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1998年4月 (1日〜10日)

あなたは 番目の訪問者です。


32 INET GATE INS00102 98/04/01 09:49
題名:[lex] contagious/infectiousについて

Date: Wed, 01 Apr 1998 09:40:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

加藤和男先生

村田 年です.
先生の書き込みを読ませていただいて,いつもながらの該博な知見と説得力の
ある,行き届いた調査に,この問題は解決したな,と思ったのですが,朝目が
覚めたらいろんな疑問がわいてきました.

われわれの辞書学の関心はどちらかと言うと,一般の人々がことばをどう使っ
ているかにあると思うのです.ですから先生の学生さんが「感染(症)」を
「伝染(病)」と訳すように,日常の英語において contagious と infectious
が医学で使われている場合とずれて用いられていることががあるのか,ないの
か,ずれがあるとすれば,どこにどの程度あるのかを知りたいわけです.(こ
んなことを先生に申す必要はないとは思いますが).

ですから金野さん(1)に答えることが大事だと思います.contagious と
infectious は同じ軸の上にないというご指摘は極めて示唆的です.しかし一般
の英米人は同じ軸上において意識しているということはないのかどうか.民間
人の場合,この2語の使い方に個人差とか混乱がないのかどうか,さらに金野
さんが提示されている感染症の各分類において主にどちらの形容詞を使ってい
るのか,こんな点が知りたいのです.もちろん医学の場面ではなく日常の場面
でですが.

金野さん(2)の「コレラは接触感染するものではないが」という訳はもちろ
んこの場合はいいのですが,別の場面で not contagious が「伝染病ではあり
ません」「感染症ではありません」と使われないか,かえって「接触感染する
ものではない」という限定された意味で使われるほうが少ないのではないか,
といった疑問がわいてきます.(この英文を見せたら not contagious の部分
を直すような informant もいるかも知れない,金野さんが最初驚かれたよう
に,なんて思ったりもします.)

自分では何もしないでものを言って申し訳ありません.ご教示に感謝しつつ.

加藤@(岩手医大)先生は書いています:
医(歯)学生相手の英語教育をしているので,この問題には前から関心
がありました.学生は英和辞典を見て infectious disease や
infection を「伝染(病)」と訳すことがよくあるので,それを「感染
(症)」と訂正するのに汲々としておりました.(私自身は MD でも,
基礎医学の PhD でもありません.)

金野さん(1)
> contagiousの語義はこの分類での接触感染を意味するのでしょうか?それとも直接感
染全
> 体を指すのでしょうか?またinfectiousはこの分類の間接感染ととらえて良いのでし
ょう
> か?それともこの分類とは関係ないのでしょうか?

金野さん(2)
>  ちなみに問題の英文のほうはコレラは接触感染するものではないが食物を通して経
口感
> 染することがある・・・のように理解しました。

私もそのように理解します.英和辞典(大多数の英英辞典も多分そうだ

加藤さん(3)
という情報が欠如しているため,contagion も infection も同じ
時間軸の中でとらえられてしまう可能性が出てきます.日本の医学生
対象の教科書や医学用語辞典では contagion は医学用語あつかいを
されていないようです.現代の概念の感染症を contagion という用語


29 INET GATE INS00101 98/04/01 12:58
題名:[lex] 訂正します。

Date: Wed, 1 Apr 1998 12:51:51 +0900 (JST)
From: konno takashi <>
Reply-To:
To:

 金野です。さきほどのメールを送信したあと村田先生のメールを読み、恥じ入っています。加藤先生どうも失礼いたしました。なぜか1行セーブしそこねたようで、とんでもない誤解をしてしまいました。前回のメールの以下の部分は無かったことにしてください。申し訳ありませんでした。

加藤先生
| 学生は英和辞典を見て infectious disease や infection を(症)」 と訂正す
| るのに汲々としておりました
そう言われてみますと、contagiousな風邪には普通症はつきませんね。
infectious は特別の感染経路を有する感染症という風にとらえると頷けます。

加藤先生のメールの本来の意味と村田先生のメールについては、これから、ゆっくり考えてみます。
本当に失礼いたしました。
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28 INET GATE INP00102 98/04/01 12:58
題名:[lex] contagious/infectious

Date: Wed, 1 Apr 1998 12:02:24 +0900 (JST)
From: konno takashi <>
Reply-To:
To:

 金野です。
浅田先生
いろいろ調べて頂き有り難うございました。もしできることでしたら、
経皮感染の英語も教えて頂けると幸いに存じます。
| CONTAGIOUS, INFECTIOUS are usually distinguished in technical medical
| use.
病理学や衛生学では厳密に定義されているのでしょう。興味があります。
| CONTAGIOUS, literally "communicable by contact," describes a very easily
| transmitted disease as influenza or the common cold. INFECTIOUS refers
| to a disease involving a microorganism that can be transmitted from one
| person to another only by a specific kind of contact; venereal diseases
| are usually infectious,...
風邪がcontagiousで、性病がinfectiousということになりますね。私は逆に感じ
てしまい、 混乱していました。 風邪のように単純用意に伝染してしまうのが
contagiousで、 セイビョウやコレラのように特別な感染がinfectious というこ
とだったんですね。確かに日常生活ではごく普通の病気か特別な病気なのかとい
うことのほうが大事でした。

加藤先生
| 学生は英和辞典を見て infectious disease や infection を(症)」 と訂正す
| るのに汲々としておりました
そう言われてみますと、contagiousな風邪には普通症はつきませんね。
infectious は特別の感染経路を有する感染症という風にとらえると頷けます。

おかげさまで、頭の中はかなりすっきりしてきました。

村田先生
| contagious/infectious はめずらしく, 辞書の記述と実際の使用例のギャップ
| がある問題のようです.友人が見つかったら解答を載せます.
楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。
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27 INET GATE INP00103 98/04/01 13:37
題名:[lex] either〜A or B と A or B〜either

Date: Wed, 1 Apr 1998 12:19:14 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

弓プレスの Meeting People U L1Reading (p4) に、次のような文がありました。

In listening, you might miss some of the points the professor makes, and you
won't be able to read or write as fast as your native speaker peers, either.
(ここでの "you" は、日本人学生です。)

生徒には「読むことも、書くことも」という訳になる、といって辞書を見ると、なん
と用例がありませんでした。代わりに
either〜A or B が載っていて、「AかBかどちらか(一方)」と書いてあり、なぜ
位置が変わるとこんなにニュアンスが変わるのか、私自身、ハッとしました。

ご存じの方がいらっしゃいましたら、是非ご教授いただきたいと思いアップしており
ます。よろしくお願い申しあげます。


26 INET GATE INP00103 98/04/01 13:44
題名:[lex] contagious/infectiousについて

Date: Wed, 01 Apr 1998 13:43:17 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.

ついでながら,やはり今朝の「だぶり」メールがダブっていました.
どうしてなのでしょうね.

村田 年 wrote:

> 村田 年です.
>
> われわれの辞書学の関心はどちらかと言うと,一般の人々がことばをどう使っ
> ているかにあると思うのです.ですから先生の学生さんが「感染(症)」を
> 「伝染(病)」と訳すように,日常の英語において contagious と infectious
> が医学で使われている場合とずれて用「られていることががあるのか,ないの
> か,ずれがあるとすれば,どこにどの程度あるのかを知りたいわけです.(こ
> んなことを先生に申す必要はないとは思いますが).
>
まったく,おっしゃる通りで,あれだけの内容で終わるのは無責任だと
思っておりました.ただ,現行の英和辞典の語釈の,信頼できる修正版
をひねり出すことは容易ではありません.そこで,とりあえず,この前
のメールの内容を報告したという次第です.

> ですから金野さん(1)に答えることが大事だと思います.contagious と
> infectious は同じ軸の上にないというご指摘は極めて示唆的です.しかし一般
> の英米人は同じ軸上において意識しているということはないのかどうか.民間
> 人の場合,この2語の使い方に個人差とか混乱がないのかどうか,さらに金野
> さんが提示されている感染症の各分類において主にどソらの形容詞を使ってい
> るのか,こんな点が知りたいのです.もちろん医学の場面ではなく日常の場面
> でですが.
>
> 金野さん(2)の「コレラは接触感染するものではないが」という訳はもちろ
> んこの場合はいいのですが,別の場面で not contagious が「伝染病ではあり
> ません」「感染症ではありません」と使われないか,かえって「接触感染する
> ものではない」という限定された意味で使われるほうが少ないのではないか,
> といった疑問がわいてきます.(この英文を見せたら not contagious の部分
> を直すような informant もいるかも知れない,金野さんが最初驚かれたよう
> に,なんて思ったりもします.)
>
一般の用法では contagious という語は「接触感染する」の意味でも「伝染す
る」
(この日本語も病気以外の文脈でも使われます)の意味でも使われると思いま
す.
ただ,どちらが多いかという問題には簡単には答えられません.しかし,(まっ

くのヤマカンですが,)金野さんが引かれたような文脈では単に「伝染する」の
意味では用いないのではないかという気がします.

以上,無責任かもしれませんが,新学期の準備などがあって今は残念ながらくわ
しい調査ができそうにありません.とりあえず,こんなところで勘弁してくださ
い.
(加藤 和
男)
P.S. 学内 LAN が点検中で送信できないので,この間調べたことを報告します.
結核や結膜炎は contagious であり同時に infectious,狂牛病や破傷風は
infectious ではあるが,contagious ではない.AIDS も infectious ではある
が,contagious ではないと主張する人たちもいるようです.確かに握手などの
接触では感染しないと言われているようですが,性的接触は感染危険因子なの
ですから,どうなのでしょうね.
当然と言えば当然ですが,contagious であるが,しかし, infectious では
ないということはないようです.


25 INET GATE INS00100 98/04/01 15:26
題名:[lex] either〜A or Bと A or B〜either

Date: Wed, 01 Apr 1998 15:21:56 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

松本先生:

加藤@岩手医大です.

Matumoto Yosihito wrote:
>
> 佐賀の松本@MCSです。
>
> 弓プレスの Meeting People U L1Reading (p4) に、次のような文がありました。
>
> In listening, you might miss some of the points the professor makes, and you
> won't be able to read or write as fast as your native speaker peers, either.
> (ここでの "you" は、日本人学生です。)
>
> 生徒には「読むことも、書くことも」という訳になる、といって辞書を見ると、なん
> と用例がありませんでした。代わりに
> either〜A or B が載っていて、「AかBかヌちらか(一方)」と書いてあり、なぜ
> 位置が変わるとこんなにニュアンスが変わるのか、私自身、ハッとしました。
>
この either は,My wife doesn't like cats and I don't, either.
の either と同じものでしょう.この either は前段に否定文が出て
くる文で使われることが多いのですが,そうでない場合もあります.
CIDE にある They do really good food at that restaurant and
it's not very expensive either. というのがちょうどそれだと思
います.したがって,問題の文は「聞き取りも不完全かもしれない
し,読み書きでもネイテイヴ並みには行かないかもしれない」とい
うことではないでしょうか. (加藤 和男)


24 INET GATE INP00101 98/04/01 17:05
題名:[lex] either〜A or Bと A or B〜either^2

Date: Wed, 1 Apr 1998 16:57:04 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

加藤先生、レスありがとうございます。

佐賀の松本@MCSです。

>この either は,My wife doesn't like cats and I don't, either.
>の either と同じものでしょう.この either は前段に否定文が出て
>くる文で使われることが多いのですが,そうでない場合もあります.
>CIDE にある They do really good food at that restaurant and
>it's not very expensive either. というのがちょうどそれだと思
>います.したがって,問題の文は「聞き取りも不完全かもしれない
>し,読み書きでもネイテイヴ並みには行かないかもしれない」とい
>うことではないでしょうか. (加藤 和男)

In listening, you might miss some of the points the professor makes, and
you won't be able to read or write as fast as your native speaker peers,
either.

の文で、"either" は、

"read or write" ではなく、
~~~
"〜might miss 〜, and 〜 won't be able to read or write 〜"
~~~~
に呼応しているわけですね。言われてみれば、全くその通りで、ちょっと汗をかいて
います。ありがとうございました。


23 INET GATE INP00100 98/04/01 18:13
題名:[lex] contagious/infectiousについて

Date: Wed, 01 Apr 1998 18:05:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

加藤和男先生

村田 年です.
ありがとうございました.なにも具体的なことを言わずにおしゃべりだけを致しまして
失礼しました.具体的な適用の例をお教えいただきまして,ありがとうございます.勉
強します.

やっと友人に連絡が取れまして,具体的な用例による調査の報告の一端を書き込んでく
れると言っていますので,少し期待していて下さい.

メールの件,申し訳ありません.キャンセルしてまた入り直すことに少し躊躇がありま
す.前回メールが着信するまで4日かかりましたので.
井上先生,申し訳ありませんが調べて下さい.


21 INET GATE INP00100 98/04/01 18:14
題名:[lex] contagious/infectious について

Date: Wed, 01 Apr 1998 18:05:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

金 野 様

村田 年です.
金野さんは学校の先生でしょうか.先生なら,呼びかける場合簡単でいいので
すが,一般の方ですと呼びかけにくいですね.「金野さん」などと言ってしま
うことをお許し下さい.

私など還暦を過ぎて早とちりばかりですから「恥じ入る」必要などまったくあ
りません.

(金野さん)
風邪がcontagiousで、性病がinfectiousということになりますね。私は逆に感じ
てしまい、 混乱していました。 風邪のように単純用意に伝染してしまうのが
contagiousで、 セイビョウやコレラのように特別な感染がinfectious というこ
とだったんですね。確かに日常生活ではごく普通の病気か特別な病気なのかとい
うことのほうが大事でした。

(村)こんなように簡単には言えないと思いますよ.(やまかんですけど.)

そう言われてみますと、contagiousな風邪には普通症はつきませんね。
infectious は特別の感染経路を有する感染症という風にとらえると頷けます。

(村)これもとてもこんな単純には言えないと思います.(これもやまかんで
  悪いんですが,この程度のことなら英英辞典や英和辞典の記述に混乱は起
  こらないと思います.)

加藤先生の「この2語は同一の軸の上にあるのではない」というお言葉,
  これが最大のヒントになるでしょうか.


20 INET GATE INP00103 98/04/01 18:58
題名:[lex] contagious/infectious について

Date: Wed, 01 Apr 1998 18:56:03 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

村田先生:

加藤@岩手医大です.風邪で思い出しました.

村田 年 wrote:
>
> 金 野 様
>
> 村田 年です.
> 金野さんは学校の先生でしょうか.先生なら,呼びかける場合簡単でいいので
> すが,一般の方ですと呼びかけにくいですね.「金野さん」などと言ってしま
> うことをお許し下さい.
>
> 私など還暦を過ぎて早とちりばかりですから「恥じ入る」必要などまったくあ
> りません.
>
> (金野さん)
> 風邪がcontagiousで、性病がinfectiousということになりますね。私は逆に感じ
> てしまい、 混乱していました。 風邪のように単純用意に伝染してしまうのが
> contagiousで、 セイビョウやコレラのように特別な感染がinfectious というこ
> とだったんですね。確かに日常生活ではごく普通の病気か特別な病気なのかとい
> うことのほうが大事でした。
>
> (村)こんなように簡単には言えないと思いますよ.(やまかんですけど.)
>
> そう言われてみますと、contagiousな風邪には普通症はつきませんね。
> infectious は特別の感染経路を有する感染症という風にとらえると頷けます。
>
> (村)これもとてもこんな単純には言えないと思います.(これもやまかんで
>   悪いんですが,この程度のことなら英英辞典や英和辞典の記述に混乱は起
>   こらないと思います.)
>
> 加藤先生の「この2語は同一の軸の上にあるのではない」というお言葉,
>   これが最大のヒントになるでしょうか.

話をこみいらせて申し訳ありませんが,インフルエンザは正式な「伝
染病」ですが,普通の風邪はこの意味では「伝染病」ではないらしい
です.「伝染病」は命にかかわるほど重症になる可能性があるという
ことが一つの必要条件であるらしいです.どちらも「人にうつる」病
気で,感染症であることは間違いないようなのにです.いわゆる性病
も最近は STD [Sexually Transmitted Disease] ということがよくあ
るようです.
ごちゃごちゃした話で申し訳ありません. (加藤 和男)


19 INET GATE INS00101 98/04/01 20:45
題名:[lex] contagious/infectiousについて

Date: Wed, 1 Apr 1998 20:37:51 +0900
From: "浅田 幸善" <>
Reply-To:
To: <>

いくつか資料を調べてみて,現時点での自分なりの結論を書いておきます.
(人間に限らないわけですが,便宜上人間の病気ということで)
contagiousは「病原体をもつ人やその衣服に触れたり,その人から排出されたもの
(咳,痰,鼻汁,唾液,糞便など)に触れることで感染する[うつる]」
infectiousは「体内に病原体が侵入してうつる」
contagiousは病原体の伝播経路(どうやって人から人にうつるか)に焦点があり,
infectiousはそのような経路を問わずとにかく病原体の体内への侵入について言って
いる,ということになるでしょうか.
加藤先生の前前回の最後の言葉を換えて言えば,
"all contagious diseases are also infectious but it does not follow that all
infectious diseases are contagious"ということですね.

前回とりあえずRHDの類義語欄からの引用を送りましたが,あの説明はちょっとずさ
んというか,あまり正確ではないことがわかりました.
CONTAGIOUS, INFECTIOUS are usually distinguished in technical medical use.と
くれば,そのあとに,ある程度専門的な区別がされていると思っても不思議ではあり
ませんが,「contagioiusは"a very easily transmitted disease"を示す」,という
のはちょっと素人っぽい説明のようです.もっとも,素人っぽければそれなりに一般
の人が考えているイメージの一端がつかめる(かもしれない),とも言えますが.
風邪・インフルエンザ・はしかがcontagioiusと呼ばれるのはそれがvery easily
transmittedであるからではなく,感染者の排出物(咳など)に触れた結果うつるか
らだということになります.

もちろん「接触」の意味の範囲をもっと狭くとり「空気感染」の場合はcontagiousで
はないという立場もありえます.その上infectiousを実際の接触(直接の接触)がな
い感染であるという立場に立てば"Examples of 'contagioius' diseases are
chicken pox, venereal disease and leprosy, while 'infectious' diseases
include influenza, tuberculosis and poliomyelitis."のような言い方もできるわ
けですね.(引用は Adrian Room: Dictionary of Contrasting Pairs; Routledge,
1988, p.51)
以上,実際の用例よりもcontagiousとinfectiousについて書かれた辞書の説明などを
もとにした限りでの結論です.論文ではないので,参考文献は今回は省略させていた
だきます.
この区別について今まであまり(全然かな?)考えたことがなかったので,少なくと
も自分としては大いに発見があり得をした気分です.
あとは,村田先生のご友人の書き込みを楽しみに待ちたいと思います.
長々と書いてしまい,申し訳ありません.

浅田幸善 (ASADA Yukiyoshi)


14 INET GATE INP00101 98/04/02 14:20
題名:[lex] hill & mountain 補遺

Date: Thu, 02 Apr 1998 13:59:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

大阪女子大の南出です。

前回コロケーションから見たhill, mountainの「意味」について報告
しましたが、コーパスはCD-ROM版辞書, Random House Webster's
Unabridged Dictionary (version 2.1) [RHD]とOxford Advanced
Learner's Dictionary 5(version1.0) [OALD] から検出した約200
例でしたので、コーパスを広げれば当然修正すべき点がいくつもでて
くることが予想されます。そこでBNC簡易検索(simple search)を使っ
ていくつかチェックしてみました(以下「BNCでは」「BNCには」と書
いているのはこの簡易検索の結果です)。番号は前回報告の番号です。

(5)hill にもmountain にも top, crest があるが、hill の頂上は比
較的容易に到達できるので、頂上まで登ることを目的にした活動は特に
ないが(せいぜい。頂上までのかけっこ)、

この箇所はかなり訂正の必要があります。BNCにはhill climbing の例
が26あります。2例のみあげておきます。

The exceptional skills of Ettore Bugatti saw him develop a
four-wheel drive car, the Type 53, for hill climbing in 1932.

Walking is a main attraction: the countryside is varied and
walkers can enjoy gentle lakeside ambles, rugged hill climbing,
or strolls along easy path.

前者は車によるものですが『小学館ランダム』にでているhill climbと
は関係ないと思います。後者は徒歩ですが日本語でいえばやはり「山登
り」あるいは「山歩き」でしょうか。英語のネイティブスピーカーには
当たり前すぎて、採用されていないのかもしれませんが、hill climbing
は英和辞典にあってもよい複合語です。

(8)mountain には荘厳、雄大の観念を伴うが、hillには特にこの観
念はない:
the majesty of the mountain scenery [OALD]/grand mountain
scenery[RHD]
(ほか形容詞は、mighty, romantic etc.)。またhill にはhill scenery
という複合語もない。

「ない」というの言い過ぎのようです。BNC にはhill scenery の例がひ
とつあります。
Exhilarating Exmoor, sweeping coastal and hill scenery, abundant
wildlife.

一方mountain scenery の例は23あります。共起している形容詞と名
詞をあげておきます。
impressive[majestic, spectacular, dramatic, steep, wild, stunning,
unspoiled, magnificent, glamorous] mountain scenery
the beauty [grandeur] of mountain scenery

4月2日 南出康世


13 INET GATE INS00101 98/04/02 15:14
題名:[lex] hill & mountain 補遺

Date: Thu, 02 Apr 1998 15:12:27 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

南出先生:

加藤@岩手医大です.

先生は BNC コーパスをお使いですが,その利用法を教えていただけ
ないでしょうか.よろしくお願いいたします.

南出 康世 wrote:
>
> 大阪女子大の南出です。
>
> 前回コロケーションから見たhill, mountainの「意味」について報告
> しましたが、コーパスはCD-ROM版辞書, Random House Webster's
> Unabridged Dictionary (version 2.1) [RHD]とOxford Advanced
> Learner's Dictionary 5(version1.0) [OALD] から検出した約200
> 例でしたので、コーパスを広げれば当然修正すべき点がいくつもでて
> くることが予想されます。そこでBNC簡易検索(simple search)を使っ
> ていくつかチェックしてみました(以下「BNCでは」「BNCには」と書
> 「ているのはこの簡易検索の結果です)。番号は前回報告の番号です。
>


11 INET GATE INR00101 98/04/02 20:35
題名:[lex] hill & mountain補遺

Date: Thu, 02 Apr 1998 20:28:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

加藤先生

BNCの簡易検索は
http://thetis.bl.uk/ から得られます。

南出康世


8 INET GATE WID00103 98/04/03 10:08
題名:[lex] hill & mountain補遺

Date: Fri, 03 Apr 1998 10:03:01 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

南出先生:

BNC の件ありがとうございました.

加藤 和男


7 INET GATE INS00103 98/04/03 11:48
題名:[lex] about the uses of "contagious" and

Date: Fri, 03 Apr 1998 11:42:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

メールを転送します.

INET GATE INS00104 98/04/02 16:38
題名:about the uses of "contagious" and "infe

Date: Thu, 2 Apr 98 16:37:42 JST
From:
To:

>  TIMEのコレラに関する記事の中に
> (The disease, while not contagious, can be transmitted by food handling,
> and in up to 50% of cases, kills if left untreated.)
> という分がありましたが、コレラは法廷伝染病なのに not contagious と書かれてい
る> のが、どうにも理解できませんでした。
>
感染経路  route of infection
> ○A.直接感染
> 1.接触感染
> 2.飛沫感染
> 3.空気感染(飛沫感染の1種)
> B.間接感染  (媒介物: 飲食物,水,衣類・器物,塵埃,カ,ハエ,シラミな
> ど)
>
> ○病原体の侵入門戸による分類
> A.皮膚(経皮感染)
> B.粘膜
> 1.呼吸器
> 2.消化器(経口感染)
> 3.眼
> 4.泌尿生殖器
>
> contagiousの語義はこの分類での接触感染を意味するのでしょうか?それとも直接感
染> 全体を指すのでしょうか?またinfectiousはこの分類の間接感染ととらえて良いの
でし> ょうか?それともこの分類とは関係ないのでしょうか?
> それとこの分類で使われているごの英語も教えて頂けると幸いです。どうかご教示の
ほ> どよろしくお願いいたします。
>  ちなみに問題の英文のほうはコレラは接触感染するものではないが食物を通して経
口> 感染することがある・・・のように理解しました。
> ---------------------------------------------

はじめて投稿させていただいております。ちょうど昨年の今頃infectious と contagio
us の用法について調べ論文*を書きました。その修正版をたまたま村田年先生が読んで
下さり、先生よりこのメーリングリストでこの類義語の用法を巡り意見が交わされてい
ることを伺いました。せっかくの機会ですので、調べました結果を以下に述べさせてい
ただくことにいたしました。
 まず、infectious と contagious の扱いを様々な辞典や手引き書で調べたところ、

つ(ないし4つ)の扱い方が見受けられました。ひとつは、infectious は空気、水、
蚊などを通しての間接的感染について用い、contagious は、接触感染について用いら
れるという立場で、最も多くの文献がこの種の説明を与えています。 2つ目のアプロ
ーチは、infectious は細菌による感染一般について用いられるのに対して、contagiou
s はもっと限定的に接触感染について用いられる、というものです。Webster の synon
yms, usage の辞典はこの立場をとっています。違いはあるものの、これらの文献は共
に contagious は接触感染について用いられる、と述べています。
 すると、今野先生が挙げられた Time の用例では contagious はその意味で用いられ
、contagious ではないけれども infectious (接触感染によらない感染)ではある、
とすっきり解釈できそうです。
 ところが、浅田先生や加藤先生が示唆なされているようにこの類義語のセットは、医
学的に(技術的に)厳密な区別が必要でないときには、その使い分けは上で述べられて
いるものとは、かなり違ったものになっているようです。まず、次のような間接、直接
感染かは問題とならないような日常的/口語的な文について、infectious/
cotagious の選択テストを10人のインフォーマントに行いました。
1 There seems to be a highly (contagious, infectious) type of flu going around
, so be sure to gargle
when you come home.
2 Listen, everybody. Wash your hands carefully with soap because the disease
is highly (contagious,
infectious).
結果は、1のような間接感染の文脈では、10人のうち8人ほどがcontagious を選択し

2のような接触感染の文でははぼ半数が infectious を(も)選択しました。そして、
10人中4人がすべての例に置いてcontagious を選択しました。日常的な文脈では cont
agious を好む傾向があるようです。
 次に書き言葉では、Cobuild Direct のコーパスにあたると、infectious の用例が21
8
、contagious が66例で、infectious の使用度は多くなります。コーパスは限られた文
脈しか与えてくれませんので、その用法が確認できる例は、残念ながら infectious に
ついて31例、contagious については13例です。infectious では、31 例中 17例で間接
的感染について、8例で接触感染について用いられ、6例では2つのタイプの感染を包
括する感染一般について用いられておりました。 contagious のほうは、間接感染に
ついてが9例、接触感染についてが2例、感染一般について用いられているものが6例
ありました。
 調査対象となったコーパス中のテクストは比較的フォーマルなものが多いのですが、
infectious のほうは(より)先に挙げた文献の記述に近い使われ方をしていますが、c
ontagious の方は接触感染に用いられる、とは言えそうにありません。
 それでは、様々な疾病などを説明するような、さらに技術的なテクストではどうかと
思い、Britannica 百科の
CD ROM に当たってみました。infectious について30 例ほど見たところ、様子は Cobu
ild のコーパスと大差は
ありませんでした。一方、contagious の方は、(現在勤務校からメールを出していて

正版の論文が手元になく、はっきりとした数字は示せませんが)ほぼ20例中、間接感染
について用いられているものが2 - 3 例、接触感染については11例程度、感染一般につ
いて用いられているものが6 -7 例程度でした。ここまで来ると、この2つの類義語も
はじめにみたインフォーマントによる何気ない判断に比べ、大分上の辞書類が指摘する
ような用法で使われてきています。しかし、それでも指摘されている使い分けがきちん
と守られている、とは言い難いことが分かります。
 実際、infectious, contagious の用法に対する3つ目の辞書類の立場は、上で述べ

文献のような違いは、医学的なコンテクストではあるものの、日常的には2つの語はし
ばしば混同される、と述べています。私が調べた限りでは、Copperud(1980). American
Usage and Style: The Consensus、『新グローバル英和』、『スーパーアンカー英和
』がその様な立場をとっております。
 以上まとめると、日常的なコンテクストでは、とりわけ間接的な感染にいては conta
gious が好まれる傾向がある。infectious は書き言葉になるとより多用されるように
なり、しばしば比較的形式張ったテクストにおいて、
半数くらいは間接的な感染について用いられる。しかし、contagious のほうは依然接

感染にいて用いられることは少ない。contagious は、百科辞典に見られる病気の説明
のような技術的/専門的なコンテストにおいてはじめて接触感染について用いられる傾
向があるようである。だいたいこんなことが言えるのではないかと結論いたしました。
 以上、長々と私見を述べさせていただいてしまいましたが、お気付きの点などありま
したら、ご教示頂ければ幸いです。
 失礼いたしました。

*"A preliminary study of the uses of the synonymous adjectives, "infectious"
and "contagious"
--- Native speaker's intiution, the CobiuldDirect corpus, and the Britannic
CD text ---
『千葉商大紀要』第35巻 第1号(1997年6月). 

    山崎  聡

P.S. 村田 年 先生:ご返事が遅くなりすみませんでした。


2 INET GATE INP00103 98/04/04 00:12
題名:[lex] 英語コーパス学会第11回大会

Date: Fri, 03 Apr 1998 23:55:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

英語コーパス学会事務局の西村先生より,第11回大会のご案内をいただ
きましたので,再び掲載致します。お隣近所お誘いあわせの上,ご参加
いただければ幸いです。

> 英語コーパス学会第11回大会のご案内(再掲)
>
> 英語コーパス学会
> 事務局 西村秀夫
>
> 遅くなりましたが、来る4月18日(土)に開催されます、英語コーパス学
>会第11回大会のプログラムをご案内いたします。多数のご参加をお待ちして
>おります。
> なおワークショップはまだ若干余裕がありますので、参加ご希望の方は事
>務局までお申し込みください。
>
>********************************************************************
>
> 英 語 コ ー パ ス 学 会 第 11 回 大 会
>
>日  時  1998年4月18日(土)
>会  場  大手前女子短期大学(兵庫県伊丹市稲野町2-2-2) Bホール
>  @阪急電鉄神戸線塚口駅で伊丹線に乗換 「稲野駅」下車
> 東へ徒歩2分
>    AJR宝塚線<福知山線>「猪名寺駅」下車 西へ徒歩7分
>
>ワークショップ  10:30−12:10  OA演習室
>    《双方向型コンコーダンスソフトTXTANAを使ったコーパス検索》
>      講 師 赤瀬川史朗
>      先着 30名(予定)  参加費 会員無料・非会員1,000円
> (申し込みは電子メール・FAX・郵便で事務局まで)
>
>受付開始  12:30
>開  会  13:00
>  1.会長挨拶              姫路獨協大学 齊藤 俊雄
>  2.総  会         
>  3.そ の 他
>研究発表  13:30−14:50
>  1.「everybody/everyoneを受ける代名詞について」
> 奈良女子大学大学院生 村田 和代
> 司会 徳島大学 田中 廣明
>  2.「付加文――COBUILDDirect利用の一研究」
> 追手門学院大学 稲木 昭子
> 司会 京都外国語大学 赤野 一郎
>
> 〈休 憩  14:50−15:05〉
>
>シンポジウム  15:05−17:30
>  《コーパスと辞書編集》 司会 大阪女子大学 南出 康世
>「コーパスと1言語辞典――EFL/ESL辞典を中心として」
> 講師 龍谷大学 正保 富三
>「コーパスと2言語辞典――英和辞典を中心として」
> 講師 島根大学 井上 永幸
>「コーパスと2言語辞典――ハイブリッド方式採用の和英辞典を
>    中心として」
> 講師 大修館書店 飯塚 利昭
>
>閉会の辞 大手前女子短期大学 西村 道信
>
>《懇親会 17:40−19:30 大手前女子短期大学教授会室  会費4,000円》
>
>--------------------------------------------------------------------
>英語コーパス学会  (Japan Association for English Corpus Studies)
>会 長 齊藤俊雄 
>事務局 657-8501 神戸市灘区鶴甲1-2-1 
>    神戸大学国際文化学部 西村秀夫研究室
>TEL/FAX 078-803-0737 E-mail:
>郵便振替口座 00940-5-250586
>URL http://muse.doshisha.ac.jp/JAECS/index.html
>--------------------------------------------------------------------
>◆大会当日、入会受付もいたしますので、お誘い合わせの上ご参加下さい
>(年会費 一般4,000円 学生3,000円)。
> また「当日会員」としての参加も受け付けております(1,000円)。

23:10 (金) 04/03/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


2 INET GATE INU00102 98/04/04 13:50
題名:[lex] 公開講座の案内

Date: Sat, 04 Apr 1998 10:17:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

公開講座案内

南出です。このメーリングリストと関連のある公開講座の案内を転送させ
ていただきます。

 大阪女子大学では、平成10年度の公開講座の1つとして『現代英語の
諸相』を開講いたします。この講座では、「英語と辞書」「英語とオノマ
トペ」「英語とコンピュータ」など5つの観点から現代英語の姿と形を浮
き彫りにしていきます。

 すでに一般の方の受付は終了しましたが、少し席に余裕がありますので
中学校・高校などで英語を教えている教員の方に限り次のとおり追加募集
いたします。 皆様のご参加をお待ちしています。

1 講座日時 平成10年5月9日(土)から毎週土曜日 全5回
「ずれも15:30〜17:30p.m.
第1回 「英語と辞書」    南出康世
第2回 「英語とオノマトペ」    L.C.スコゥラップ
第3回 「英語とコンピュータ」   赤野一郎(京都外国語大学)
第4回 「英語とコミュニケーション」L.C.スコゥラップ
第5回 「英語とPC(Poritical Correctness)」南出康世

2 会 場 大阪女子大学70周年記念ホール(堺市大仙町2−1)
3 実費負担 講座に係る経費として千円
4 応募方法 往復ハガキに 『現代英語の諸相希望』とし、氏名
(ふりがな)、性別、年齢、郵便番号、住所、電話番号、学校名を明記の
うえ下記あてお申し込みください。
〒590−0035 堺市大仙町2−1『大阪女子大学公開講座係』
5 締め切り 4月24日(金)必着分まで
6 その他 応募多数の場合は抽選になることがあります。

********************************
********************************

第3回「英語とコンピュータ」(5月23日)終了後、懇親会「赤野先生
を囲む会」を予定しています。赤野先生は『英語コーパス言語学』の著書
の一人であり、この分野の第一人者です。コンピュータ・コーパスに関心
のある方、辞書学・語法に関心のある方ご参加下さい。懇親会だけの参加
でも結構です。費用は5千円程度。会場は今探しているところです。
上記講座とは別に下記宛4月24日までにお申し込み下さい。
「赤野先生を囲む会」申し込み・問い合わせ先:
南出康世()
(この件は決して大学宛に申し込まないで下さい)


2 INET GATE INR00104 98/04/05 01:44
題名:[lex] MLへの登録とMLからの脱会

Date: Sun, 05 Apr 1998 01:38:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

各位

MLへの登録と脱会に関する現在の仕様をお知らせします。途中で,メー
ルサーバーを変更しましたので,混乱をきたしてしまいました。申し訳
ありません。なお,こういったメーリングリストに関する最新情報は,
下記のアドレスから得られます:

http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/mailinglist.html

=============================================================
○メーリングリストへの登録

宛,または
宛に,本文に

SUBSCRIBE lex

とだけ書いたメールを送ってください。すべて小文字でもかまいません。
タイトルはあってもなくてもかまいません。

○投稿するときは

宛,または
宛にメールを送ります。

タイトルと本文の内容はご自由に。メーリングリストへコマンドを送る
ときとアドレスが異なりますのでご注意下さい。

※お使いのメールソフトで,html形式でメールを送る設定になっており
ますと,MLをお受け取りになる方々の負担となります。このMLをご利用
になる際には,html形式のメールは送らないようにご配慮いただければ
幸いです。

○脱会するときは

宛,または
宛に,本文に

SIGNOFF lex

または

UNSUBSCRIBE lex

とだけ書いたメールを送ります。大文字でも小文字でもかまいません。
タイトルはあってもなくてもいいです。メーリングリストへ投稿すると
きとアドレスが異なりますのでご注意下さい。

====================================

以上,宜しくお願い申し上げます。

00:33 (日) 04/05/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INP00100 98/04/05 14:06
題名:[lex] contagiousに関連して

Date: Sun, 05 Apr 1998 13:49:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

加藤 和男 先生

村田 年です.
加藤先生の次のおことばが頭に引っかかっていましたので,雑談的に
ちょっと書かせていただきます.

(加藤先生 wrote:)
話をこみいらせて申し訳ありませんが,インフルエンザは正式な「伝
染病」ですが,普通の風邪はこの意味では「伝染病」ではないらしい
です.「伝染病」は命にかかわるほど重症になる可能性があるという
ことが一つの必要条件であるらしいです.どちらも「人にうつる」病
気で,感染症であることは間違いないようなのにです.いわゆる性病
も最近は STD [Sexually Transmitted Disease] ということがよくあ
るようです.
ごちゃごちゃした話で申し訳ありません. (加藤 和男)

「インフルエンザは正式な「伝染病」ですが」という部分ですが,
語法研究では,1)専門分野からのその語の用法への示唆
       2)民間で,特に日常会話でどう使われているか
 加藤先生は1)の方の情報をわれわれに教えてくれているのですが,
同時にわれわれは日常「インフルエンザ」をどう捉えているかも大事です.
この面の調査の方が語法研究としては重要ではないでしょうか.(私自身は
この語法研究はほとんどやっていないのですが)

私個人の感覚としては,もし日本語を学習している外国人に「インフルエンザ
は伝染病ですか」と聞かれたら,「いや,伝染しますけど,伝染病の一種では
ないでしょう.伝染病というのは例えば...」などと答えるかも知れませ
ん.

文化的な意味も「インフルエンザ」と "influenza" では違うのではないでしょ
うか.その昔猛威をふるって多くの人々を死に至らしめた influenza を身近に
知っているヨーロッパの人々と,輸入品の強い風邪ぐらいに受け取っている日
本人では相当受ける意味合いが違うかも知れません.

Technical term としての意味から一般の意味・用法が規制される面とそれと関
係なく(関係はあるのでしょうが)日常使われている様との両方をを明らかに
すべきなのでしょうね.加藤先生の驚くべき用例の蓄積はもちろんそのためな
ので,釈迦に説法ですが.取り留めのないことを書きました.

 ご教示ありがとうございました.

村 田  年
英語辞書研究会ホームページ:見てやって下さい!
URL: http://www.f.chiba-u.ac.jp/JACET-LEX.html


1 INET GATE INU00100 98/04/05 18:07
題名:[lex] 辞書の情報

Date: Sun, 05 Apr 1998 18:01:00 +0900
From: 赤須 薫 <>
Reply-To:
To:

赤須 薫@東洋大学です。

谷橋さんが以下のような文章を3月31日付のメールで書いておられます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さて、赤須さんは以下のようにお書きになっております。

>「1,000フィート以上がmountain」ということを大部分のイギリス人が
>知っているとは思われません。
>むしろ、そういう情報を習う以前にhillとmountainの区別がなんとなく
>できているというのが実状だと思います。
>ですから、その区別を支えるのが何なのかを追い求め、それを記述する

>が辞書の仕事だと思います。
>辞書に「1,000フィート以上がmountain」という情報が不必要だという

>とではなく、あった方が面白いし、いろんな意味でいいのですが、辞書

>関心から言えば、それは二次的な情報になるという話です。

今回私が取り上げた Do you like a dog? という英文に対して、
I like reading a book. を誤りとし、その説明として
”実際にこの意味では無冠詞複数形が好まれる。特に目的語となる名詞は
複数形が普通。”のごとく説明されています。
辞書学的な観点からは、
この記述はどのように考えられるのでしょうか。
やはり「二次的な情報」に過ぎないので、
普通の英和辞典ではそこまで触れる必要はないのでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
別に私個人あての質問ではないと思いますが、他の方からの反応がないよ
うですので、書かせていただきます。

結論から申し上げて、この情報は二次的なものではないと思います。
従って、触れるべきだと思います。
というのは、一般論ですが、辞書は発信と受信の両方に役に立つよう意図
されています。
ですから、文法的というか、(広い意味での)語法的な情報は、上のふた
つの機能にとって欠かせません。
従って、そのような情報は載せるべきだという結論に至ります。

私がむしろ不安に思うのは、前回私が書いたことから、このような質問が
出たことです。
誤解を与える書き方をした私が悪いのですが、谷橋さんが誤解をなさって
いるのではないだろうかと(余計なことかもしれませんが)心配をしてお
ります。

「千フィート云々」という情報は、辞書にとっては二次的な情報になると
述べたことと、上の問題は質が異なると思います。
私の心配の中身を以下に書きます。
「百科事典に載せる情報だから辞書に載せない」という風に、ひょっとし
て思われたのではないでしょうか。
この論理から言えば、文法書にあることは辞書に載せなくて良い、となり
ますよね。
これだと、実は、原因と結果が逆になってしまいます。
私が言いたかったのは、日常語としてのhillとmountainの区別が千
フィート云々で決まるのではないので、日常語の意味の区別を載せること
を意図した一般の辞書では、この情報は重要度が下がるということでし
た。
ですから、cartographyか何かの専門分野辞典[事典]には当然載せるべき
一義的な情報となります。
一般の人が使う辞書としては、もっと普通の区別(例えば、mountainは
hillより聳え立つとか、mountainはhillより高いとか)を書くことの方
が重要だということです。
そして、その情報が上の括弧に書いたような不明確な情報では困りますか
ら、それを正確なものにする手だてとして、例えば、コロケーションに
よってその違いを探ってみるなどの方法が必要になってくるわけです。

少し長くなってしまいましたね。
お役に立てば幸いです。

赤須


1 INET GATE INS00101 98/04/06 07:35
題名:[lex] 大修館書店ホームページ

Date: Mon, 06 Apr 1998 07:27:15 +0900
From: IIZUKA Toshiaki <>
Reply-To:
To:

 商売上のことで恐縮ですが,このほど,

  大修館書店のホームページ「燕館」

が,ようやくオープンしました。URL は,単純明快で
http://www.taishukan.co.jp
です。
 新刊案内・会社案内などがあるのはもちろんですが,一部の特殊なものを除く
全出版物(単行本・事典,辞典,および雑誌の在庫のあるバックナンバー)を,
著者名・タイトル・ジャンル・キーワードで検索し,その場で注文(直送)もで
きます。
 例えば,キーワードとして「辞書」を入力しますと,辞典類のほか,辞書を
(ある程度以上)扱った単行本や,雑誌の辞書関係の特集の号(『言語』95年6
月号など)が検索されます。
 まだ工事中のところなどもありますが,改良に努めます。とりあえずご案内申
しあげます。

=================================================================
飯塚利昭 IIZUKA Toshiaki @大修館書店

(従来の も使えます)


1 INET GATE INS00103 98/04/06 15:09
題名:[lex] contagiousに関連して

Date: Mon, 06 Apr 1998 14:54:16 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

村田 年先生:

村田 年 wrote:
>
> 「インフルエンザは正式な「伝染病」ですが」という部分ですが,
> 語法研究では,1)専門分野からのその語の用法への示唆
>        2)民間で,特に日常会話でどう使われているか
>  加藤先生は1)の方の情報をわれわれに教えてくれているのですが,
> 同時にわれわれは日常「インフルエンザ」をどう捉えているかも大事です.
> この面の調査の方が語法研究としてヘ重要ではないでしょうか.(私自身は
> この語法研究はほとんどやっていないのですが)
>
> 私個人の感覚としては,もし日本語を学習している外国人に「インフルエンザ
> は伝染病ですか」と聞かれたら,「いや,伝染しますけど,伝染病の一種では
> ないでしょう.伝染病というのは例えば...」などと答えるかも知れませ
> ん.
>
> 文化的な意味も「インフルエンザ」と "influenza" では違うのではないでしょ
> うか.その昔猛威をふるって多くの人々を死に至らしめた influenza を身近に
> 知っているヨーロッパの人々と,輸入品のュい風邪ぐらいに受け取っている日
> 本人では相当受ける意味合いが違うかも知れません.
>
> Technical term としての意味から一般の意味・用法が規制される面とそれと関
> 係なく(関係はあるのでしょうが)日常使われている様との両方をを明らかに
> すべきなのでしょうね.

まったくおっしゃる通りだと思います.ただ,問題は一般の英和辞典
には載っていないような technical term はともかくとして,今回の
contagious や infectious のように両方にまたがるような語について
は一般の英和辞典も,「一般の意味・用法」のほかに technical term
の語釈についてもある程度の正確さが要求されるのではないか,という
のが私の言いたかったことのひとつです.
私が教えてるような医(歯)学生はまだ専門家ではありませんから,
英語のテキストを見てもどの単語が technical term なのかの判断は無
理です.単語がわからなければ,まず一般の英和辞典を引くというのが
かれらのやりかたのようです.
具体的な例をあげましょう.finding という単語は一般語ですが,医
学の分野ではこれに対応する日本語としては「所見」が一般的のようで
す.しかし,「(医)所見」のような訳語を与えている英和辞典はそれ
ほど多くありません.また,たまたま私が関係した英和辞典の旧版では
diagnosis に対して「診断」のほかに「診察(=examination)」という
訳語を与えていたので,「診察」はやめてもらったことがあります.
「診断」は「診察(examination)+ 判断」ですから,「診断」と「診
察」を同一視するわけにはいきません.
ちょっと乱暴かもしれませんが,infectious という形容詞について
は「伝染する,伝染性の」という訳語を与えても,infectious disease
については「感染症」一本槍で通す方がいつかのメールでも書いたよ
うな学生の訳を防止するのに役立つと思います.明治30年に制定された
「伝染病予防法」に代わる法案として「感染症予防法案」国会にが提出
されると聞いていますが,英和辞典もそういう時代の動きに遅れない
ようにすべき―ちょっと口幅ったくて恐縮ですが―なのではないでしょ
うか.
contagious のほうはやっかいです.まったくの素案ですが,

(1)(やや厳密に)(病気が)接触感染をする
(2)(広義に)(病気が)伝染をする:contagious disease(古風
な呼称)伝染病
(3)(一般に)(愉快なもの・不愉快なものが)伝染する (infec-
tious は主として愉快なものについて使う)

(この最後の情報は The New Fowler's Modern English Usage
(1996) と Webster's Dictionary of English Usage に基づいて
います.)

以上,会議の合間に時間を盗んで書いたのでいろいろ問題があろうかと
思います.ご容赦ください. (加藤 和男)


2 INET GATE INS00100 98/04/06 16:13
題名:[lex] MLへの登録とMLからの脱会

Date: Mon, 06 Apr 1998 16:07:28 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

井上 永幸先生

村田です.
初心者で,入会・脱会について何度も先生をわずらわせて申し訳ございませんが,
先生にお答えをいただいてないことがまだひとつございます.

井上 永幸<> さんは書きました:
> 各位
>
> MLへの登録と脱会に関する現在の仕様をお知らせします。途中で,メー
> ルサーバーを変更しましたので,混乱をきたしてしまいました。申し訳
> ありません。なお,こういったメーリングリストに関する最新情報は,
> 下記のアドレスから得られます:
>
> http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/mailinglist.html
>
> =============================================================
> ○メーリングリストへの登録
>
> 宛,または
> 宛に,本文に
>
> SUBSCRIBE lex
>
> とだけ書いたメールを送ってください。すべて小文字でもかまいません。
> タイトルはあってもなくてもかまいません。
>

(村田)それは,「subscribe lexicographer」はもう使えなくて,「lex」
   にしなければならないのでしょうか,というこの1点なのですが,
   いかがでしょうか.

    実は3月6日に先生がMLに流しました「辞書学メーリングリストへ
   ようこそ.」を学内に貼りだしてありまして,今日それを見たら,
    「SUBSCRIBE lexocpgrapher」になっています.もしも「lex」でない
   といけないというのでしたら,少し変更のし過ぎではないかと思います. 

    実は私自宅ではホームページが見られません.何かを付け足さないと
   いけないようです.E-mail はやっているけど,ホームページは見られ
   ない人もかなりいそうですので.

    お世話になります.


1 INET GATE INS00100 98/04/06 17:40
題名:[lex] contagiousに関連して

Date: Mon, 06 Apr 1998 17:36:23 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

加藤和男先生

村田です.
ありがとうございました.

kazuo kato <> さんは書きました:
な学生の訳を防止するのに役立つと思います.明治30年に制定された
> 「伝染病予防法」に代わる法案として「感染症予防法案」国会にが提出
> されると聞いていますが,英和辞典もそういう時代の動きに遅れない
> ようにすべき―ちょっと口幅ったくて恐縮ですが―なのではないでしょ
> うか.

(村田)他の辞書から情報をもらうことが多いので,どうしても遅れたり,
  不正確になったりしますね.お言葉を肝に銘じまして.

> contagious のほうはやっかいです.まったくの素案ですが,
>
> (1)(やや厳密に)(病気が)接触感染をする
> (2)(広義に)(病気が)伝染をする:contagious disease(古風
> な呼称)伝染病
> (3)(一般に)(愉快なもの・不愉快なものが)伝染する (infec-
> tious は主として愉快なものについて使う)
>
> (この最後の情報は The New Fowler's Modern English Usage
> (1996) と Webster's Dictionary of English Usage に基づいて
> います.)
>
> 以上,会議の合間に時間を盗んで書いたのでいろいろ問題があろうかと
> 思います.ご容赦ください. (加藤 和男)
>
>
(村田)よくまとめていただきましてありがとうございます.
   わたしも時間があればこれに用例を付けてみたいと思って
   います.
   
   ありがたく読ませていただきました.


1 INET GATE INU00103 98/04/06 18:48
題名:[lex] MLへの登録とMLからの脱会

Date: Mon, 06 Apr 1998 18:42:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

村田先生,

ご不便をおかけしております。

>(村田)それは,「subscribe lexicographer」はもう使えなくて,「lex」
>   にしなければならないのでしょうか,というこの1点なのですが,
>   いかがでしょうか.
>
>    実は3月6日に先生がMLに流しました「辞書学メーリングリストへ
>   ようこそ.」を学内に貼りだしてありまして,今日それを見たら,
>    「SUBSCRIBE lexocpgrapher」になっています.もしも「lex」でない
>   といけないというのでしたら,少し変更のし過ぎではないかと思います. 
>
>    実は私自宅ではホームページが見られません.何かを付け足さないと
>   いけないようです.E-mail はやっているけど,ホームページは見られ
>   ない人もかなりいそうですので.

たった今,メールサーバーのマニュアルを見まして,(^_^;) 旧アドレス
宛てに登録・脱会の手続きを送った方には下記のメッセージが届くよう
にしました。これで,旧アドレス宛てに送った方には,MLの新しい仕様
を知っていただくことができると思います。

別件ですが,村田先生のメッセージのダブりがなくなったようですね。
解決してよかったです。

今後とも宜しくお願い申し上げます。<m()m>

18:35 (月) 04/06/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INR00104 98/04/06 18:56
題名:[lex] MLへの登録とMLからの脱会

Date: Mon, 06 Apr 1998 18:52:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

村田先生,

>(村田)それは,「subscribe lexicographer」はもう使えなくて,「lex」
>   にしなければならないのでしょうか,というこの1点なのですが,
>   いかがでしょうか.

このご質問にお答えしておりませんでした。おっしゃるとおり,今後は,

subscribe lex

でお願いします。

18:49 (月) 04/06/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]


1 INET GATE INS00100 98/04/07 13:24
題名:[lex] WordPerfect8J

Date: Tue, 7 Apr 1998 13:13:54 +0900
From: "浅田 幸善" <>
Reply-To:
To: <>

先日届いた案内によると,以前このMLで文法チェックツールの関係で名前のあがって
いたWordPerfect 8J (以下WP)が4月13日に発売になるそうです.(Suite版)
7Jを使っていなかったので,前のバージョンではどうだったか知りませんが,WPで注
目すべき点の一つは,20カ国語以上に対応した言語モジュールを標準で搭載している
ことだと思います.
各言語についてスペルチェックはもちろん,11カ国語については類語辞典,7カ国語
に文法チェックが用意されているそうです.
スペルはWord97/98と同様リアルタイムにチェックができるそうです.(文法チェッ
クもリアルタイムとパンフレットにはあります.)

使い勝手などはまだわかりませんが,これだけの言語のスペルチェックや類語辞典が
1つのパッケージで揃うのはなかなか壮観だと思います.(全部の言語を使いこなす
人はあまりいないでしょうが.)

標準小売価格は 44,800円;アップグレード版(乗り換えを含む) 24,800円.
また生徒・学生・教員であればアカデミック版が 8,500円ですから,英語以外の言
語どれか一つのスペルチェック用ツールと考えてもなかなかお買い得ではないでしょ
うか.
(英語はアメリカ・イギリスのそれぞれに対応)

以前の版と同様発音記号も入力できるようであれば,おもしろいソフトだと思いま
す.

辞書とは直接関係ありませんが,英語以外の外国語に興味があったり,外国語で(あ
るいは日本語と外国語を混在させて)ものを書いたりする必要があったりする方も
きっとおられるでしょうから,ご紹介させていただきました.

浅田幸善 (ASADA Yukiyoshi)


2 INET GATE INP00100 98/04/07 18:40
題名:[lex] either...or...について

Date: Tue, 7 Apr 1998 18:36:52 +0900
From: (terutada OKADA)
Reply-To:
To:

いつも大変勉強になり、有難うございます。それで、標記の件ですが、加藤先生のお
説で納得ですが、私はこのような場合次のように説明していますが、間違っているで
しょうか。
1。これは基本的に not...and ...,either. である。
2。では、否定語は何処にあるかと言えば、miss にある。これはcatch(もっと適当
な語があるかもしれませんが)という肯定を表わす語と対照になっていて一応否定語
と考えられる、と言うわけで(1)の構文と同じものである。
 ところで、加藤先生の上げておられるCIDEの例文ですが、ここでも実はgood food
なら「当然値段が高い、安くない筈なのに」という意識が働いているので最後にeith
erが 来ていると考えられます。ですから、really がよく効いているとおもいます。
 ついでに、我が愛用するプログレッシブでは「肯定節の後で前の文を補足して」..
.言っても(...ではない)、として次のような例文がありますが、
ちょっと状況の説明がなく判りにくい感じがします。
He is very clever and is not proud either. これは誰かが、「彼が頭が悪い」と
か「利口じゃない」とかの発言に対して、いわば反論したような文である感じが判り
にくいのです。狭いスペースの辞書では限界があるでしょうが。ご教示頂ければ幸い
です。


6 INET GATE INP00101 98/04/08 12:07
題名:[lex] either...or...について

Date: Wed, 08 Apr 1998 11:58:59 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

岡田先生:

加藤@岩手医大です.コメントありがとうございました.

terutada OKADA wrote:
>
標記の件ですが、私はこのような場合次のように説明していますが、間違ってい
るで
> しょうか。
> 1。これは基本的に not...and ...,either. である。
> 2。では、否定語は何処にあるかと言えば、miss にある。これはcatch(もっと適当
> な語があるかもしれませんが)という肯定を表わす語と対照になっていて一応否定語
> と考えられる、と言うわけで(1)の構文と同じものである。
>  ところで、加藤先生の上げておられ颪IDEの例文ですが、ここでも実はgood food
> なら「当然値段が高い、安くない筈なのに」という意識が働いているので最後にeith
> erが 来ていると考えられます。ですから、really がよく効いているとおもいます。

ご指摘の通りだと思います.後で調べてみたらこの件については「英語
基本形容詞・副詞辞典」(1989)(p. 581)に言及がありました:
「通例,先行節は否定文であるが,次のように意味的に否定を含意す
る内容の文がくることもある」として Georgia M. Green (1968), "On
TOO and EITHER, and not just on TOO and EITHER, either," Papers
from the Fourth Regional Meeting of Chicago Linguistic Society
(CLS) 4: 22-39 の Ho Chi Minh is responsible for a lot of
deaths, and LBJ is no saint eithther.(p. 24) と述べ,この文につ
いて "The sentence implies that Ho Chi Minh is no saint." と説明
しています.また,It tastes good and, it's not expensive, either.
(p. 27) という, CIDE の例に非常によく似た例をあげ, "... the two
clauses must agree in semantic or affective negativity."(p.27)
と述べています.

>  ついでに、我が愛用するプログレッシブでは「肯定節の後で前の文を補足して」..
> .言っても(...ではない)、として次のような例文がありますが、
> ちょっと状況の説明がなく判りにくい感じがします。
> He is very clever and is not proud either. これは誰かが、「彼が頭が悪い」と
> か「利口じゃない」とかの発言に対して、いわば反論したような文である感じが判り
> にくいのです。狭いスペースの辞書では限界があるでしょうが。ご教示頂ければ幸い
> です。

辞書は限られたスペースで勝負しなければなりませんから,「舌足らず」
ということが時々起こります.「頭がとてもいい」ということに対して
聞き手の否定的な反応が予想される場合なら,このような文もありうる
のではないかと思いますが,個人的にはこの用例の英語にはちょっと抵
抗を感じます.私なら次のように言いたいように思います:

He is very smart and is not overproud/arrogant either.

clever は「小賢しい」に似た否定的な含意を持つことがあるので抵抗を
感じますし,「能ある鷹」は爪を隠さない米国のような文化ではこのよ
うな場合 proud はちょっと問題がありそうな気がします.しかし,こ
れはあくまでも私個人の意見です・ (加藤 和男)


4 INET GATE INR00102 98/04/08 13:51
題名:[lex] either...or...について

Date: Wed, 08 Apr 1998 13:48:05 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.送信してから日本語の係り結びが妙なのに
気づきました.

kazuo kato wrote:

> 加藤@岩手医大です.コメントありがとうございました.

> ご指摘の通りだと思います.後で調べてみたらこの件については「英語
> 基本形容詞・副詞辞典」(1989)(p. 581)に言及がありました:
> 「通例,先行節は否定文であるが,次のように意味的に否定を含意す
> る内容の文がくることもある」として Georgia M. Green (1968), "On
> TOO and EITHER, and not just on TOO and EITHER, either," Papers
> from the Fourth Regional Meeting of Chicago Linguistic Society
> (CLS) 4: 22-39 の Ho Chi Minh is responsible for a lot of
> deaths, and LBJ is no saint eithther.(p. 24) と述べ,

ここは「と述べ」ではなく,「を引用し」としなければなりませんでした.
また,eithther はミスタイプです.すみません. (加藤 和男)


3 INET GATE INU00100 98/04/08 16:33
題名:[lex] 1年生用の文法書

Date: Wed, 8 Apr 1998 15:48:15 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。

コンピュータを初めて使う大学1年生でも簡単にアクセスできる文法書を作りまし
た。今月は5文型をアップしましたが、毎月、一つずつでも項目を増やしたいと思っ
ています。

ご笑覧の上、改善すべき点がありましたら、是非ご教授いただきたく存じます。URL
は、 http://www2.saganet.ne.jp/yosihito です。来月は時制をアップする予定で
す。


1 INET GATE INS00100 98/04/08 21:46
題名:[lex] WordPerfect8J

Date: Wed, 08 Apr 1998 21:30:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

浅田 幸善 様:

メールをありがとうございます。

>先日届いた案内によると,以前このMLで文法チェックツールの関係で名前のあがって
>いたWordPerfect 8J (以下WP)が4月13日に発売になるそうです.(Suite版)
>7Jを使っていなかったので,前のバージョンではどうだったか知りませんが,WPで注
>目すべき点の一つは,20カ国語以上に対応した言語モジュールを標準で搭載している
>ことだと思います.
>各言語についてスペルチェックはもちろん,11カ国語については類語辞典,7カ国語
>に文法チェックが用意されているそうです.
>スペルはWord97/98と同様リアルタイムにチェックができるそうです.(文法チェッ
>クもリアルタイムとパンフレットにはあります.)

これはすごいですねぇ。わたしも,一応オフィシャルユーザですが,島
根にはまだ案内が送られてきません。(^_^;) 待ち遠しいです。多言語を
一気にサポートとなると,言語を扱う研究者でこちらに流れる人もいく
らかあるでしょうね。確かに,マイクロソフトはまだ実現していません
から。〔次期Windows NTではできるのかな?〕

>辞書とは直接関係ありませんが,英語以外の外国語に興味があったり,外国語で(あ
>るいは日本語と外国語を混在させて)ものを書いたりする必要があったりする方も
>きっとおられるでしょうから,ご紹介させていただきました.

関心をもたれている方も多いと思いますので,今後とも書き込み宜しく
お願い申し上げます。

21:24 (水) 04/08/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


1 INET GATE INP00102 98/04/09 08:34
題名:[lex]  

Date: Thu, 9 Apr 1998 08:29:16 +0900 (JST)
From: (Justin Kazmo Yoshimula)
Reply-To:
To:

JUSTINです。
いま、cd-romの辞書を英英辞典と英和辞典の2枚、
買おうと思っていますが、どう言った辞書がお進めでしょうか。
名前とその辞書の特徴、使い方など教えていただければ幸いです。
現在使っておられる辞書についてでも構いません。
情報宜しくお願いします。
JUSTINでした。


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