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1998年6月 (1日〜10日)


1 INET GATE 1998/06/01 07:39
題名:[lex] syntactic blending {1}

Date: Mon, 01 Jun 1998 07:25:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

南出(大阪女子大)です。

加藤先生が提示された、persuade someone from doing はこれまでの
報告から判断するとコーパスで頻度を検証できるほど例は多くないようです。
Kjellmer (1994) で見る限りブラウンコーパスにもこの例はありません。
そこで同僚の言語学が専門の英語のネイティブスピーカーに聞いてみました。
彼の話では、この種の統語上の混交は放送英語では日常的でついこのあいだ
も avoid from doing を耳にしたそうです。しかしこれらがが一過性のもの
なのか、今後英語の市民権をえる可能性があるのか今のところ判断がつかない
とのことです。ところで混交形ばかり約2000例を集めた辞書をご存じですか。

G. L. Cohen (1987): Syntactic Blends in English Parole (Verlag Peter
Lang).

これには、persuade someone from doing や avoid from doing はありま
せんが、avoid something from doingがあります。keep something from
doing とavoid doing の混交ということになります。


12 INET GATE 1998/06/01 09:42
題名:[lex] persuade someone from -ing {3}

Date: Mon, 01 Jun 1998 09:15:02 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

西村先生; 南出先生:

加藤@岩手医大です.ご教示どうもありがとうございました.
blends については昔 Dwight Bolinger (1961), "Syntactic blends and other
matters," Language 37: 366-381 を読んで以来興味を持っていますが,Cohen
の辞書のことは知りませんでした.


11 INET GATE 1998/06/01 10:39
題名:[lex] RE: [lex] 「コミュニケーショ {1}ン

Date: Mon, 01 Jun 1998 10:27:49 +0900
From: GOTOO Hitosi <>
Reply-To:
To:

後藤@東北大です。

Hiroshi Suga wrote:
> すでにもう調べられておられるかもしれませんが,サーチエンジン Goo (5月31
> 日現在)で「コミュニケーションをとる」を検索しましたら以下の2例を含めて98
> 6の検索結果がでていました。もっとも同じHPを何度も登録する人がいるので98
> 6という数字はあまり当てにはなりません。(^_^;)

行政情報の総合案内サービス
http://www.clearing.admix.ne.jp/http://www.saga-s.co.jp/index.html
というのがありまして、この「ホームページ検索サービス 」を利用すると、中
央省庁のウェブページの全文検索をすることができます。「ホームページ検索」
と銘打っていますが、最近は報告書や審議会の議事録の類も検索対象にかなり含
まれてきているようで、霞ヶ関の人たちも捨てたものでもない、という気にもな
ります。

本来の目的は中央省庁の情報公開の一環なのでしょうが、日本語の使われ方を調
べるのにも使えます。母集団が中央省庁のウェブページですから、ジャンルの上
で偏りがあり、固めの文体がoverrepresentされていると予想されます。しかし、
そのような性格を考慮した上でならば、十分参考となるデータを得ることができ
るでしょう。

これを使って、キーワードとして「コミュニケーションをと」or「コミュニケー
ションを取」を指定して全省庁対象に検索してみると、11件ヒットしました(た
だし、重複がありそう)。
検索結果も、キーワード部分の色を変えてKWIC式に表示されるので、一覧性がよ
くなっています。

ほかに、佐賀新聞社
http://www.saga-s.co.jp/index.html
も1994年以降の記事について無料検索サービスを公開しています。


3 INET GATE 1998/06/01 18:04
題名:[lex] RE: [lex] 「コミュニケーシ {1}ョ {

Date: Mon, 01 Jun 1998 17:45:25 +0900
From: GOTOO Hitosi <>
Reply-To:
To:

後藤@東北大です。

GOTOO Hitosi wrote:
> 行政情報の総合案内サービス
> http://www.clearing.admix.ne.jp/http://www.saga-s.co.jp/index.html

これはカットアンドペーストするときに余分なものがついたまま送信してしま
ったものです。
正しいURLはhttp://www.clearing.admix.ne.jp/です。ご迷惑をおかけしました。


2 INET GATE 1998/06/01 19:05
題名:[lex] "to stop enabling" {1}

Date: Mon, 01 Jun 1998 18:55:30 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To: "" <>

加藤@岩手医大です.

The International Herald Tribune (May 28, 1998) の "Doonesbury" という
連載漫画に次のようなやり取りがありました.

Father: "Did I say a mere $5 million?"
Son: "You did. But you meant twice that, didn't you, Dad?"
Mother: "Earl! Stop enabling!"

私にとってはこの enabling は初耳ならぬ「初目」でしたので,AltaVista で
調べてみると Parenting や Drug and Alcohol の sites に次のような定義や
用例が見つかりました:

(1) ENABLING: Any action that allows and encourages chilren to be
irresponsible/prevents children from learning how to function
effectively in the real world

(2) This video will educate adults concerned about teens and is ideal
for teaching teenagers to stop enabling and start helping their
friends who use alcohol or other dugs.

(3) STOP ENABLING THE PERSON. This means covering up for his actions so
he doesn't have to face the consequences. Don't call in sick for
him. Don't do his work if he's late or absent.

この用法いつ頃からのものなのでしょうか?


3 INET GATE 1998/06/03 11:13
題名:[lex] to be accustomed to {1}

Date: Wed, 03 Jun 1998 10:48:50 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To: "" <>

加藤@岩手医大です.

次の文を見て,「あれ,to thinking じゃないのかな」と思いました.

We ARE ACCUSTOMED TO THINK that these [i.e. tuberculosis and malaria]
are relics of Third World poverty, but drug resistance is becoming a
major problem in the management of these diseases. (The International
Herald Tribune, December 19, 1997)

調べてみると BNC の簡易検索の 50例ではたしかに動名詞が優勢ですが,不定
詞もかなりあります.英英辞典では不定詞用法は挙げてないものが多いようで
すが,英和辞典では何も言わないで両者を併記しているもの,不定詞用法を
「非標準」とするもの,また「正式」としているものもあります.

この食い違いはどこから来るのでしょうか?また,COBUILD などではどうな
っているのでしょう?


2 INET GATE 1998/06/03 14:45
題名:[lex] Call for Papers {1}

Date: Wed, 03 Jun 1998 14:28:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

各位

英語コーパス学会からのお知らせの転載です。〔一部改行位置変更〕

=================================================================
引き続き、英語コーパス学会からのお知らせです。

○英語コーパス学会第12回大会の日程と研究発表募集について
1998年度秋の大会(第 12 回大会)は 1998年10月10日(土)に椙山女
学園大学(愛知県名古屋市)で開催されることになりました。

 大会での研究発表を次の要領で募集いたします。発表を希望される方
は、下記の要領に従って、郵便または電子メールのいずれかで事務局に
お申し込みください。

【応募締切】1998年6月30日(火)
【提 出 物】題目と要旨(400〜800 字程度)
【内 容】本学会にふさわしい、コーパス利用・コンピュータ利用
を中心に据えた研究
【採否決定】1998年7月上旬(予定)
【そ の 他】1. 時間 発表 30 分+質疑応答 10 分
      2. 資格 本学会会員であること

◇シンポジウム、ワークショップなどの企画についてアイデアをお寄せ
ください。なお、ワークショップで使用するソフトウェアのインストー
ルは、会場校の都合で、出来れば夏季休暇期間中にお願いしたいとのこ
とです。

◇まだ会員でない方で発表を希望される方は、入会方法について事務局
にお問い合わせください。

英語コーパス学会事務局

=================================================================
770-8502 徳島市南常三島町1−1徳島大学総合科学部中村純作研究室
E-mail:
=================================================================
※旧事務局代理掲示

=================================================================
神戸大学国際文化学部  西村秀夫 (Hideo NISHIMURA)
657-8501 神戸市灘区鶴甲1−2−1 TEL/FAX 078-803-0737
E-mail:
=================================================================
=================================================================

14:23 (水) 06/03/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


1 INET GATE 1998/06/03 14:45
題名:[lex] 英語コーパス学会から( {1}転載)

Date: Wed, 03 Jun 1998 14:28:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

各位

英語コーパス学会からのお知らせの転載です。
=================================================================

英語コーパス学会の事務局が本年度から下記に移転しましたので、お知
らせします。

新事務局連絡先:

770-8502 徳島市南常三島町1−1 
     徳島大学総合科学部 中村純作研究室

今後ともよろしくお願いいたします。

旧事務局

 
=================================================================
神戸大学国際文化学部  西村秀夫 (Hideo NISHIMURA)
657-8501 神戸市灘区鶴甲1−2−1 TEL/FAX 078-803-0737
E-mail:
=================================================================
=================================================================

14:20 (水) 06/03/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


2 INET GATE 1998/06/03 19:33
題名:[lex] to be accustomed to {2}

Date: Wed, 3 Jun 1998 19:21:28 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: <>

加藤先生.

be accustomed to doing
be accustomed to do

の違いについて、私はずっと F. T. Wood 『Current English
Usage』 (Macmillan, 私のは 1975年刷り) の、

ACCUSTOMED. When _accustomed_ is intended to
express the notion that something is customary, or
is generally done, it is followed the infinitive ('She
was accustomed to sleep for an hour after her
lunch'); when it is followed by _ to_ plus the gerund,
it means 'is/was used to, or inured to' ('I am not
accustomed to walking long distances').

を頼りにしていましたが、『ジ』がこのようなことに触れてい
ませんね.

Evans の 『Usage』は、Both forms are standard. ですませて
います
先生お示しの文は、Wood に従うと合うと思いましたが、
いかがでしょうか?

西村 公正


3 INET GATE 1998/06/04 01:57
題名:[lex] Self-introduction {1}

Date: Wed, 3 Jun 1998 17:34:36 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

はじめまして。
茨城県シオン短期大学英語科勤務の「東海林 宏司(しょうじ ひろし)」と申
します。
1998年度は勤務先より国外研修の機会を与えられ、英国バーミンガム大学に滞在
中です。
gooにてこのMLの存在を知り、登録させていただきました。
特にコーパス・データの分析とその辞書への応用に興味を持っております。
以後どうぞよろしくお願い申し上げます。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


2 INET GATE 1998/06/04 07:51
題名:[lex] ようこそ! {1}

Date: Thu, 04 Jun 1998 07:35:13 +0900
From: 赤野 一郎 <>
Reply-To:
To:

東海林 宏司様

> 1998年度は勤務先より国外研修の機会を与えられ、英国バーミンガム大学に滞在
> 中です。
> gooにてこのMLの存在を知り、登録させていただきました。
> 特にコーパス・データの分析とその辞書への応用に興味を持っております。
> 以後どうぞよろしくお願い申し上げます。

京都外国語大学の赤野と申します。バーミンガム大学でご研究ですか。私がそち
らに滞在したのは、1990年の夏ですから、ずいぶん変わったことでしょう。いま
でこそ COBUILDの名で知られ、日本人研究者も多くなりましたが、当時は私一人
でした。

コービルドの最近の様子などを、ぜひレポートしてください。

__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/
AKANO, Ichiro
Kyoto University of Foreign Studies
TEL: 075-322-6103
E-MAIL:
NIFTY SERVE ID: HFC03130
__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/


1 INET GATE 1998/06/04 07:52
題名:[lex] Self-introduction {2}

Date: Thu, 04 Jun 1998 07:46:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

東海林先生:

書き込みをありがとうございます。

>1998年度は勤務先より国外研修の機会を与えられ、英国バーミンガム大学に滞在
>中です。
>gooにてこのMLの存在を知り、登録させていただきました。
>特にコーパス・データの分析とその辞書への応用に興味を持っております。

そちらの最新の研究状況など,あるいは日常のちょっとしたことでもか
まいません,またいろいろ書き込んでくださいね。お待ちしております。

バーミンガム大学ということは,CAREでしょうか。村田先生が,「バー
ミンガム物語」という連続ものを書き込んでおられ,私などはおもしろ
く拝読しております。過去のログはこのメールのフッタにあるURLから見
ることができますので,よろしかったらどうぞ。現地でお読みになると,
日本で読むのとはまた一味違ったものになると思います。

今後とも宜しくお願い申しあげます。

07:39 (木) 06/04/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


15 INET GATE 1998/06/04 09:04
題名:[lex] Thanks for replies {1}

Date: Thu, 4 Jun 1998 00:48:54 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

> 京都外国語大学の赤野と申します。バーミンガム大学でご研究ですか。私が
> そちらに滞在したのは、1990年の夏ですから、ずいぶん変わったことでしょ
> う。いまでこそ COBUILDの名で知られ、日本人研究者も多くなりましたが、
> 当時は私一人でした。

赤野先生、はじめまして。どうぞよろしくお願い致します。
1990年というと、まだCOBUILDの手法を他社がほとんど取り入れていない頃で、
さぞかし革新的な雰囲気に溢れていたことでしょう。

> コービルドの最近の様子などを、ぜひレポートしてください。

では早速少々(^_^;)。
このMLの皆さんは既に御存知の方も多いと思いますが(^_^;)、編集部自体は残念
ながらリストラで小ぢんまりとしてしまっています。
しかしながら、同社のウェブサイト等で御存知のように、あまりお金にはならな
いと思われる(^_^;)CobuildDirectのサービスを続けているあたり、フロンティ
ア精神は薄れていないと思われます。
最新のカタログにはCobuild e Dictという新たなCD-ROM辞書の販売が告知されて
おり、編集部の秘書の方によると秋に発売とのことです。
この電子辞書の内容は聞いておりませんが、どんな特徴を備えているのか手に入
れて調べるのが楽しみです。

井上先生:

> バーミンガム大学ということは,CAREでしょうか。村田先生が,「バーミン
> ガム物語」という連続ものを書き込んでおられ,私などはおもしろく拝読し
> ております。過去のログはこのメールのフッタにあるURLから見ることがで
> きますので,よろしかったらどうぞ。現地でお読みになると,日本で読むの
> とはまた一味違ったものになると思います。

はじめまして、よろしくお願い致します。
そうです、9月まではsignatureの通り、CARE所属です。
過去ログのURLをお知らせ下さり、ありがとうございます。
近いうちに早速研究室からアクセスして読みたいと思っております。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


14 INET GATE 1998/06/04 12:54
題名:[lex] Self-introduction {2}

Date: Thu, 04 Jun 1998 12:23:55 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

東海林 宏司先生

村田 年(千葉大学)と申します.よろしくお願い致します.
私も1992年の夏にほんの6週間滞在して,生まれて初めてコンピュータの
端末に触れました.それなのに臆面もなく「コービルド物語」などというのを
連載しております.

いろいろ教えていただきたくお願い致します.

村 田   年

URL:http://www.f.chiba-u.ac.jp/JACET-LEX.html


12 INET GATE 1998/06/04 14:13
題名:[lex] to be accustomed to {3}

Date: Thu, 04 Jun 1998 13:58:55 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

西村先生:

加藤@岩手医大です.F. T. Wood 『Current English Usage』 (Macmillan)
に関するご示教ありがとうございました.

BNC で to be accustomed to think/thinking を検索すると,前者が 5例,
後者が 10例でした.それらを読んでも,どうも Wood が説くような違いが私
には感じられません.これは to に続く動詞の性質によるのかもしれません.

いずれにしろ,不定詞が「正式」だの「非標準」だのなどとは言えないのでは
ないかと思います.

どうもありがとうございました.


11 INET GATE 1998/06/04 16:47
題名:[lex] to be accustomed to {4}

Date: Thu, 04 Jun 1998 16:35:11 +0900
From: Nagayuki Inoue <>
Reply-To:
To:

加藤先生&西村先生

井上(島根大学)です。いつも興味深い話題をありがとうございます。

頻度数だけで芸がないですが(^_^;),一応COBUILDdirect(11ジャンルすべて)では,

accustomed to do: 14例
accustomed to doing: 105例

です。

ちなみに,西村先生がお示しのWoodのaccustomedに関する記述は,私の手許の
1981年に改訂されたものの1987年リプリント版では削除されています。

Nagayuki Inoue <><>==
<> Shimane University, Japan==============


8 INET GATE 1998/06/04 17:24
題名:[lex] Antoinette Renouf {1}

Date: Thu, 4 Jun 1998 17:17:22 +0900 (JST)
From: Hirosada IWASAKI <>
Reply-To:
To:

村田先生、

「コービルド物語」を毎回楽しんで読ませていただいております。
2、3回目についでですが、どうにもよくわからないのが、この
Antoniette Renoufです。彼女はProject Coordinatorとして初期の
COBUILDの中心的な役割を果たしていたのは事実かと思います。
これは、例のLooking Upでの彼女の文章を読んでみても、当時editor
であったFox氏よりも、よほどリーダーシップが溢れているように思え
ます。

で、彼女はどうしてCOBUILDを去っていったのでしょう? 村田先生の
文章では、Siclairの信望がFox氏の方に移っていったと示唆されている
ようにも思えるのですが、それに失望して去っていたのでしょうか?
それとも3回目に書かれているように、単純に財政的に不安定なポスト
を嫌って、出ていったのでしょうか?

私自身は、彼女と直接あったことはないので、このあたり先生はどのように
お考えですか。

磐崎弘貞@筑波大学

p.s.東海林さんもこのリストに入り、新しい情報をどんどん回してもらえそう
ですね(^^;)。


7 INET GATE 1998/06/04 17:35
題名:[lex] Self-introduction {3}

Date: Thu, 4 Jun 1998 09:27:10 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

> 村田 年(千葉大学)と申します.よろしくお願い致します.
> 私も1992年の夏にほんの6週間滞在して,生まれて初めてコンピュータ
> の端末に触れました.それなのに臆面もなく「コービルド物語」などという
> のを連載しております.

こちらこそよろしくお願い申し上げます。
(村田先生とはあるパーティーの席でお会いした記憶があります(^_^;)。)
本日は「コービルド物語」を拝読させていただきたいと思っております。

1990年代のコンピュータ(ハード・ソフト両面)の発達はめざましいものがある
と思いますが、1987年に初版を出していたCOBUILDはまさに時代の先取りをして
いたと言えるのではないでしょうか。
他社(英国の出版社)がコーパス利用という方法を打ち出してきている現在、今
後のCOBUILDはどういう方向に進んでいくのか、注目したいと思います。

実はあと30分後にスタッフの一人とお会いする予定です(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


4 INET GATE 1998/06/04 17:55
題名:[lex] to be accustomed to {5}

Date: Thu, 4 Jun 1998 17:40:29 +0900
From: "NISHIMURA Tadamasa" <>
Reply-To:
To: <>

加藤先生、井上先生.

accustomed to do:
accustomed to doing:

語法書の読み方も注意がいることを痛感いたします.

井上先生の
> Woodのaccustomedに関する記述は,私の手許の
>1981年に改訂されたものの1987年リプリント版では削除されています。

については、あの直後本棚におっしゃる改訂版があるのに気づいて
("Revised by R. H. Flavell & L. M. Flavell" )、このことを確認いたし
ました(私のも同じ刷りです).

やはり、改訂版で落としているのは、加藤先生の判断と同じだから
でしょう.

ちなみに、『研究社中英和』は第6版でも、Wood 自身の説に従って
いるようです.『ニューゴローバル英和』(1994)もそうですね.

西村 公正


2 INET GATE 1998/06/04 19:21
題名:[lex] to be accustomed to {5}

Date: Thu, 04 Jun 1998 18:12:18 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

井上先生:

加藤@岩手医大です.

> 頻度数だけで芸がないですが(^_^;),一応COBUILDdirect(11ジャンルすべて)では,
>
> accustomed to do: 14例
> accustomed to doing: 105例
>
> です。

情報どうもありがとうございました.

ワシントンポストでは accustomed to thinking は 45例ヒットしたのに,
accustomed to think はたった 1例でした.私などはこの種の問題を見ると反
射的に動詞の補文構造の問題と考えてしまいますが,用例をいろいろ検討して
いるうちにこれは前置詞の目的語の選択の問題と考えるべきではないかと思い
直しています.つまり,前置詞のあるものには動名詞形のほかに動詞の原形を
取るものがあります.besides, except などがその例です: What are you
gonna do besides talk/talking? ただ,原形不定詞はこの場合口語的で,
動名詞より頻度が落ちるようです.accustomed to も同じように考えるべきな
のかもしれないと考え出したところですが,自信はありません.

ワシントンポストには次のような例があります:

... is shocking to many here, who ARE ACCUSTOMED TO THINK of Russia as
a highly developed country with universal health care ....

The anxiety was felt throughout Japan, where people are ACCUSTOMED TO
THINKING of their society as one of the safest on Earth ....

両者の不定詞と動名詞に意味の違いを発見することは不可能なような気がしま
す.


1 INET GATE 1998/06/04 23:49
題名:[lex] about COBUILD stories {1}

Date: Thu, 4 Jun 1998 15:32:20 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

村田先生の「コービルド物語」1−3を拝読させていただきました!
事実のみを書き連ねた文章を予想していたのですが(^_^;)、まさに「物語」の名
にふさわしく、人間味溢れていて本当に面白く、読んでいて笑ってしまって同室
の中国人Visitorに怪訝な顔をされてしまいました(^_^;)。
続きが本当に楽しみです。

本日はスタッフの一人である Mr Jeremy Clear と1時間くらい話す機会があ
り、コロケーション・リサーチに関して有益なsuggestionをいただくことができ
ました。
そこで仕入れた情報をひとつ:
前のメールにも書きました COBUILD E-Dict は早ければ8月の終わりには英国で
発売されるそうです。
ベータ版(?)を実演してもらいましたが、OED2 on CD-ROM のように全文検索
の機能が備わっており、用例も検索対象に入るようで、コロケーションなどの調
査にも使えるのではと期待しています。
もちろん Printed Version の第2版のデータを用いているようです。

また何か情報が入りましたらお伝えしたいと思います。

磐崎先生:

> p.s.東海林さんもこのリストに入り、新しい情報をどんどん回してもらえそ
> うですね(^^;)。

どうも(^_^;)。このML「でも」よろしくお願い致します(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


1 INET GATE 1998/06/06 00:49
題名:[lex] 辞書学研究会 {1}

Date: Sat, 06 Jun 1998 00:18:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

守 口様

JACET辞書研の村田 年です.
担当の畠山利一先生からお答えすべきかと思いますが,先生がまだこのMLに
お入りではないので,簡単にお答えします.

参加はどなたでもできます.無料です.予約の必要はありません.
懇親会参加の場合はできれば予約していただいた方が有り難いです.
出席者の数がつかめませんので.

なお,近く交通案内をお知らせ致します.

連絡先:畠山利一<>


1 INET GATE 1998/06/06 06:58
題名:[lex] 野菜の名称と実物とのギャップ {1}

Date: Fri, 5 Jun 1998 22:40:55 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

1か月以上英語圏で生活するのは初めてですので、いろいろと戸惑うことも多い
のですが、今日はそのうちの一つについて書かせていただきたいと思います。
一見辞書とは全く関係がないようですが(^_^;)、生活語彙にかかわる話題ですの
で、どうぞお許しを。

円安の折、英国生活も楽なものではありません(^_^;)。
必然的に、外食をなるべく避け、スーパーなどで買い物をして、自炊中心の生活
になります。
買い物で驚いたのは、サブジェクトにも書きましたように、「野菜の名称と実物
のギャップ」です。

(例1)きゅうり:cucumberが確かにそれに近いが、こちらのものはずっと太く
て大型。味もやや大味という感じ。日本のきゅうりのような細長いものには出
会ったことがない。

(例2)トマト:tomatoは逆に日本のような野球のボール程度の大きさのものは
あまり見たことがなく、日本のトマトと「プチ・トマト」との中間的な大きさの
ものばかり売られている。味は日本とほぼ同じようだ。

(例3)キャベツ:cabbageとして売られているものは、日本で見かけるものよ
りも色が白っぽく、やや小型のものが多い。外目にも硬そうだが、実際にも硬い
(私はこれが嫌いです(^_^;)。日本でよくあるような柔らか目のキャベツ(こち
らは大好きです(^_^;)はないものと諦めていたが、土曜朝のマーケットで発見!
しかしこれは例外的で、cabbageと言うと普通英国(少なくともバーミンガム)
では前者を指すようだ。

(例4)レタス:単にlettuceとして売られているものは、日本で「レタス」と
言っているものより葉がふさふさしていて、色も緑が濃い。日本と全く同じ種類
のものはiceberg lettuceという名称で売られており、こちらの方が前者よりも
圧倒的に人気が高いようだ(いつも山積み)。

(例5)白菜:手元の辞書では"Chinese cabbage"となっているが(米国用法
?)、英国(少なくともバーミンガム)では"Chinese leaf"(単数形)として売
られているのしか見たことがない。外見と味は「白菜」そのもの。

といった感じです。
手元の学習英和・和英辞典では上記のような情報は皆無でした。それどころか、
iceberg lettuceの項を読むと日本で普通に「レタス」と言っているものとは違
う種類であるかのような記述がしてあり、驚きました。(もしかして米国ではこ
の通りなのでしょうか?)
個人(あるいは一夫婦)の一地域(それも狭い範囲)での経験なので、絶対的な
ことは言えませんが、英語圏での「生活」に役立つ情報を提供することも学習辞
典の使命の一つですから、もう少しこの点に配慮があってもいいのではないかと
感じます。

このMLには英語圏で長期間生活された方も多いと存じます。
上記の点に関して、何かお気付きの点がありましたら教えていただけないでしょ
うか?
英国のみでなく、米国やオーストラリアなどではどうなのか、興味があります
(^_^;)。

実は「キャベツ」に関してはまだ他にも疑問があるのですが、長くなりましたの
で別の機会にします。
こういう話題はこのMLにふさわしくないということであれば、是非おっしゃっ
てください(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


TO:INET:
SUB:[lex] 野菜の名称と実物とのギャップ {1}
FROM:井上 永幸

東海林 先生:

貴重な情報をありがとうございます。

>実は「キャベツ」に関してはまだ他にも疑問があるのですが、長くなりましたの
>で別の機会にします。
>こういう話題はこのMLにふさわしくないということであれば、是非おっしゃっ
>てください(^_^;)。

ふさわしくないどころか,こういった日常生活語彙に関する記述が,従
来の辞書の非常に弱いところのひとつですので,大いに議論が欲しいと
ころですね。

>このMLには英語圏で長期間生活された方も多いと存じます。
>上記の点に関して、何かお気付きの点がありましたら教えていただけないでしょ
>うか?
>英国のみでなく、米国やオーストラリアなどではどうなのか、興味があります
>(^_^;)。

現在海外に滞在されている方も,このMLにはけっこう登録されておりま
すので,そういった方々からもいろいろな情報をご提供いただければと
思います。

08:43 (土) 06/06/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


3 INET GATE 1998/06/06 09:01
題名:[lex] 野菜の名称と実物とのギャ {1}ップ {

Date: Sat, 06 Jun 1998 08:51:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

東海林 先生:

貴重な情報をありがとうございます。

>実は「キャベツ」に関してはまだ他にも疑問があるのですが、長くなりましたの
>で別の機会にします。
>こういう話題はこのMLにふさわしくないということであれば、是非おっしゃっ
>てください(^_^;)。

ふさわしくないどころか,こういった日常生活語彙に関する記述が,従
来の辞書の非常に弱いところのひとつですので,大いに議論が欲しいと
ころですね。

>このMLには英語圏で長期間生活された方も多いと存じます。
>上記の点に関して、何かお気付きの点がありましたら教えていただけないでしょ
>うか?
>英国のみでなく、米国やオーストラリアなどではどうなのか、興味があります
>(^_^;)。

現在海外に滞在されている方も,このMLにはけっこう登録されておりま
すので,そういった方々からもいろいろな情報をご提供いただければと
思います。

08:43 (土) 06/06/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


1 INET GATE 1998/06/06 10:08
題名:[lex] 野菜の名称と実物とのギャップ {1}{1

Date: Sat, 06 Jun 1998 09:59:42 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

東海林先生:

加藤@岩手医大です.昔(1979年夏)2ヶ月ちょっと Reading に滞在し,料理
自慢の奥さんの家にホームステイするという幸運に恵まれ,また,CALS(Centre
for Applied Language Studies) で Cecil Beeton の料理の本を教材に使われ
たりしたので,飲食には非常に興味があります.

> 東海林@バーミンガム滞在中です。
>
> (例3)キャベツ:cabbageとして売られているものは、日本で見かけるもフよ
> りも色が白っぽく、やや小型のものが多い。外目にも硬そうだが、実際にも硬い
> (私はこれが嫌いです(^_^;)。日本でよくあるような柔らか目のキャベツ(こち
> らは大好きです(^_^;)はないものと諦めていたが、土曜朝のマーケットで発見!
> しかしこれは例外的で、cabbageと言うと普通英国(少なくともバーミンガム)
> では前者を指すようだ。

この項を読んで,John Ayto (1993), The Diner's Dictionary: Food and Drink
from A to Z(Oxford)という辞書を見てみました.キャベツの項にはこんなこ
とが書いてあります:

The cabbage, object of fear and loathing at the dinner table, forced
down the unwilling throats of centuries of children because it is
'good for you', its coooking smells infiltrating every corner of the
house (or institution), has a lot to live down in Britain, the land of
the overcooked vegetable.

また,最近テレビなどで評判になっているらしい Clarissa D. Wright and
Jennifer Patterson (1996), Cooking with the Two Fat Ladies(私の手元に
あるのは米国版ですが)のカラー写真はとても楽しめます.

では Bon appetit!(appetit の第 2音節にアクサンが打てません!)


17 INET GATE 1998/06/06 12:03
題名:[lex] 野菜の名称と実物とのギャップ {1}{1

Date: Sat, 06 Jun 1998 11:54:26 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

加藤@岩手医大です.いつも早とちりをしています.

昔(1979年夏)2ヶ月ちょっと Reading に滞在し,料理
> 自慢の奥さんの家にホームステイするという幸運に恵まれ,また,CALS(Centre
> for Applied Language Studies) で Cecil Beeton の料理の本を教材に使われ
> たりしたので,飲食には非常に興味があります.

Cecil Beeton は Mrs. Isabella Beeton の間違いでした.お詫びして訂正いた
します.


16 INET GATE 1998/06/06 12:33
題名:[lex] Nasubi {1}

Date: Sat, 06 Jun 1998 12:25:00 +0900
From: 磐崎 弘貞 <>
Reply-To:
To:

東海林さんに問題です。

英国バーミンガムで、「ナスビ」は何と呼ばれているでしょう。
egg plantではありません。

磐崎


14 INET GATE 1998/06/06 13:05
題名:[lex] JACET辞書研の連絡 {1}

Date: Sat, 06 Jun 1998 12:43:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

JACET英語辞書研究会からのご連絡

 例会ご担当の畠山利一先生より以下のメールをいただきました.後半の交通
案内に従ってお出で下さい.できれば懇親会の予約をして下さい.ではお目に
かかれるのを楽しみに.(村 田  年)

***************************************************
JACET 英語辞書研究会6月例会のお知らせ
  例会を関西で初めて開くことになりました。2つの研究発表の他にオック
 スフォード大学出版局による辞書・辞書学関係の文献の展示もあります。
  多数ご出席下さい。

日時:6月14日(日)1:00〜3:00pm.
場所:園田学園女子大学

講師:濱 嶋 聡(園田学園女子大学助教授)
題目:「オーストラリアの英語辞書学:Macquarie 辞書とDictionary Research
    Centre」
<発表概要>
 第3版が1997年11月に出版されたオーストラリアの国民的辞書ともい
えるMacquarie辞書についてまず、その歴史を述べ、初版、第2版、第3版の比
較、また、第2版の出版より6年という短期間での第3版の出版を可能とした
Ozcorpについて発表予定。また、Macquarie辞書研究所の歴史、目的、主な活
動、オーストラリア辞書学学会Australexとの関係についても触れたい。

講師:南條 健助(大阪国際大学・甲南大学国際言語文化センター非常勤講師)
題目:「学習英和辞典における最適な発音表記とは」
<発表概要>
 1. 学習英和辞典には、どのような発音記号の体系が最適か.英語音声学の
立場と英語発音教育の 両面から考察する.(『ライト ハウス英和辞典』
と『ジーニアス英和辞典』に言及する)
 2. 学習英和辞典には、どのような音声情報を盛り込むべきか.一つの単語
に何通りもの発音があ る場合の扱い.「略式」「非標準」といった発音の情
報や、早い発話での発音も盛り込むべきで ある.
 3. IPA 発音記号以外の表記法(カタカナ表記とフォニックス表記)につい
て.(『ヴィスタ英和辞典』と『ライトハウス英和辞典』『表音小英和』に言
及する)

<<会場までの交通機関>>
(1)阪急電車神戸線塚口駅下車、南出口を出て、南西に徒歩12分.
(これが最も便利.徒歩の分をタクシーに乗ってもワンメータぐらい.バス利
用も可能(2)(3)をご覧下さい)
(2)阪急電車神戸線塚口駅下車、南出口から尼崎市バス3分、13番(阪神尼崎
行き)南塚口町1丁目下車、徒歩2分.
(3)阪急電車神戸線塚口駅下車、南出口から尼崎市バス3分、14番(阪神出屋
敷行き)園田学園女子大学下車すぐ.(バスの数が少ない)
(4)JR立花駅下車、尼崎市バス10分、14番(阪急塚口行き)園田学園女子
大学下車すぐ.
(5)阪神電車尼崎駅下車、尼崎市バス18分、13番(阪急塚口行き)南塚口町
1丁目下車、徒歩2分.
(6)JR大阪駅より:JR大阪駅を出て阪急電車に乗りかえる.阪急大阪梅
田駅から神戸線の普通に乗り、塚口駅まで約15分.このあとは上記(1)(2)(3)
へ.(阪急電車は神戸線の他に京都線・宝塚線もあるので注意.特急は塚口駅
に止まらない.急行は塚口駅に止まるが、ラッシュ時のみの運行のため例会当
日は利用できない)

<<懇親会>>
研究発表後懇親会を予定しています。引き続きご参加ください.
◎できれば下記に予約して下さい.

問合わせ・連絡先:畠山利一 <>  
〒610-0352 京都府京田辺市花住坂3-12-13
TEL&FAX 0774-63-5416 
TEL 0720-58-1616 FAX 0720-58-4982(大阪国際大学) 


11 INET GATE 1998/06/06 15:24
題名:[lex] see {1}

Date: Sat, 6 Jun 1998 15:06:41 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

 佐賀の松本@MCSです。佐賀県県下一斉テストの長文で、私の能力不足で生徒に
説明できない "see" がありました。ご存じの先生がいらっしゃいましたら、ご教授
宜しくお願い申しあげます。

I was so delighted that I then asked her if she would call the district
office and see if the central administration would make a donation.

上記文中の "and see if 〜 " の "see" です。6年前の湾岸戦争の回想という設定
で書かれた文章です。

 生徒の話によると学校の先生も説明に困ったらしく、"see if " で「〜かどうかわ
かる」という「熟語」になっている、という説明だったそうです。(^_^;)

 出典は不明です。古文や漢文のように、高校生向けの英語のテストにも出典を明記
していただければ調べようもあるのですが。高校の先生で、この文に限らず、出典に
関する裏話をご存じの先生がいらっしゃいましたら、併せてご教授いただければ幸い
です。


10 INET GATE 1998/06/06 15:57
題名:[lex] vegetables {1}

Date: Sat, 6 Jun 1998 07:47:28 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex" <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

井上先生:

> ふさわしくないどころか,こういった日常生活語彙に関する記述が,従来の
> 辞書の非常に弱いところのひとつですので,大いに議論が欲しいところです
> ね。

コメントありがとうございます、安心致しました(^_^;)。
この話題もう少し続けさせていただきます。

加藤先生:

> また,最近テレビなどで評判になっているらしい Clarissa D. Wright and
> Jennifer Patterson (1996), Cooking with the Two Fat Ladies(私の手元
> にあるのは米国版ですが)のカラー写真はとても楽しめます.

その写真で私が前回に触れた野菜がどうなっているのか大変興味があります。
でもthe Two 'Fat' Ladiesとは、凄い表現ですね(^_^;)。

磐崎先生:

> 英国バーミンガムで、「ナスビ」は何と呼ばれているでしょう。
> egg plantではありません。

バーミンガム特有の言い方があるのでしょうか?
私が店頭で見たのはイギリス英語一般と思われる'aubergine'ですが…
ただし…

(例6)ナス:辞書によると「米:eggplant/英:aubergine」。けれども英国
(少なくともバーミンガム)で見るものは日本のものの3倍から5倍はあろうか
と思われる大きさのものばかりである。日本のものはまさにニワトリの卵に近い
形と大きさと言えるであろうが、こちらのものは恐竜の卵かと思われるくらいの
大きさ(^_^;)。味は同じと言われれば同じかもしれないが、私には文字通り大味
に思われる。

というわけで、例を追加させていただきました(^_^;)。

さて、今日は土曜日なので、これから朝食を食べたらマーケットに行って野菜類
を調達してきます(^_^;)。現在英国夏時間で8時少し前です。
マーケットで売っている人にいろいろ聞いてみたいとも思うのですが、人がごっ
た返して忙しそうなので、無理でしょうね(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


5 INET GATE 1998/06/06 23:00
題名:[lex] vegetables {2}

Date: Sat, 6 Jun 1998 14:43:59 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

再び東海林@バーミンガム滞在中です。

「野菜」話をもう少し続けさせていただきます(^_^;)。

<スーパーでの新発見>
まずは私の以前のメールから引用します:

> (例3)キャベツ:cabbageとして売られているものは、日本で見かけるも
> のよりも色が白っぽく、やや小型のものが多い。外目にも硬そうだが、実際
> にも硬い(私はこれが嫌いです(^_^;)。日本でよくあるような柔らか目のキ
> ャベツ(こちらは大好きです(^_^;)はないものと諦めていたが、土曜朝のマ
> ーケットで発見!しかしこれは例外的で、cabbageと言うと普通英国(少な
> くともバーミンガム)では前者を指すようだ。

いつも私はあまり行かないTESCOというスーパーマーケットでは、何と4種類も
のキャベツが売られていました!

(1)white cabbage: 上記の引用を参照。
(2)green cabbage: 上記の引用では「例外的」としてしまいましたが、それ
はいつも行くSainsbury'sというスーパーに置いてあるのを見たことがないため
の誤解だったかもしれません。
(3)red cabbage: 文字通り「赤キャベツ」。
(4)Savoy cabbage: どんなものかの説明は私の貧困な表現力では難しいので
(^_^;)、The Random House Unabridged Electronic Dictionaryからの引用にし
ます:
a variety of cabbage having a compact head of crinkled, blistered leaves
(米国の辞書ですが、英国のものにも当てはまる定義だと思います。)

上記の名称は商品ラベルに印刷されていたものです。
結局、cabbageという英語は厳密には上記、あるいは上記を含む数種類の野菜の
「総称」ということなのでしょう。
しかしながら、家庭などの日常的な場面で英国人は上記のような数種類の
cabbageを常に厳密に言い分けているとは思いません。
少なくともバーミンガムでは、単にcabbageと言った時は(1)を指すのが普通
なのだろうと思います。
こちらでは上の4種類の中で一番よく店頭で見かけるものであり、それはまた売
れていることも意味するだろうと思うからです。
しかしながら、それを「英国では」と一般化するのは難しいのではないかという
ことにも気付いています。
スーパーの後に出かけた本屋で、次のような辞書を発見し、購入しました:

Oxford Photo Dictionary, 1991, OUP.

この辞書のIn the Market 1 (page 23)を参照すると、cabbageとして示されてい
るのは上の(2)green cabbageであり、私のバーミンガムでの観察を裏付ける
ものではありませんでした。
実はバーミンガム生まれの(^_^;)COBUILD New Student Dictionary, 1997の714
ページのイラストも、モノクロなのですがgreen cabbageを表しているように思
われます。
他の地方、国々ではどうなのか、ますます気になってしまいました(^_^;)。

本日は他にも新たな発見がありましたが、長くなりましたので別便にします。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


4 INET GATE 1998/06/07 00:23
題名:[lex] はじめまして {1}

Date: Sun, 7 Jun 1998 00:13:34 +0900
From: Masaya Watanabe <>
Reply-To:
To:

はじめまして。
渡辺雅也ともうします。

ここは、辞書関連のMLですよね。
それで、参加しました。

僕は、今、麻雀の辞書を探しています。

実際の辞書ではなく、パソコンで使うDICファイルです。
誰かご存じ無いでしょうか。
よろしくお願いします。

┏━ 渡辺雅也(18歳) 黒服 ━━━━×┓
┃ Mail<> ┃
┃WWW<http://www.officenet.co.jp/~masaya/>┃
┃ 所在地 埼玉 ┏━━━━━━━━━━━━━━━×┓
┗━━━━━━━━━━┃☆ICQ 1600562 ┃
┃☆DIABLO #1207425 ┃
┃☆TSの家 38 ┃
┏こめんと━━┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃リンクバナー規格推奨ページ作りました。┃
┃ただいま、リンク希望者募集。┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


1 INET GATE 1998/06/07 07:59
題名:[lex] vegetables {3}

Date: Sat, 6 Jun 1998 23:23:12 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

本日は野菜のことばかり考えていた(^_^;)東海林@バーミンガム滞在中です。

<Oxford Photo Dictionary (1991) の有用性>

この辞書、日本でも書店で見かけたことはあったと記憶していますが、これほど
の情報量をわずか125ページの中に収めている辞書とはつゆ知らず、ページを
めくってみることもなかったのが悔やまれます。
1991年発行ですから、ここであらためて御紹介するまでもないとは思うので
すが、一般学習辞典のように広く普及しているとは思えませんので、あえて一言
書かせていただきます。
どんな辞書かと言うと、書名が全てを物語っています。
今回私が話題にしている「野菜」についても、'In the Market 1'と題して1
ページが割かれていて、上3分の2強が野菜売り場のカラー写真(それぞれの野
菜に番号がふられている)、残り3分の1弱のスペースに番号に対応する野菜の
名称が示されているといった具合です。
ちなみに隣ページの'In the Market 2'には、果物について同じレイアウトで示
されています。
前回のメールで、「野菜」のページのcabbageに対応しているのが'green
cabbage'のようであるということを指摘しました。
今回話題にするのはlettuceです。
以前のメールで私は次のように書きました:

> (例4)レタス:単にlettuceとして売られているものは、日本で「レタス」
> と言っているものより葉がふさふさしていて、色も緑が濃い。日本と全く同
> じ種類のものはiceberg lettuceという名称で売られており、こちらの方が
> 前者よりも圧倒的に人気が高いようだ(いつも山積み)。

本日のスーパーでの観察で、「葉がふさふさしていて、色も緑が濃い」ものは
「単にlettuceとして売られている」のではなく、'English lettce'として売ら
れていることが判明しました(訂正させていただきますm(__)m)。
また同じメールから引用です:

> 手元の学習英和・和英辞典では上記のような情報は皆無でした。それどころ
> か、iceberg lettuceの項を読むと日本で普通に「レタス」と言っているも
> のとは違う種類であるかのような記述がしてあり、驚きました。(もしかし
> て米国ではこの通りなのでしょうか?)

Oxford Photo Dictionaryのlettuceと紹介されている野菜を見ると、どう見ても
'iceberg lettuce'(=日本で普通に「レタス」と言っているもの)であり、少
なくとも英国では単にlettuceというとこれを指すことが多いのかもしれないと
いうことがわかりました。
すなわち、厳密に言えば'lettuce'という英語は'English lettuce'、'iceberg
lettuce'などの「総称」なのでしょうが、少なくとも英国では、いつも厳密に言
い分けているわけではなく、単に'lettuce'と言えば'iceberg lettuce'のことを
指すことが多いのだと思われます('cabbage'と事情が似ています)。

今回いろいろと考えているうちに、「ことばの厳密さと曖昧さ」の問題に到達し
ました。
それについても少々考察して書こうかとも思いましたが、長くなりましたので稿
を改めます。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


2 INET GATE 1998/06/07 12:07
題名:[lex] see {2}

Date: Sun, 07 Jun 1998 11:40:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

松本先生:

メールをありがとうございます。

> 佐賀の松本@MCSです。佐賀県県下一斉テストの長文で、私の能力不足で生徒に
>説明できない "see" がありました。ご存じの先生がいらっしゃいましたら、ご教授
>宜しくお願い申しあげます。
>
>I was so delighted that I then asked her if she would call the district
>office and see if the central administration would make a donation.
>
>上記文中の "and see if 〜 " の "see" です。6年前の湾岸戦争の回想という設定
>で書かれた文章です。
>
> 生徒の話によると学校の先生も説明に困ったらしく、"see if " で「〜かどうかわ
>かる」という「熟語」になっている、という説明だったそうです。(^_^;)

『ジーニアス』で言えば,see --[動](他) 5にある,「…を調べる」の
意ではないのでしょうか。[SV wh節[句]]でも使われるとあり,

Will you first see if the car is worth repairing?

という例文があがっております。私の勘違いであればご容赦下さい。

11:33 (日) 06/07/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


1 INET GATE 1998/06/07 12:13
題名:[lex] see {2}

Date: Sun, 7 Jun 1998 12:02:17 +0900
From: Masahiro Kodera <>
Reply-To:
To:

At 3:06 PM +0900 98.6.6, Matumoto Yosihito wrote:
>  佐賀の松本@MCSです。佐賀県県下一斉テストの長文で、私の能力不足で生徒
>に
> 説明できない "see" がありました。ご存じの先生がいらっしゃいましたら、ご教
>授
> 宜しくお願い申しあげます。
>
> I was so delighted that I then asked her if she would call the district
> office and see if the central administration would make a donation.
>
>  生徒の話によると学校の先生も説明に困ったらしく、"see if " で「〜かどうか
>わ
> かる」という「熟語」になっている、という説明だったそうです。(^_^;)
>

松本先生。

ご質問の主旨を私が誤解している可能性があるのですが、その際は失礼をお許し下さ
い。
'see if' の 'see' の「説明」をするという「説明」の意味を私が誤解している可
能性が大きいのですが、一応、いくつかの辞書に書いてあるような内容のことを引用
しておきます。恐らくはこの程度のことは先刻ご存知で、さらにもっと深いレベルの
ご質問であろうと想像するのですが、その場合は失礼をお許し下さい。

Longman Dictionary of Contemporary English. 3rd Edition. (1995) pp.1283 - 4
see の定義 2 WITH YOUR EYES の 8 NOTICE/EXAMINE の箇所に [+if/whether] Nick
went out to see if the pond had frozen over. という例文が載っております。

大修館の「ジーニアス英和辞典」1988 の see の定義5(p.1510) に、「…を調べる
、見てみる」があり、そこに Will you first see if the car is worth reparing?
という例文が載っております。

松本先生がご質問になっておられる問題の文の see も「確認する、確かめる」とい
った位の意味ではないかと思います。

COBUILDDirect の検索では、see@+if の組み合わせは全部で1596件あります。この中
にはsee で文が終わって、新たな次の文が if で始まっているような、組み合わせと
して不適切なものも若干ありますが、それにしても可成りの数ですので、一種の決ま
り文句(熟語?)という風に説明なさる方がいらっしゃるのも理解できるような気が
します。1596件の内訳は以下の通りです。

Corpus Total Number of Average Number per
Occurrences Million Words

ukspok 596 64.3/million
usbooks 200 35.5/million
ukbooks 170 31.8/million
ukmags 117 23.9/million
ukephem 71 22.7/million
today 114 21.7/million
npr 67 21.4/million
bbc 51 19.5/million
oznews 94 17.6/million
times 98 17.0/million
usephem 18 14.7/million

調べておりまして、興味深いことに気付いたのですが、過去形の saw の形で用いら
れた例が1例もありませんでした。ほとんどすべてが see (特に to see の形が目
立ちます)で、seeing が30例ほど、そしてseenの例が 10 例ほどありました。以下
に seeing と seen の例を1、2例挙げておきます。

We can only assume that the Chancellor (as he then was) was seeing if there
were any
lessons in the food industry for the British economy.

Another criticism of BST is that it will only work if the cows are fed
plenty of concentrates and, therefore, is not appropriate for more
extensive systems of dairying. But recently Dr Richard Phipps and other
scientists at the Agriculture and Food Research Councils Institute of Food
Research here in
Britain have been seeing if these criticisms are founded.

But Eddie cautions: "It is one thing to make all these changes but it
remains to be seen if what is left will work."

ご質問のお答えになっておりませんでしたら、ご容赦下さい。

小寺正洋
聖母女学院短期大学


4 INET GATE 1998/06/07 21:45
題名:[lex] see {2}

Date: Sun, 07 Jun 1998 21:26:58 +0900
From: (馬本 勉)
Reply-To:
To:

皆さん,こんにちは。

In message "[lex] see {1}",
Mr. Matumoto Yosihito wrote...

>I was so delighted that I then asked her if she would call the
district office and see if the central administration would make a
donation.
> 生徒の話によると学校の先生も説明に困ったらしく、"see if " で
「〜かどうかわかる」という「熟語」になっている、という説明だったそ
うです。(^_^;)

CIDEによると,try to discover の意味で,以下のような用例がありま
す。
Will you see if you can get anyone to help?
I'll see if I can find him for you.

日本語にすると,「〜かどうか確かめる」が近いかな,と思います。

PODには,ascertain とあります。(ちょっと古い版で6版です。PODもこ
の版くらいまで味がありますね。ぴたっとくる言い換えが好きです。)

COD9を見ると,ascertain or establish by inquiry or research or
reflection とあり,次の例文があります。
I will see if the door is open.

------------------------
UMAMOTO Tsutomu(馬本 勉)
比治山大学 TEL(082)229-0121
e-mail:
http://ipr.hijiyama-u.ac.jp/~umamoto/


3 INET GATE 1998/06/07 21:45
題名:[lex] Q: forehead and brow {1}

Date: Sun, 7 Jun 98 21:35:31 +0900
From: (ohara kimpei)
Reply-To:
To:

小原@金沢学院大学と申します。

既に議論されていたら恐縮ですが、
forehead と browについて質問します。いずれも「額」という日本語があります。
両語ともそれぞれ独自の意味と使われ方が有りますから、interchangeableでは
ありませんが、身体部分に限定した場合はどう区別されるのでしょうか?
例えば、『ジーニアス』('88) ですと, browに 2.額(forehead)
a wrinkled brow(しわがよった額)、があります。
よろしくお願いします。


2 INET GATE 1998/06/07 21:46
題名:[lex] 二重書込のお詫び {1}

Date: Sun, 07 Jun 1998 21:39:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

村 田  年です.
JACET英語辞書研からの連絡について,二重書き込みをしてしまい
申し訳ありませんでした.以後気をつけます.


1 INET GATE 1998/06/07 21:47
題名:[lex] コービルド物語4 {1}

Date: Sun, 07 Jun 1998 21:39:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

伝わってくるところによりますとシンクレア教授は既に定年退官し,
マルカム・クルタードが教授になられたとか.コービルドの皆さんも
ちりじりになってしまって残念です.

      バーミンガム学派の人々(4)

村 田   年
    ジョン・シンクレア教授

 シンクレアは多忙を極めているようだ。なんどかいただいた手紙はすべて代筆だった
。シンクレアとゆっくり話をしたいとか、指導を受けたいという期待は最初から持たな
かった。ともかくデータベースを使わせてもらえれば、また、コンピュータを使ったこ
ともない者に教えてくれる人がいさえすればよかった。
 しかし、初日に昼食をすませてスタッフ・ハウスから出てくると偶然シンクレアに会
った。彼は一応気にとめていてくれたふうだった。次の日にロビーで会ったら、所長の
ギネスを紹介してくれた。
 それから1日か2日経った頃のことであるが、部屋で仕事をしていたら、シンクレア
が入ってきて、なかなか話をする暇もなくて、なにか不足はないか、困ったことがあっ
たらだれにでも言ってくれ、と言った。その目はやさしく、澄んでいた。わたしは、ア
レックスに教わっていろいろ練習をしている、2000万語のデータベースに満足している
、と答えた。
シンクレアは怪物だ。第一に彼の不屈不倒の精神がある。英語学科も言語学科もなく
、やっと応用言語学が英文科の中にあるだけの新興のバーミンガム大で、英語の関係で
は世界最大のデータベースを作ろうという計画をぶち上げたのだから、最初は気違いだ
と思われたかも知れない。彼は建物、費用、版権、スタッフ等、一つずつ粘り強く解決
していき、この計画を軌道に乗せた。今ではBBCのニュースなどいくつかの番組が放
送されると自動的にデータベースに入ってくるようにもなった。
 また彼は外国のいくつかの英語学科・言語学科の創設、運営に関係している。中国の
、ブラジルの、アフリカのクメールの、ベネズエラの大学の英語学科の運営に実にこま
めに手を貸している。シンガポール大学の英文学部の創設・維持にも貢献している。フ
ェロウの中から優秀な人材を選んではこれらの大学へ送りだしている。アントワネット
もクメールの大学へ行っていたことがあるそうだ。師範代のマルカムの奥さんは今ブラ
ジルに派遣されている。リチャードは日本の神戸大に行っていたが、いまはバーミンガ
ムへ戻っている。その見返りに世界中から研究者が院生として来ている。これがバーミ
ンガム大の英語学に大変な活気を与えているようだ。ロンドン大学のユニバーシテイ・
カレッジではこのような活気は私には感じられなかった。
 さらに彼は教え子の面倒見がたいへんによい。例えば昨年はモナが初めて大学院で演
習を持つことになった。シンクレアは彼女のすべての授業に参加し、演習を盛り上げる
と同時になにくれとなく助言した。彼の熱意に引かれて、あるいは、シンクレアのちょ
っとしたコメントから何かを学ぼうとして、学期の後半は二、三人の教官が出席するよ
うになった。モナはもう一人前の研究者として世に出ることができた。シンクレアがこ
れからケンブリッジに行くと言うとモナがにこにこと自分の車を出していたのも無理か
らぬことだ。
 シンクレアについている院生も何人かはいるが、直接いつも指導が受けられるわけで
はない。サブの指導教官がつく。しかし、たまに彼の口から出る一言、例えば、「少し
意味の導入が早いのではないか」とか「統語論の面が少し弱いかもしれない。変形生成
文法の論文をもっと参考にしては?」などというコメントは当人の忘れられないものと
なる。「シンクレアはこわいから」と院生が言うと、「おれだってジョンはこわいよ」
と指導教官も言ったりする。彼の一言はだれにとっても相当の影響力をもつようである

 しかし普段はシンクレアは非常にフランクで親しみやすい。みんなジョン、ジョンと
気軽に話しかける。日本人のジュンも「ジョン、今日の午後ちょっと時間を取ってくれ
ないか」などと話しかけている。ジュンはシンクレアと共同研究の論文を書いていたの
である。
 歓迎のパーテイがコービルドで開かれた。夏休みでいろいろなお客さんが来ていた。
主賓は、例のオリエンタルは渦巻思考で、イングリッシュは直線思考で、ロシア人は鍵
型思考という論文で有名なカプランで、私なども招待された側であった。「服装はイン
フォーマルで」とあったが、一応ネクタイぐらいはと思って締めて行ってみると、ネク
タイは40人中4人ぐらいでみな実にフランクな格好でやってきた。ついにバーミンガ
ムではスーツを一度も着ることなく帰ることになった。とにかくここではほとんど衣料
費はかからない。ジーンズのひとがかなり多い。このようなざっくばらんな雰囲気を作
ってくれたのもおそらくはシンクレアであろう。
 ある日のこと、シンクレアの奥さんがコービルドに来られて、もうパブリックにして
もいいと言って帰られたと言う。何のことかと思ったら、シンクレアはついに奥さんと
別れたのだ。それからは大学の近くのシンクレアの家の前を通ってももうジープのよう
な、彼のランドローバーは止まっていなかった。確かにイギリスでは教授はめったにい
ない存在で、そびえ立っている。女性にももてるであろう。特にシンクレアはだれにで
もやさしく、親身に相談にも乗ってやる。澄んだ、きれいな目は人を引き付ける。ふと
った風貌はかわいらしくもある。それでいて極めて男性的である。しかし夫婦別れする
ことはなかったろうにと思った。
 それから何日かしてシンクレアが新しい家を買ったという噂が流れた。さらに9月何
日かに新しい家のオープンハウスをするということがシンクレアによって研究所のメン
バーに知らされた。オープンハウスに行けば新しい彼女がだれかわかるよ、などという
ことが噂された。その日が来ないうちに私はロンドンに発った。

  師範代マルカム・クルタード

 コービルドに行って二日目か三日目に私よりちょっと若いぐらいの男が部屋に入って
きた。振り向いたときにはもう私の手を握っていて、背中をぱんぱん叩きながら盛んに
捲くしたてていた。自分の名前も言ったのだろうが私にはわからなかった。それから彼
は仕事をしていた私の机に腰掛け、私が座っていた椅子に片足を乗せた状態でさらにし
ゃべり続けた。いったいこの男は何者だろうかと私は考えていた。カジュアルな格好で
出て来る人が多いこの研究所でも彼はまた一段と構わない感じの服装だった。マルカム
だ、マルカムに違いない、と思った。だいたいこちらに来る前に手紙を交換したのはマ
ルカムとアントワネットしかいないのだ。
 失礼ながら「君はマルカムか?」と確かめた。そうだよ、なにを言ってんだ、とまた
また背中を叩かれるはめになった。彼はコービルドはあまり好きじゃないんだ、だいた
いぼくはマシーンなんか扱えないんだ、などと言った。
 実際にはマシーンが使えない教官はバーミンガムにはいない。すべての教官室に端末
があって授業に行く前に簡単に資料が引き出せるようになっているのだ。学生達がコン
ピュータにアクセスできるコーナーもあって、資料検索に関しては至れりつくせりにな
っている。この資料、すなわち、エヴィデンスこそバーミンガム学派の学としての依り
どころなのだ。
ああこの男がマルカム・クルタードか。あのディスコース・アナリシス(談話分析)
の元祖なのだ。偉い学者がなにも飾ることなくここにいる。かつてシンクレアが「ディ
スコース・アナリシス」という題目を掲げて世界中を講演旅行できたのも彼の地道な研
究があったからこそだろうと思われた。
ロンドンに発つ前の日の8月26日にマルカムがいれば挨拶したいと思って英文科の
彼の部屋を訪ねた。なにしろ彼のインビテーションをもらってここへ来ているのだから
。彼の許可証があれば図書館での貸出も、どこの建物への出入りも自由であった。マル
カムは極めて忙しいシンクレアの代わりとしてよく内外に気を配っているようであった

 マルカムはシンクレアと共に奥さんが勤めているブラジルの大学に行っているとのこ
とだった。夏休み中にセミナーをして、託されている英文科の補強をするのであろう。
留守かも知れないと思って用意してきた手紙と手土産をセクレタリーのボールドウィン
に頼んだ。マリリンともう一人のセクレタリーとの3人で研究は完成したのか、すぐ日
本に帰るのか、どこに旅行したか、ロンドンでは何をしたいのか、などとにぎやかに質
問して、握手とともに送りだしてくれた。

     コービルド所長の ギネス・フォックス

ギネスは本当はグィネスと言うべきだが、ギネスと呼んでいる人が多いようなので私
もそうすることにした。もしかしたらこちらの耳が悪いせいかも知れない。
ギネスも多忙だ。そのうちゆっくり、そのうちゆっくり、と言うだけで、私を部屋に
呼んでくれない。そのうちにその理由がわかった。シンクレアがマルカムを通して、私
の世話をアントワネットに託した。アントワネットは英語研究所のほうの所長で、同じ
建物にありながら組織は別になっている。先にも書いたが、この二人の女性の間はなか
なか微妙な関係になっているようだ。ヒアリングの力の弱い私の耳にはあまり入ってこ
ないが、私がギネスの名前を口にするとアントワネットが話題を反らすので、まもなく
この辺の事情がわかった。
 しかし私の関心はコービルドとそのデータベースにあった。いつでもいいから1時間
程時間を割いてほしいとギネスにアポイントメントを求めた。明日は子供をどこそこへ
連れていってやることになっている、4時なら帰ってきているだろうというので、やっ
とギネスをつかまえることができた。データベースの大枠、人員の配置、『BBC英語
辞典』作成の苦労、現在のプロジェクト、今後の展望などについて、フランクに話して
くれたが、話はやや表面的な感じがした。11月に日本のJALTに呼ばれて講演をす
るという。
 私が deal についておもしろい例文をいくつか見つけたと言って紹介すると、そんな
英語はない、わたしはそんな英語は使わない、アメリカ英語に違いない、と言った。そ
れを聞いて、研究者にあるまじき態度ではないかと思った。
自分の部屋に戻りながら、どうしてシンクレアはギネスを抜てきしてヘッドにしたの
か考えてみた。彼女は明るく、フランクでだれとでも気軽に話す。人の扱いがうまいし
、公平だ。事務能力がある。自分の立てた予定より仕事が遅れたことがあまりないと言
っていた。アドミニストレーターとしては極めてすぐれた人だ。今まで滞ることなく、
着実に出版されてきた、辞書群、参考書群を思い浮かべると、シンクレアの右腕として
の彼女の統率力には敬服せざるをえない。
土曜日に出勤して、時間外出勤簿にサインをしに行くと、ノートにはほぼ必ずギネス
のサインがあった。彼女が帰ったばかりのことも多かった。「主人や子供が起きるまえ
に一仕事しちゃうの」と言っていた。なんだそれじゃサッチャーと同じじゃない、それ
が予定に遅れない秘訣かと思った。確かに彼女の仕事ぶりはサッチャーのようだ。(サ
ッチャー前首相のことをよく知っているわけではないが)(11月24日、JACET
でのギネスの講演の後、例のごとく志満金で歓迎のディナーがあった。ギネスを見て志
満金のマスターが、サッチャーさんにそっくりだ、と言ったときには驚いた。顔は似て
ないと思っていたから。)
 私自身は心臓を病んでいることを口実にいつもでれでれと寝ている。予定通りに仕事
が進んだことがない。適任者をヘッドに据えて、シンクレアは安心して国内、国外を飛
び回れることであろう。


1 INET GATE 1998/06/08 01:56
題名:[lex] Photo dictionaries {1}

Date: Sun, 7 Jun 1998 17:36:42 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex" <>

東海林@バーミンガム滞在中です。

「野菜」関係の話題は一休みとしまして(^_^;)、その話題でも取り上げた「写真
辞書」について少々書いてみたいと思います。
Oxford Photo Dictionary (1991)(以下OPDとします)については今までも
少々書きました。
Longman社でも確か出していたはずと思い、本日書店にて購入しました。
Rosenthal & Freeman (1987, British ed. 1988), Longman Photo Dictionary
(以下LPDとします)
英国のEFL関係では、Longman社の方が先に出版していたわけです。
両者の比較のために、私の以前のメールから少々引用させていただきます。

<OPD:総ページ数125、A5版よりやや大型>
> 今回私が話題にしている「野菜」についても、'In the Market 1'と題して
> 1ページが割かれていて、上3分の2強が野菜売り場のカラー写真(それぞ
> れの野菜に番号がふられている)、残り3分の1弱のスペースに番号に対応
> する野菜の名称が示されているといった具合です。
> ちなみに隣ページの'In the Market 2'には、果物について同じレイアウト
> で示されています。

<LPD:総ページ数93、ただしOPDよりもう少し大型>
'Fruit'のページが先に登場し、左側の4分の1程度のスペースに番号付きで果
物の名称が示され、右4分の3程度のスペースが写真で示されています。
下には初歩的な会話の練習問題が付けられています。
その隣ページに'Vegetables'が同じレイアウトで示されています。
OPDとの大きな違いは、野菜や果物が「人為的に」一箇所に集められている写
真が使用されている点です。

<両者の比較と感想>
1.収録語数
裏表紙の説明をそのまま引用します。
LPD:over 2000 words/OPD:over 2400 words
2.本文と練習問題との関係
OPDでは練習問題(LPDより高度です)は巻末にまとめられており、本文は
「図鑑」に徹しています。
LPDは初級会話の授業にも使えるように編集してあるようです。
3.写真のリアリティ
OPDは実際のマーケット、あるいはそれに似せた写真を用いている点で、人為
的に野菜や果物を集めた写真を用いたLPDよりもリアリティが高いと言えま
す。
LPDは厳密に野菜や果物の名称を示しているだけなのに対して、OPDは野菜
脇につるしてある'paper bag'の名称まで示しているあたり、細かな配慮が窺え
ます。
4.米語の扱い
私は英国のEFL出版社では、Longman社の方が米語を大きく取り上げる傾向が
強いと思っていましたが、写真辞書に関しては事情は別です。
LPDではaubergineのみを挙げているのに対して、OPDではaubergine (US
eggplant)といった具合です。
5.名詞以外の語の扱い
文字通り動きを伴った「動作」を表す動詞、視覚的に見える状態を表す形容詞も
扱っている点は両者共通で、写真(あるいはイラスト)を使って効果的に説明で
きる品詞は名詞だけではないということを再認識させられます。

<総合評価>
というほど大げさなものではないのですが…
もっと比較すべきポイントは多いでしょうし、短時間で眺めただけなので少々乱
暴過ぎるでしょうが、軍配を上げるとすればOPDの方かなと思います。
しかしながら、出版年を考慮に入れると、OPDは明らかにLPDを綿密に研究
して製作したということが窺えます。
後発辞書が先発辞書の長所を取り入れつつ(全くの「模倣」ではいけません
が)、短所(と思われる点)を補っていく姿は当然のことでしょうから、EFL
辞書に新たな分野を開拓した(と思われる)Longman社の姿勢も評価されるべき
でしょう。

でもLPDが初のEFL写真辞典だと言い切る自信は全くないのです(^_^;)。
どなたかこのあたりの事情を御存知の方はいらっしゃいませんでしょうか?

野菜の話は一休みと始めておきながら、結局野菜の例を使ってしまいました
(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


2 INET GATE 1998/06/08 07:08
題名:[lex] バスの社内掲示 {1}

Date: Sun, 7 Jun 1998 22:55:27 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex" <>

東海林宏司@バーミンガム滞在中です。

本当に海外で生活していると、日々新たな発見があるものです。
今回も懲りずに(^_^;)、その中の1つとして、バスの社内掲示を取り上げたいと
思います。

<「優先席」の表示>
日本では、「お年寄りやからだの不自由な方にお譲り下さい」などとなっていた
と思います。
英国のTravel West Midlandsのバスでは次のようになっています:

Please be ready to give up this seat if someone needs it more than you
do.

本当に基本的な語彙を用いた表現ですが、初めて見た時には新鮮な感動を覚えま
した。
1.be ready toが「進んで〜する」という意味で用いられているいい例であ
る。
2.give upが「譲る」という意味で用いられているいい例である。
そして何よりも、
3.譲るべき対象を「お年寄り」・「からだの不自由な方」などと限定せずに、
「自分よりも(その座席が)必要な人」としているところが、本来の「優先席」
の考え方を見事に表している。
という点が印象的でした。
けれども、日本語で同じような内容を簡潔明快に表そうとすると、かなり難しい
という気がします。

<「喫煙・飲食禁止」の掲示>
日本ではバスの車内で「禁煙」の掲示は見たことがありますが、「飲食禁止」の
掲示を見たことはありませんでした。
それがあっただけでも驚きでしたが、その表現にもまた少々驚きを感じました:

For a cleaner, more pleasant environment,
Kindly refrain from: -
smoking, eating & drinking
on this bus.

1.environmentを「車内」のような比較的狭い空間に使っている。
そして何よりも、
2.命令文の動詞の前にkindlyという副詞を用いている。
という実例に触れたのは初めてだったのです。

気になって各種辞典を調べてみました:

<A: COBUILD on CD-ROM>
2 If you ask someone to kindly do something, you are showing that you
are angry with them, or that you have a feeling of superiority over
them.

EXAMPLE : Kindly take your hand off my knee...
Can you kindly tell me how this situation has got this far?

GRAMMAR : adverb + infinitive
SYNONYMS : please

<B: Oxford Wordpower Dictionary>
2 (used for asking sb to do sth) please: Would you kindly wait a moment?
○ Kindly leave me alone!

<C: Chambers Students' Dictionary>
2 please: Would you kindly stop talking!

<D: Longman Handy Learner's Dictionary>
2 (showing annoyance) please

Aの1つめの用例には少々ドキッとするものがあります(^_^;)。
BとCは語義ではニュアンスを伝えていませんが、用例を見ると単純にpleaseと
同じ意味ではないことを示唆しているようにも思われます。
Dはスペースの問題もあり用例がありませんが、括弧内にpleaseとの差異を示し
ているようです。

さて、私が見たバスの車内掲示は、車内で喫煙や飲食をする乗客に対してバス会
社が「苛立ち」あるいは「迷惑」を感じていることを示すものなのでしょうか?
もちろん「本音」はそうなのでしょうが、「お客様」に対する掲示にサービス業
がそのような意味を込めることは日本人としては考えられません(^_^;)。
私としては、掲示の例はpleaseにごく近い意味で使われていると考えたいのです
が、如何でしょうか?

明日はBank of Englishの検索を試みてみようと思います。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


3 INET GATE 1998/06/08 10:53
題名:[lex] see {3}

Date: Mon, 8 Jun 1998 09:24:19 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

井上先生、小寺先生、メールをありがとうございます。
佐賀の松本です。

井上先生
>『ジーニアス』で言えば,see --[動](他) 5にある,「…を調べる」の
>意ではないのでしょうか。[SV wh節[句]]でも使われるとあり,

小寺先生
>調べておりまして、興味深いことに気付いたのですが、
>過去形の saw の形で用いられた例が1例もありません
>でした。ほとんどすべてが see (特に to see の形が目
>立ちます)で、seeing が30例ほど、そしてseenの例が
> 10 例ほどありました。

今思えば、自分でもなぜこの文が読めなかったのか、汗をかいています。(^.^;)
なぜわからないのか、生徒の話を聞いているうちに、一緒にパニックに陥っていたよ
うです。膝の深さまで水がたまっていたら、状況によっては水死してしまうそうです
が、まさにそれを地でいってしまいました。(^_^;;)

しかし小寺先生に調べていただいたおかげで、役に立つ情報になりました。小寺先生
本当にありがとうございました。


2 INET GATE 1998/06/08 10:53
題名:[lex] vegetables {2}

Date: Mon, 8 Jun 1998 10:35:09 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

東海林先生初めまして。佐賀の松本@MCSと申します。

>(例6)ナス:辞書によると「米:eggplant/英:aubergine」。けれども英国
>(少なくともバーミンガム)で見るものは日本のものの3倍から5倍はあろうか
>と思われる大きさのものばかりである。日本のものはまさにニワトリの卵に近い
>形と大きさと言えるであろうが、こちらのものは恐竜の卵かと思われるくらいの
>大きさ(^_^;)。味は同じと言われれば同じかもしれないが、私には文字通り大味
>に思われる。

実は九州には「米ナス:べいなす」と呼ばれる大きな丸いなすびがあります。長さは
20cm幅は15cm程あるでしょうか。へたの色は緑色です。なぜ「べいなす」なのか
不明だったのですが、ひょっとしたら輸入品種だったのかもしれませんね。


1 INET GATE 1998/06/08 10:53
題名:[lex] vegetables {2}

Date: Mon, 08 Jun 1998 10:32:44 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

東海林先生:

加藤@岩手医大です:
>
> (例6)ナス:辞書によると「米:eggplant/英:aubergine」。けれども英国
> (少なくともバーミンガム)で見るものは日本のものの3倍から5倍はあろうか
> と思われる大きさのものばかりである。日本のものはまさにニワトリの卵に近い
> 形と大きさと言えるであろうが、こちらのものは恐竜の卵かと思われるくらいの
> 大きさ(^_^;)。味は同じと言われれば同じかもしれないが、私には文字通り大味
> に思われる。
>
この前ふれた The Diner's Dictionary (Oxford, 1993) には次のような記述が
あります:

In Britain we are mainly familiar with the large somewhat bulbous
purple aubergine (indeed the term AUBERGINE has been applied since
the late nineteenth century to a particular shade of purple), but the
vegetable in fact occurs in a variety of other shapes and colours: long
and thin, egg-shaped, pale purple, yellow, white (the term EGGPLANT was
originally applied to white egg-shaped aubergines). In many parts of the
tropics grows, for instance, the pea aubergine, little bigger than a
cherry. (p. 12)

また,Jean Anderson Cooks (William Morrow, 1982) は次のように書いていま
す:

Until recently, the only eggplants to be had in America were the big
dark purple ones. Big city-greengrocers, however, now routinely stock
baby Italian eggplants and occasionally, an exotic white hybrids as
well.
(p. 237)

cabbages ですが,Jane Garmey, Great British Cooking: A Well-Kept Secret
(Random House, 1981) は次のように述べています:

A visitor to England once remarked that the English have only three
vegetables and two of them are cabbage. Although cabbage has probably
been more brutalized by overcooking than any other vegetable, if
correctly cooked it can be delicious. (p. 127; 'Spiced Cabbage'という
recipe の前書き)

日本の茄子も地方によってさまざまです.秋田県には漬け茄子用の,あまり大き
くない,丸い茄子がありますが,隣県の岩手県(盛岡市)では買えません.


1 INET GATE 1998/06/08 16:07
題名:[lex] see {3}

Date: Mon, 8 Jun 1998 15:38:08 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

馬本先生、メールをありがとうございます。佐賀の松本です。

>CIDEによると,try to discover の意味で,以下のような用例がありま
>す。
>Will you see if you can get anyone to help?
>I'll see if I can find him for you.

だから saw の用例がない(小寺先生のメールより)わけですね。

>PODには,ascertain とあります。(ちょっと古い版で6版です。PODもこ
>の版くらいまで味がありますね。ぴたっとくる言い換えが好きです。)

今度東京に行ったとき神田で探してみます。情報ありがとうございました。


3 INET GATE 1998/06/08 17:37
題名:[lex] Q: forehead and brow {2}

Date: Mon, 8 Jun 1998 17:20:48 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

小原先生初めまして。佐賀の松本@MCSと申します。先生のご質問のうち、主題で
はありませんが次の部分にお答えします。

>既に議論されていたら恐縮ですが、

実は項目別ログという、過去ログを項目別に整理したURLがあります。

http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html

へ行っていただければ、後はリンク先がわかるようになっています。

ちなみに、この問題はまだ議論されておりません。(^_^)


2 INET GATE 1998/06/08 17:50
題名:[lex] コービルド物語4 {2}

Date: Mon, 8 Jun 1998 09:39:59 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林宏司@バーミンガム滞在中です。

村田先生、第4回も楽しく読ませていただきました。

>伝わってくるところによりますとシンクレア教授は既に定年退官し,
>マルカム・クルタードが教授になられたとか.コービルドの皆さんも
>ちりじりになってしまって残念です.

シンクレア教授は今でも不定期にMAの学生のためにセミナーを開いたりするこ
とがあるようです。
先月の7日にも、'way'という語のコーパスに基づいた分析についてのセミナー
が開かれ、CARE visitorsにも参加が認められたため、私も初めてお顔を拝むこ
とができ、感激しました(^_^;)。
その時の世話人はDr Susan Hunstonでした。
Dr Susan Hunstonは、
http://www.bham.ac.uk/CELS/staffx.htm
でもco-editor of Collins Cobuild Grammar patterns I: Verbsと紹介されてい
る通り、コービルド・プロジェクトにも関わっていらっしゃる方ですが、詳しく
は磐崎先生の方が御存知かと思います(^_^;)。
同じページを見ると、現在のCentre for English Language Studies (CELS)のス
タッフが紹介されていますが、その中には村田先生の第4回にも登場するCarmen
Rosa Caldas-Coulthard(マルカム・クルタード教授の奥様)の写真と紹介文も
見られます。
マルカム・クルタード教授はDepartment of Englishの所属で、上記のページに
は紹介されていません。
このあたり、こちらの組織は少々複雑で、私もこちらに来たばかりの頃は特に戸
惑いました。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


1 INET GATE 1998/06/08 18:01
題名:[lex] コービルド物語4 {3}

Date: Mon, 8 Jun 1998 09:52:26 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

再び東海林@バーミンガムです。

もう一度大学のWeb pagesをよく調べてみました。
現在バーミンガム大学の英語学・英文学関係の組織がどうなっているかは、
http://www.bham.ac.uk/CELS/otherunits.htm
を見ると図でわかりやすく説明されています。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


1 INET GATE 1998/06/08 18:57
題名:[lex] See {1}

Date: Mon, 8 Jun 1998 18:45:06 +0900 (JST)
From: Sho Sakuma <>
Reply-To:
To:

KGU 3年 佐久間 です。

Eric Claptonというミュージシャンがいますが、"Unplugged"というアルバムの中

で演奏前に"See if we can support this one."と言って観客を笑わせる場面があ
ります。

"(Let me) see (that) if we can support this one."と書き換えると、

seeとは直感的に予期できぬ未来を覗き見るかのような使われ方をするのではない
でしょうか。

"Let me saw..."という形がないように。

佐久間 祥
 
/http://www.lares.dti.ne.jp/~sean/


2 INET GATE 1998/06/08 21:06
題名:[lex] See {2}

Date: Mon, 8 Jun 98 20:50:00 +0900
From: (ohara kimpei)
Reply-To:
To:

小原@金沢学院大学です。
失礼します。

At 6:45 PM 98.6.8, Sho Sakuma wrote:
> KGU 3年 佐久間 です。
>
> Eric Claptonというミュージシャンがいますが、"Unplugged"というアルバムの中
>
> で演奏前に"See if we can support this one."と言って観客を笑わせる場面があ
> ります。
>
> "(Let me) see (that) if we can support this one."と書き換えると、
>
Clapton氏のどういう意味の発言か分かりませんが、これはいわゆる命令形では
ないですか?
とするとこの書き換えは無理なのでは。

> seeとは直感的に予期できぬ未来を覗き見るかのような使われ方をするのではない
> でしょうか。

むしろ、実際に見ればわかることから「調べる」の語義が生じたということに思えます。日本語でも「郵便受けに何か来ているか見てくれ」と言いますね。
わかりませんが、メトニミーによるものでしょう。


1 INET GATE 1998/06/08 21:23
題名:[lex] vegetables {3}

Date: Mon, 8 Jun 1998 12:59:08 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガムです。

お二人の方々からコメントをいただいたので、懲りずに(^_^;)野菜の話題に戻っ
てきました。

松本先生:

> 実は九州には「米ナス:べいなす」と呼ばれる大きな丸いなすびがあります。
> 長さは20cm幅は15cm程あるでしょうか。へたの色は緑色です。なぜ「べ
> いなす」なのか不明だったのですが、ひょっとしたら輸入品種だったのかも
> しれませんね。

情報ありがとうございます。
「米ナス」の「米」とは「米国」なのかもしれませんね。
『カレッジライトハウス和英』には、米国のeggplantは大型である旨の記述があ
りました。

加藤先生:

> 日本の茄子も地方によってさまざまです.秋田県には漬け茄子用の,あまり
> 大きくない,丸い茄子がありますが,隣県の岩手県(盛岡市)では買えませ
> ん.

「ネギ」など、関東と関西では表すものが異なるような例があるのは承知してお
りましたが、「ナス」は日本人共通認識があると思い込んでおりました。
御指摘ありがとうございます。

英文の引用を拝見しますと、英米でも実はさまざまな種類があるとわかります
ね。
ですから英米人でも人によって思い浮かべる実態が違う可能性もありますね。

「共通認識」という考え方が実は危険かもしれないということに気付かせていた
だき、感謝申し上げます。

けれども学習辞典で「ナス=米eggplant/英aubergine」と済ませてしまってい
いのか、ということに関してはやはりまだ問題ありと考えます。
「実物を見てカルチャー・ショックを受ければいい」という考え方もあるでしょ
うが(^_^;)、単純に同じものではないということを示す何らかの対策が必要では
ないでしょうか。

余談ですが、aubergineをあらためて辞書で引いてみて、auの母音がautoのauで
はなく、'long o'(goの二重母音)であることを初めて知りました(^_^;)。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


1 INET GATE 1998/06/08 22:05
題名:[lex] aubergine & potato {1}

Date: Mon, 08 Jun 1998 21:49:00 +0900
From: 磐崎 弘貞 <>
Reply-To:
To:

東海林先生、

イギリスからの生活語彙のレポートありがとうございます。

> バーミンガム特有の言い方があるのでしょうか?
> 私が店頭で見たのはイギリス英語一般と思われる'aubergine'ですが…

そうです。ナスはaubergineです。驚いたのは、egg plantという表現を
知らない友人が結構いたことです。一度、Tom McCarthurにそのことを
話したら、彼はもちろん知ってましたが、「ウーン、バーミンガムでは
ありそうなことだ」とか言ってましたが。

あと、英和によってはjacket potatoはbaked potatoと同じ、としている
英和があり、これは間違いだと思っています。東海林さんのpotato
観察の方はどうでしょう(^^;)。

磐崎


2 INET GATE 1998/06/08 22:17
題名:[lex] See {3}

Date: Mon, 8 Jun 1998 22:10:22 +0900 (JST)
From: Sho Sakuma <>
Reply-To:
To:

KGU 佐久間です

> Clapton氏のどういう意味の発言か分かりませんが、これはいわゆる命令形では
> ないですか?

おっしゃる通りですね・・・。失礼しました。なんとなく、see以前に、let me 
が省略されているような口ぶりに聞こえてしまいました。(自分に聞こえなかっ
ただけという可能性も・・・。)


1 INET GATE 1998/06/08 22:17
題名:[lex] メビウス研究会の案内 {1}

Date: Mon, 08 Jun 1998 22:01:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

lexicographer 各位:

井上(島根大学)です。

京都外国語大学メビウス月例研究会の世話人、小野隆啓先生から投稿依
頼がありましたので,以下の案内を転載いたします。

> 1998年6月5日
>
> メビウス月例研究会
> 第64回発表会
>
>
> 第64回メビウス月例研究会の予定が決まりましたので,ここにご案内申し上げま
>す.今回は,本学のお二人の先生方にお話しいただきます。
>
> 前半の赤野先生には,小説を通しての英文法についてお話しいただきます.日本
>語の能力が定まってから,英語を習得するためには英文法の知識が不可欠です.で
>もその不可欠の文法知識が,英語の運用面でどこまで活用できているでしょうか,
>というのが赤野先生からの提言です.文法のための文法になっていないでしょうか.
>文法は使える文法でなければなりません.高等学校で学んだいわゆる「学習英文法」
>を少し拡張すれば,英文の鑑賞に十分活用できるわけです.このようなことから,赤
>野先生には日常言語と小説言語を比較しながら「小説を読むための英文法」とい
>う角度から英文法のいくつかの項目を再検討していただきます.
>
> 後半の石川先生には機能文法の立場からハリディー理論における名詞句の指示
>についてお話しいただきます.ハリティーは,前方照応的指示の場合には,人称代名
>詞や定冠詞と先行詞との間に同一指示があるとしています.ところが,物語の初め
>に出てくる名詞句の場合のように,明らかに前方照応的指示であるにもかかわらず,
>同一指示がない場合はよくあります.そのような名詞句をどう説明するのか,その
>解決策について先生のお考えをお話しいただきます.
>
> 記
>
> 日時:1998年6月13日(土) 午後1:45〜午後5:00
>
> 場所:国際交流会館4階会議室
>
> 赤野 一郎 先生(京都外国語大学)
>
> 題目:日常言語と小説旨謡
>  −小説英文法序説−
>
> 石川 操茂 先生(京都外国語大学)
>
> 題目:Cohesive Referenceの問題点
>
>ご質問は小野(075‐322‐6105 / )までお問い合わせください。

21:47 (月) 06/08/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


1 INET GATE 1998/06/09 10:28
題名:[lex] 白菜とナス {1}

Date: Tue, 09 Jun 1998 10:05:20 +0900
From: Minoru Moriguchi <>
Reply-To:
To:

シャープ・森口です。
野菜の話題に乗り遅れてしまったのですが、少しコメントさせて
ください。

東海林先生:
>(例5)白菜:手元の辞書では"Chinese cabbage"となっているが(米国用法
>?)、英国(少なくともバーミンガム)では"Chinese leaf"(単数形)として売
>られているのしか見たことがない。外見と味は「白菜」そのもの。

私は1993-1995年、米国ジョージアに滞在しましたが、そのとき白菜と同じものを
発見しました。英語名は、なんと Nappa. つまり日本語の「菜っ葉」です。
少なくとも私の日本語感覚では、「菜っ葉」は緑黄色野菜であり、また、
辞書の知識として Chinese cabbage も知っていたので非常に妙な印象を
受けたことを覚えています。

磐崎先生:
>そうです。ナスはaubergineです。驚いたのは、egg plantという表現を
>知らない友人が結構いたことです。

ナスについては mad apple という表現も、昔面白がって覚えました。
ところが、今まで mad apple を知っているかと何人かのネイティブに
聞きましたが知らないということでした。Webster 3rd. には簡単に
以下の記述があるだけです。

1 eggplant 2 thorn apple 3 dead sea apple

別に結論はないんですが、何か面白いなと思いまして。

--
Minoru Moriguchi
Personal Computer Division
SHARP Corporation


2 INET GATE 1998/06/09 11:30
題名:[lex] コービルド物語4 {3}

Date: Tue, 09 Jun 1998 11:09:00 +0900
From: 村田 年 <>
Reply-To:
To:

東海林先生

村田 年です.
野菜の名前のやりとり,バスの掲示,その他すべてがおもしろく,楽しく読
ませていただいております.黙っている方々もおそらくは楽しんでいらっし
ゃると思いますよ.だいぶ時間のロスになるかも知れませんが,どんどん書
き込んで下さい.

 Sinclair 名誉教授が way を講義されたとか,私も way には注目してい
ましたので,何度もコーパスに当たり,ついには全部フロッピディスクに取
って持ち帰りました.しかし,日本に帰ってみると忙しくて,それを何らか
の論文にすることはついにありませんでした.

 先生も3,4つは論文の最初のきっかけを書かれて帰国されるといいで
すね.

 私はヒアリングの力がなく,ブルリングで露天商が怒鳴って客寄せをして
いることばは何一つわかりませんでした.1つ,2つ聞き取って教えて下さ
いませんでしょうか.磐崎先生にも教えていただきたいですね.

 それから磐崎 弘貞先生にお願いですが,先生の重厚な月刊『言語』に載
せた文章,2つぐらいに切って,掲載していただくといいですね.皆さんな
かなか『言語』では読みませんから.J.Clear についてぜひ東海林さんも含
めて皆さんに読ませてあげて下さい.


1 INET GATE 1998/06/09 13:50
題名:[lex] 野菜の名称と実物とのギャップ {1}{1

Date: Tue, 09 Jun 1998 13:37:38 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

東海林先生:

加藤@岩手医大です.

> (例5)白菜:手元の辞書では"Chinese cabbage"となっているが(米国用法
> ?)、英国(少なくともバーミンガム)では"Chinese leaf"(単数形)として売
> られているのしか見たことがない。外見と味は「白菜」そのもの。

いつも頼まれもしないのに The Diner's Dictionary (Oxford, 1993) の宣伝を
しているようで,少し気になりますが,同書の "Chinese cabbage" の項には次
のような記述があります(原文のイタリックは大文字に変え,中国語の四声の
記号は省略しました):

CHINESE CABBAGE, or CHINESE LEAF, is a cover term applied to two
oriental
vegetables of the cabbage family that have been increasingly widely
available in Britain in the 1980s. It is most frequently used for
PE-TSAI
(transliterated in the pinyin system BAICAI, literally 'white
vegetable'),
an elongated pale green cabbage (BRASSICA PEKINENSIS) that looks rather
like a cos lettuce, and can be eaten raw in salads or cooked. It is also
known as PEKIN CABBAGE or SNOW CABBAGE. (以下略)(P. 74)


1 INET GATE 1998/06/09 17:44
題名:[lex] バスの社内掲示 {2}

Date: Tue, 9 Jun 1998 09:30:39 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガムです。

バスの社内掲示にあった「Kindly+命令文」について、もう少し考えてみたいと
思います。
掲示の表現をもう一度示します:

For a cleaner, more pleasant environment,
Kindly refrain from: -
smoking, eating & drinking
on this bus.

前回御紹介したCOBUILD on CD-ROMの説明は、Dictionaryのセクションにあった
もので、Usageのセクションには以下のようになっていました。

<COBUILD on CD-ROM, Usage>
Some people use kindly when they are asking someone to do something in
an annoyed way. This is a rather old-fashioned use.

Kindly stand back a minute, please.

"rather old-fashioned use"というのが私がこれまで見た辞書にはない記述で
す。
用例を御覧下さい、kindlyとpleaseが両方用いられています!

同じことばであっても用いられる場面によってconnotationが変わってくること
はよくありますから、掲示などのある意味で特殊の言語使用状況について、もう
少し実例を調べてみる必要があると感じました。
Bank of Englishは各種専門店が集まっている「コーパス・デパート」のような
ものですから、専門店の一つであるukephem(UK ephemera)を訪ねてみました。

either wearing an aid or thinking about one, then you may apply for a
summary of the new rules FREE OF CHARGE compliments of Hidden Hearing
Ltd together with a copy of a free booklet on hearing. Kindly indicate
on the coupon whether you are using an aid or not. <p> Please post me
FREE a copy of `Hearing Aids- Your Rights Explained" PLUS full colour
booklet for the Hard of Hearing.

Corpus: ukephem/02. Text: E0000002416.

何やら広告かパンフレットの文章のようですが、ここで用いられている
Kindly indicate on the coupon whether you are using an aid or not.
という文の中のKindlyは、私が見たバスの掲示と同じように使われているように
思われます。
例によってやや安易に結論を出そうとしてしまいますが(^_^;)、掲示・広告など
で用いられるkindlyは、literal meaningで用いられ、客に対する敬意を表すも
のと解釈していいのではないでしょうか。
一方、一般学習辞典などが主に取り上げている用例は日常会話や小説の登場人物
のせりふであり、そのような場面では「怒り」や「迷惑」を表すことが多いと考
えられるのでしょう。

御批判・御感想がありましたらお願い致します。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


4 INET GATE 1998/06/09 20:19
題名:[lex] a bit more on vegetables {1}

Date: Tue, 9 Jun 1998 12:06:43 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex" <>

東海林@バーミンガムです。

「野菜」に関して、コメントがいただけましたので、もう少し続けさせてくださ
い(^_^;)。

<ナス編>
磐崎先生:

> そうです。ナスはaubergineです。驚いたのは、egg plantという表現を知ら
> ない友人が結構いたことです。一度、Tom McCarthurにそのことを話したら、
> 彼はもちろん知ってましたが、「ウーン、バーミンガムではありそうなこと
> だ」とか言ってましたが。

OED2 on CD-ROMでaubergineとegg-plant両方を調べてみましたが、特に
egg-plantには面白い説明がありました。

A popular name for the Solanum esculentum, originally given to the
white-fruited variety, but afterwards extended to that which bears the
purple fruit or Aubergine.

歴史的に見れば、egg-plantは元来文字通り白い野菜を表していたようですね。

森口さん:

> ナスについては mad apple という表現も、昔面白がって覚えました。
> ところが、今まで mad apple を知っているかと何人かのネイティブに聞き
> ましたが知らないということでした。Webster 3rd. には簡単に以下の記述
> があるだけです。
>
> 1 eggplant 2 thorn apple 3 dead sea apple

情報ありがとうございます。
OED2 on CDで見ると、mad-appleの語源は少々複雑のようです(引用はしません
(^_^;)。
語義はごく簡単に'The fruit of the egg-plant.'となっているだけです。

<ジャガイモ編>

磐崎先生:

> あと、英和によってはjacket potatoはbaked potatoと同じ、としている英
> 和があり、これは間違いだと思っています。東海林さんのpotato観察の方は
> どうでしょう(^^;)。

素材はともかく、料理は専門外なのですが(^_^;)、気になって妻に取材してみま
した(^_^;)。
妻は私よりも滞英経験が少々長いことに加えてジャガイモ好きのため、まんざら
間違ってはいないと思います(実はホスト・ファミリーが忙しかった時に、
jacket potatoばかり食事に出されたことがあるとか(^_^;)。

'jacket potato' <主食扱い>
この料理に使うジャガイモは、大型(拳大あるいはそれよりも大きめ)のもので
ある。
丸ごと、そして皮ごと焼いて真中で切り、バターを付けて食べるのが基本。
外食の場合、店によって様々な「トッピング」を用意している場合が多い。

'baked potato' <添え物扱い>
この料理に使うジャガイモは、大きさは問わない。
皮ごと焼くことも多いが、丸ごと焼くのではなく適当な大きさに切り揃えること
が多い。
肉料理などの添え物として出されることが多いようだ。
バターではなく塩・コショウをかけて食べることが多く、肉料理のgravyを付け
て食べてもおいしいのでは(英国人がそうしているかどうかは未確認)。

余談ですが、英国人とジャガイモとは切っても切れないようで、通販のカタログ
に日本の炊飯器のような「チップス調理器」(英語名称未確認)がずらりと並ん
でいるのを見て、びっくりしたことがあります(要再調査ですね)。
私自身はジャガイモは好きですが、jacket potatoの屋台に列ができるのは信じ
られません(^_^;)。
よく考えたら、日本の石焼芋の屋台に列ができるようなものなんでしょうか
(^_^;)。
バターやトッピングを加える分、石焼芋よりも手の込んだ「料理」なのかもしれ
ませんね(^_^;)。

<白菜編>
森口さん:

> 私は1993-1995年、米国ジョージアに滞在しましたが、そのとき白菜と同じ
> ものを発見しました。英語名は、なんと Nappa. つまり日本語の「菜っ葉」
> です。
> 少なくとも私の日本語感覚では、「菜っ葉」は緑黄色野菜であり、また、辞
> 書の知識として Chinese cabbage も知っていたので非常に妙な印象を受け
> たことを覚えています。

私もいろいろと調べているうちに、Random House Unabridged Electronic
Dictionaryにnapaの見出し語を見つけました。『リーダーズ+プラス』では加え
てnappaも取り上げています。

加藤先生:

> いつも頼まれもしないのに The Diner's Dictionary (Oxford, 1993) の宣
> 伝をしているようで,少し気になりますが,同書の "Chinese cabbage" の
> 項には次のような記述があります(原文のイタリックは大文字に変え,中国
> 語の四声の記号は省略しました):
>
> CHINESE CABBAGE, or CHINESE LEAF, is a cover term applied to two
> oriental vegetables of the cabbage family that have been increasingly
> widely available in Britain in the 1980s.

貴重な情報ありがとうございます。
文献上もChinese leafの記述はあったのですね。

実は「白菜」はじめ、野菜の名称をコーパスで調べているうちに、言語データ素
材の選択と収拾の問題はなかなか難しいものだと感じました。
スーパーなどではよく見かけるものでも、corpus evidenceがごく少ないという
ことがあったからです。
辞書の記述の場合、corpus evidenceをどの程度「直接観察」によって補ってい
く必要があるのか、考えさせられます。

1つのメールにまとめようとしたところ、かなり長文になってしまいました。
どうもすみません。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


6 INET GATE 1998/06/09 22:57
題名:[lex] メビウス研究会の案内( {1}再)

Date: Tue, 09 Jun 1998 22:42:00 +0900
From: 井上 永幸 <>
Reply-To:
To:

lexicographer各位

すでにお送りしましたメビウス月例研究会の案内にミスがありましたの
で,再度お送りいたします。

=========
1998
年6月5日

メビウス月例研究会
第64回発表会

 第64回メビウス月例研究会の予定が決まりましたので,ここにご案内申
し上げます.今回は,本学のお二人の先生方にお話しいただきます。
 前半の赤野先生には,小説を通しての英文法についてお話しいただきま
す.日本語の能力が定まってから,英語を習得するためには英文法の知識
が不可欠です.でもその不可欠の文法知識が,英語の運用面でどこまで活
用できているでしょうか,というのが赤野先生からの提言です.文法のた
めの文法になっていないでしょうか.文法は使える文法でなければなりま
せん.高等学校で学んだいわゆる「学習英文法」を少し拡張すれば,英文
の鑑賞に十分活用できるわけです.このようなことから,赤野先生には日
常言語と小説言語を比較しながら「小説を読むための英文法」という角
度から英文法のいくつかの項目を再検討していただきます.

 後半の石川先生には機能文法の立場からハリディー理論における名詞
句の指示についてお話しいただきます.ハリティーは,前方照応的指示の
場合には,人称代名詞や定冠詞と先行詞との間に同一指示があるとしてい
ます.ところが,物語の初めに出てくる名詞句の場合のように,明らかに前
方照応的指示であるにもかかわらず,同一指示がない場合はよくあります.
そのような名詞句をどう説明するのか,その解決策について先生のお考え
をお話しいただきます.

日時:1998年6月13日(土) 午後1:45〜午後5:00

場所:国際交流会館4階会議室

赤野 一郎 先生(京都外国語大学)

題目:日常言語と小説言語
 −小説英文法序説−

石川 操茂 先生(京都外国語大学)

題目:Cohesive Referenceの問題点

ご質問は小野(075‐322‐6105 / )までお問い合わせ
ください。
========

22:36 (火) 06/09/98 井上永幸 <>
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--


2 INET GATE 1998/06/09 23:46
題名:[lex] コービルド物語4 {4}

Date: Tue, 9 Jun 1998 15:33:05 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガムです。

村田先生、いろいろとコメントをいただきありがとうございます。
メールを書きながらいろいろと考え、送信した後、自分の甘さに気づくこともし
ばしばですが、「辞書」のMLであるということを常に念頭に置きつつ、関連情
報をこれからも投稿させていただきたく存じます。

Prof Sinclairのセミナーでは、
1.wayのような、内容語と機能語の中間のような存在の「多義語」は、corpus
evidenceに基づいてコロケーションに注目しながら記述する必要がある。
2.しかしながら、それが平面的な語義の羅列であってはならない。COBUILD各
辞書もこの点、問題がある。
3.一定の基準を満たす「パターン」を抽出し、構造的な記述をするべきであ
る。
という趣旨に基づき、wayについての具体的提示がなされました。
コーパスの「料理法」という点で私には大変有益なセミナーでした。

>  先生も3,4つは論文の最初のきっかけを書かれて帰国されるといいです
> ね.

はい、そうありたいと思っております。

>  それから磐崎 弘貞先生にお願いですが,先生の重厚な月刊『言語』に載
> せた文章,2つぐらいに切って,掲載していただくといいですね.皆さんな
> かなか『言語』では読みませんから.J.Clear についてぜひ東海林さんも含
> めて皆さんに読ませてあげて下さい.

実は私は数年来磐崎先生と交流があり、原稿も既にメールで送っていただき、拝
読しております。
けれども村田先生がおっしゃる通り、このMLに参加されている方々にとっては
大変有益な文章であると確信致しますので、私の方からも是非お願い申し上げま
す>磐崎先生。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


3 INET GATE 1998/06/10 06:23
題名:[lex] strawberries {1}

Date: Tue, 9 Jun 1998 22:03:49 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex" <>

東海林@バーミンガムです。

このメールでは、村田先生の御要望に一部お応えし、バーミンガムのマーケット
(ブルリングの露天商)で唯一聞き取れた英語を材料としたいと思います。

(女性の大声で)A pound a box of strawberries!(繰り返し)

私は初め、何を叫んでいるのかわからなかったのですが、イチゴのパックを手に
してのことばであり、1ポンドという値札が見えたものですから、上記のように
判断したわけです。
日本語では「イチゴ1パック」と言いますが、「英語ではboxを使うのか!」と
例によって新鮮な驚きを感じて帰宅しました。

それからしばらくして、「野菜話」をこのMLに書くようになり、今までは見向
きもしなかった「写真辞書」に興味を持ち、Oxford Photo Dictionaryを購入し
ました。
もう何度も御紹介しているMarketのページを見ると、イチゴは当然パックに入れ
られて写っていますが、それに対応するのはboxではなく、

punnet of strawberries (US basket of strawberries)

となっていることにまたまたびっくり!(ちなみに、Longman Photo Dictionary
の方では容器に入っていないイチゴの写真が使われているため、この種の情報は
ありません。)
さて、Bank of Englishではどうなっているでしょうか。

basket(s) of strawberries: 0例
box(es) of strawberries:  0例
pack(s) of strawberries:  0例
punnet(s) of strawberries: 4例

という結果になりました。
私の聞き違いだったのでしょうか?
ここでCOBUILD on CD-ROMのpunnetの項を見てみます。

A punnet is a small, light, square box in which soft fruits, for example
strawberries or raspberries, are often sold.

定義語にboxが使ってあるではありませんか!
つまり、punnetはboxの一種であり、boxの「下位語」と言えるのかもしれませ
ん。
ですから、私の聞き違いという可能性は少し下がることになります。

実は'A pound a box of strawberries!'が大変耳に残ったのは、そのリズム感に
あったのです。

A pound a box of strawberries!
・ ○ ・ ○ ・ ○ ・ ○
弱 強 弱 強 弱 強 弱 強

詩に詳しくないのでよくわからないのですが、iambic tetrameterという形式に
近いものがあるのではないでしょうか。
教育的には最後の音節は「強」ではないはずなんですが、私の耳にはまさに
「強」として残っています(加えて母音がかなり「割れて」いました)。
このboxがpunnetに置き換わった途端に、リズムが大きく崩れます。
ですから、客を引き付ける強力なリズム感を保つためには、1音節語で日常語で
あるboxが最適だったのではないかと思うわけです。

最後は辞書の話から大きく外れてしまったようで失礼致しました。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


1 INET GATE 1998/06/10 09:31
題名:[lex] See {4}

Date: Wed, 10 Jun 1998 09:16:47 +0900
From: "Matumoto Yosihito" <>
Reply-To:
To: <>

佐賀の松本@MCSです。井上先生、小寺先生、馬本先生、それに佐久間さん、ご教
授ありがとうございました。私の勘違いから始まった話ですが、一応総括させていた
だきます。

元々は

I was so delighted that I then asked her if she would call the district
office and see if the central administration would make a donation.

という文の "see" が原形なのはなぜだろう、と思ったのが話の始まりでした。井上
先生からのメールで、単純に私が話法に気付いていなかったことに気付き、顔を赤く
していましたところ、小寺先生の調査で、 "saw" の用例がないことがわかりまし
た。また、 "seeing" の用例として、

We can only assume that the Chancellor (as he then was) was seeing if
there were any lessons in the food industry for the British economy

を示していただき、おもしろいデータが得られ喜んでおりました。そこへ馬本先生か
ら POD の "ascertain" という言い換えをご教示いただき、次のような結論を導くこ
とができました。

1) see if のコロケーションでは、 saw の形は使えない
(ここに気が付いていませんでした)。
2) このコロケーションには、seeing の用例が30例
 (COBUILDDirect) もある。
3) 英語での言い換えは、 try to discover (to不定詞であるところがミソです
ね)や ascertain である。

以上で、see if のコロケーションをとると、see は「動作用法」になることがわか
りました。see の動作用法に関しましては、今まで理解不足だったのですが、
おかげで糸口がつかめました。

ご教授いただきました小寺先生、馬本先生に深く感謝いたします。


1 INET GATE 1998/06/10 10:49
題名:[lex] 辞書学関連新刊図書紹介 {1}

Date: Wed, 10 Jun 1998 10:26:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

南出(大阪女子大)です。辞書学に関連のある新刊図書を2冊紹介します。

(1)早川勇(編)『日本英語辞書年表<終戦まで>』(岡崎学園国際短期
   大学・人間環境研究所、1998))定価(送料とも1000円)
   問い合わせ先:491ー0871一宮市浅野西大土105ー2 早川勇

年表はジョンソンの辞書から始まるので少々まごつくが、『諳厄利亜語林大成』
(1814)から『ポケット英和辞典』(1947)までの詳細なそして信頼
のおける日本英語辞書史である。日本の英語辞書史についてはすでにいくつか
刊行されているが、絶版になっていたり、時代が限定されていたり、専門的すぎ
たりで手頃なものがなかった。その点で本書は貴重である。
1947年までしかカバーしていないが、それ以降の辞書史は小川繁司
(1982)(1990)(いづれも『英語学論説資料集』に所収)などで補
うことができるだろう。

(2)木原研三(編)『Henry Sweet[ヘンリー・スィート]: A Handbook
of Phonetics[音声学提要]』(三省堂、1998)

スィートの The Practical Study of Languages(1899), New English
Grammar(1898)などの恩恵を受けていない人は英語学研究者はいないと思わ
れるが、A Handbook of Phonetics はきわめて入手難であった。その翻刻版
が木原先生の編集のもと4500円という破格の値段で入手可能になった。
しかも単なる翻刻でない。「翻刻原本は著者 Henry Sweet 自身の手沢本で、
1912年、英国留学中の市河三喜博士がSweetの死後、その蔵書売り立てで
入手したもの」で「余白には、おそらく Sweet から意見を求められたと覚しき
ノルウェーの言語学者 Johan Storm と Sweet 自身による夥しい書き込み・
訂正がある」という世界に一冊しかない貴重な文献の翻刻である。


18 INET GATE 1998/06/10 11:42
題名:[lex] 辞書学関連新刊図書紹介 {1}

Date: Wed, 10 Jun 1998 11:23:00 +0900
From: 南出 康世 <>
Reply-To:
To:

(2)の本の値段を間違えました。
4500円でなく4800円+税でした。
どうも失礼いたしました。

南出康世


16 INET GATE 1998/06/10 12:23
題名:[lex] EURALEXのご案内 {1}

Date: Wed, 10 Jun 1998 11:41:55 +0900
From: "SEKIYAMA, Kenji (Sekky)" <>
Reply-To:
To:

関山 健治@愛知淑徳大院生です。Linguist ListにEURALEXの基調講演の内容がpost
されていましたので転送いたします。

-------------------------------- Message 1 -------------------------------

Date: Thu, 28 May 1998 16:25:29 +0200
From:
Subject: EURALEX'98 - Keynote lectures, tutorials

EURALEX'98 - European Association for Lexicography - 8th International Congress
University of Liege (Belgium), 4-8 August 1998.
Web site: http://engdep1.philo.ulg.ac.be/euralex.htm
Information:
Book exhibition: please contact
*********************************************************************

The EURALEX'98 Programme Committee is pleased to announce the titles of t=
he
three plenary lectures which will be read in addition to the standard par=
allel
session papers, the workshop on dictionary use, the book exhibition and t=
he
computer demonstrations:

Keynote lectures:

(a) Marie-Hlne Corrard (Xerox Research Centre Europe, Grenoble, formerly
Oxford University Press): "Traduire avec un dictionnaire, traduire pour u=
n
dictionnaire"

(b) Anthony P. Cowie (University of Leeds): "A.S. Hornby: A Centenary Tri=
bute"

(c) Gregory Grefenstette (Xerox Research Centre Europe, Grenoble): "The F=
uture
of Linguistics and Lexicographers: Will there be Lexicographers in the ye=
ar
3000?"

It is still possible to register for either of the two Pre-Euralex tutori=
als
which will be organised on 4 August 1998 (see second circular for details=
and
fees):

(1) Creating a Bilingual Dictionary
Tutors: Michela Clari & Jeremy Butterfield (HarperCollins Publishers)

(2) Preparing a terminological data base
Tutor: Alain Reichling (European Commission Translation Service)

All relevant information (list of parallel session papers, 1st and 2nd
circulars, registration forms and fees, phone, fax and email addresses...=
) can
be found on the Euralex'98 congress web site:
http://engdep1.philo.ulg.ac.be/euralex.htm

For practical reasons, the Local Organizers ask people who intend to atte=
nd the
congress to register as soon as possible if they have not yet done so.

On behalf of the Programme Committee,
Thierry Fontenelle


7 INET GATE 1998/06/10 16:53
題名:[lex] strawberries {2}

Date: Wed, 10 Jun 1998 16:16:47 +0900
From: Minoru MURATA <>
Reply-To:
To:

東海林先生

村田 年です.さっそくありがとうございます.

"Hiroshi Shoji" <> さんは書きました:
> 東海林@バーミンガムです。

> 実は'A pound a box of strawberries!'が大変耳に残ったのは、そのリズム感に
> あったのです。
>
> A pound a box of strawberries!
> ・ ○ ・ ○ ・ ○ ・ ○
> 弱 強 弱 強 弱 強 弱 強

 この pound の次の a は何でしょうか.やはり of でしょうか.
a pound box of strawberries なのかも知れません.'d' が弱音の
1音節になっていて.
 向こうの人はよく鱈(たら)など買いますが,「鱈1ポンド」は
a pound of cod ですが,「パナコ」と聞こえますね.


6 INET GATE 1998/06/10 17:35
題名:[lex] strawberries {3}

Date: Wed, 10 Jun 1998 09:16:43 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガムです。

村田先生:

>> A pound a box of strawberries!
>> ・ ○ ・ ○ ・ ○ ・ ○
>> 弱 強 弱 強 弱 強 弱 強
>
> この pound の次の a は何でしょうか.やはり of でしょうか.
>a pound box of strawberries なのかも知れません.'d' が弱音の
>1音節になっていて.

私は'per'の意味に解釈しております。
「イチゴ1パックあたり1ポンドだよ!」
'pound'は重さではなく金額だと思います。
前回のメールに書きましたように、1ポンドの値札を見た記憶がありますし、群
がって買っている人達もコイン1つ渡している人が多かったようです。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


3 INET GATE 1998/06/10 18:58
題名:[lex] strawberries {2}

Date: Wed, 10 Jun 1998 18:37:00 +0900
From: kazuo kato <>
Reply-To:
To:

東海林先生:

加藤@岩手医大です.

> 実は'A pound a box of strawberries!'が大変耳に残ったのは、そのリズム感に
> あったのです。
>
> A pound a box of strawberries!
> ・ ○ ・ ○ ・ ○ ・ ○
> 弱 強 弱 強 弱 強 弱 強
>
> iambic tetrameterという形式に近いものがあるのではないでしょうか。
> 教育的には最後の音節は「強」ではないはずなんですが、私の耳にはまさに
> 「強」として残っています(加えて母音がかなり「割れて」いました)。

最初に質問ですが,「母音がかなり「割れて」い」たということは,どういう
ことなのでしょうか.こんな時音声記号を使えればいいのにと思います.

strawberries の最後の音節の件ですが,4ビートにするために臨時にそこに
アクセントを置いたものと思われます.これはそれほど珍しいことではないみ
たいで,例えば Derek Attridge, The Rhythms of English Poetry (Longman,
1982), p. 104 には次のような記述と例があります ('B'は 'beat'です):

... the common phenomenon of a normally unstressed syllable taking
the final beat of the line, or at least going some way towards giving
substance to an unrealised beat:

(46) Goosey, goosey, gander,
B B B B
Whither shall I wander?
B B B B

この 4-beat rhythm は nursery rhymes だけではなく,commercials の
jingles などにもよく用いられるようです.


2 INET GATE 1998/06/10 19:57
題名:[lex] strawberries {3}

Date: Wed, 10 Jun 1998 11:39:17 +0100
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: <>

東海林@バーミンガムです。

加藤先生:

> 最初に質問ですが,「母音がかなり「割れて」い」たということは,どうい
> うことなのでしょうか.こんな時音声記号を使えればいいのにと思います.

本当に記号が使えれば、と思います。
/i:/は英語の方言によっては、広めの母音から狭い母音へ向かう二重母音として
現れるということが、J C Wells, Accents of Englishや、P Trudgill, English
Accents & Dialectsにも記述されていたように記憶しています。
バーミンガムでは、'Excuse me'も、
「(イク)スキューズ メイ」や「(イク)スキューズ マイ」のように聞こえ
ることがあります。
(カナで書くのはどうも難しいです(^_^;)。)

Attridge, The Rhythms of English Poetryからの引用ありがとうございまし
た。
大変勉強になりました。

Hiroshi Shoji
Visiting Research Fellow
CARE, University of Birmingham
(English)
(Japanese)


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