単一の文献の情報
をそのまま鵜呑みにしないこと、というのは基本的態度で
ありますのに。

ただ、救いは、『ジ』は質問にたいして必ずなんらかの
回答をいただけることです。
先生のご経験における、たった1,2社しか回答がなかった
というのはひどいですね。

この ML を作っていただいているので、今後はこのような
情報交換もできて、対策が速くなることが期待できます。

(西村 公正)


1 INET GATE INS00102 98/03/20 22:18
題名:[lex] corpus/辞書/EFL Learner/母

Date: Fri, 20 Mar 1998 22:13:57 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: "lexicographer" <>

西村 公正です。

コーパス / 母語話者直感を持たない EFL learner との関係
は、どのように処理されるのでしょうか?

(事例)
FENGC に1月18日ごろ、"It is all I can do to believe . . ."
について質問がでていました。現代英米小説のコーパスで
私も数例みつけました。

同僚の英国人教師(言語学専攻)にたずねると、返事は
「この表現は使わない、おかしいです。」 と言ったあと、
ただし、過去形で "It was all I could do to . . ." は O.K.
という返事でした。

そこで私は、「現代英米小説に数例みつかるし、古くは
『Daddy Long-legs』 にもあるのですが…」と反論しました。

「ああ、小説ですね、そりゃあ小説家は小説では使うで
しょう」。

帰宅して、LDOCE を見ると、なぜ LDOCE が成句として
It was all I could do to . . . (s.v. all 3)
過去形でしか出していないことで、同僚英国人の答えに
納得しましたが、同時に別の問題が生じたというわけです。
おそらく LDOCE も彼らのコーパスの中に 現在形 の表現を
見たはずです。

外国語を取り扱う怖さ、ということが頭をよぎりましたが、
コーパス言語学的には、このような点はどう扱われている
のでしょうか?


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