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1999年1月 (21日〜31日)


From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] RE: [lex] {01} {01}#を押してください {01}{ {01}02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 00:14:03 +0900

Sumio Sakomura wrote:

> これで見ると、「坪量」や「連量」はやはり重さを言うのであって、というこ
> とは、どのくらい紙の繊維が詰まっているかという品質のことかなと思ったり
> するのですが、

以前、翻訳関係の講座の受講生から秤量、坪量、斤量の違いを
聞かれたことがありました。basic weightにIPCの科学技術35
万語大辞典では坪量と訳語をあて、マグローヒル科学技術用語
大辞典では斤量とあてているが、どれが正しいかという趣旨の
質問です。この答えを探すべく製紙業界各社に問い合わせたの
ですが、そのときに各社からの返答をまとめて受講生向けの回
答として作成したものをそのままアップします。

=======================
basis weightは紙の重さを表す基準となる重量で、どのくらいの
量を基準として用いるかによって日本語の呼び方は異なります。
坪量というのは、紙の1uあたりの重さ(g/u)です。1平方
メートルあたりの量なので、米坪量、メートル坪量などとも呼ば
れます。この単位は、一般的には紙質試験をするときに多く用い
られます。しかし、同じ紙でも大きさが異なれば重さも違ってき
ます。通常は同じ厚みでも大きさの異なる紙が流通していますの
で、これらを区別するために紙の重さを一連(一般紙では1000枚、
板紙では100枚)あたりの重量(連量と言います)で表します。
日常の紙取引では連量が用いられているそうです。

連量=米坪×面積(u)×1,000で計算して、○○kgといい、
<○○>と表示します。
100g/uで、大きさが4/6判(788×1091mm)の紙の連量は
0.1×0.788×1.09×1,000=0.1×0.86×1,000=86
したがって、4/6判 <86> と表示して、86キロの紙と呼んで
います。斤量というのは、昔は用紙の重量の単位に「斤」を用い
ていたことから使われていた表現で、現在はkgに統一されて連量
と呼ぶのが一般的なようです。秤量は紙の流通上の慣例とお考え
ください。(以上、情報提供協力:平和紙業株式会社および岐阜
県紙業試験場)
=======================

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子



From: Sumio Sakomura <>
Subject: [lex] RE: [lex] {01} {02}#を押してください {01}{ {01}02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 00:43:34 +0900

水野さん、

連量、坪量についての簡潔なご説明、ありがとうございました。すっきりした
感じです。

私のメッセージで、連量のことを basic weight
と書いてしまいましたが、basis weight が正しい表現でした。ごめんなさい。

------------------------
迫村純男(Sumio Sakomura)



From: Sumio Sakomura <>
Subject: [lex] RE: [lex] {01} {02}#を押してください {01}{ {01}02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 01:05:07 +0900

しかし『リーダーズ・プラス』も

pound sign の項で
 50# bond paper stock (50 ポンドのボンド紙の在庫)

と書き、

basic size の項で
 (1) ボンド紙 (bond stock) 12×22 in.

と説明をつけるのなら、「在庫」なんて訳をしないで、

 50# bond stock (50 ポンドのボンド紙)

と書いてくれればいいのに。

------------------------
迫村純男(Sumio Sakomura)



From: "浅田 幸善" <>
Subject: [lex] the end of the world {01}
Date: Thu, 21 Jan 1999 01:08:51 +0900

> ところで、作家で翻訳もしておられる村上春樹さんが、ホームページで「the
> end of the world を &ldquo;世界の果て&rdquo; と訳しているのをよく見
> かけるが、やはりBR> > これは&ldquo;世界の終わり&rdquo;と訳すべきであって、&ldquo;世界の果て
> &rdquo; はworld's endでは
> ないだろうか」といっておられました。村上さんはポール・セローの
> 「world's end」
> を翻訳しておられるので、このことを言及されたのだと思います。BR> > /P>

語学的な話ではないのですが、

"The end of the
world"という歌の邦題が確か「この世の果てまで」になっていたと思います。
それで、この歌を聞くたびに(歌詞の内容から)、「果てじゃないぞ、終わりだぞ
」と思っていました。
もっとも「この世の終わり」とか「世界の終わり」ではタイトルにはなりませんよ
ね。
(映画にも同タイトルのものがあるらしいのですが、邦題はあるのでしょうか)

もう一つthe end of the
worldで思い出すのは、PEANUTSの漫画でも時々出てくる、人を慰めるときの言い方

"This is not the end of the
world."(たしかこうでしたよね? 違っていたら教えて下さい)
たとえば、ふられたからといって世界が終わってしまうわけじゃないんだから、元
気を出して、というような使い方でしょうか。

浅田幸善 (ASADA Yukiyoshi)



From: "Y.Miyamoto" <>
Subject: [lex] the end of the world {01}と world's {01} end {01}
Date: Thu, 21 Jan 1999 01:48:24 +0900

初めまして
宮本@旅する哲学者 と申します。

the end of the world と world's end の違いについては僕も日本人の
友人知人たちから何度か質問を受けたことがあります。僕個人にとっては
非常にシンプルな問題で、ある例を挙げてお話してきました。
 まず
 スリランカに World's end という名所がありまして、それはもう見事
な断崖絶壁なのです。吹き上げてくる風を浴びながら、遥か眼下の緑の平
原を眺めていると、その空間に猛禽類がゆっくりと舞っていたりするとい
う壮観さです。
 一方、"Don't say now it's the end of the world."というフレーズを
含む歌がありますが(タイトル及び全歌詞失念)これは明らかに「この世
の終わりだなんて、ね、言わないで」という感じです。
 "Over the Rainbow"でしたっけ?

 僕は趣味で語源学をやってますが、語法についてはどちらかというとこ
うした実例からニュアンスを把握する方法が好きです。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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みやもと よしひこ


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From: "Hiro" <>
Subject: [lex] RE: [lex] the end of the world { {01}01}と world's {01} end {01}
Date: Thu, 21 Jan 1999 03:09:20 +0900

宮本@旅する哲学者 様、
ヒロ松崎@アメリカンハウスです。

> 一方、"Don't say now it's the end of the world."というフレーズを
>含む歌がありますが(タイトル及び全歌詞失念)これは明らかに「この世
>の終わりだなんて、ね、言わないで」という感じです。
> "Over the Rainbow"でしたっけ?

ご指摘の曲は Skeeter Davis が1963年に全米20位にチャートインさせた
ヒット曲 The End of the World です。日本ではBrend Leeのcover
versionが
よく知られているようです。
歌詞は

Why does the sun go on shinning?
Why does the sea rush to shore?
Don't they know it's the end of the world?
Cause you don't love me anymore.

ですから邦題は「この世の終わり」が妥当かと思うのですが
つけられた邦題は なんと「この世の果てまで」です。

Hiro Matsuzaki
American House Inc.

http://www.mine.ne.jp/wss/fm/program/sunday/sunday.htm



From: "Y.Miyamoto" <>
Subject: [lex] 英語らしき歌詞フレーズにつ {01}いて
Date: Thu, 21 Jan 1999 05:47:05 +0900


ヒロ松崎@アメリカンハウス様
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

宮本@旅する哲学者です。
 早速のご教示ありがとうございます。長年のもやもや(~-~;;が晴れた
思いです。そうですか、歌詞もちょっと聞き取り間違えしてたみたいで
すね。確かDJなどはよくブレンダ・リーとか紹介していた歌手の独特
の声も思い出しました。これもBrend Leeだったのですね。
なにしろ中学生の頃聞いたきりだったので、記憶も曖昧でした。

 で、ヒロ松崎様がご指摘の通り、この歌は明らかに
 「この世の終わり」であって、この世の果てまでどうこうという恐ろ
しい(笑)執念の歌ではありませんね。
 
> Why does the sun go on shinning?

の部分でふと思い出したのですが、日本のポップスではよく英語らし
きフレーズを挟み込んでいて、あれはあれでまた英語とは別物と割り
きって聞いてはいるのですが、昨夜 藤圭子さんの娘さんの曲が流れ
てまして、定冠詞を抜かしたsun から始まるフレーズがなぜか気になっ
てしまって、本人が修正するとか出来ないのかなとよそ事ながら考えこ
みました。(ご本人は米国育ちなのだから違和感があるでしょうね、た
ぶん。)
Fall in love にしても Fallin' in love の方がふさわしいケースがあ
り、これなどもメロディーラインとの整合性をそこなわずに歌い方だけ
で解決する問題だと思うのですが。

昨年暮れのNHKラジオの確か英会話の金曜日の放送で
"Can you celebrate?" が話題になっていて「いったい何をcelebrateす
るっていうんでしょう? 売り上げでしょうかね?」と笑われてました
が、パロディー曲ならともかく、笑われてしまっては困る曲ですよね。

使い捨ての娯楽として無視しておこうという姿勢でも別に構いはしない
かとも思いますが、せっかく波及力のあるメディアなのだから、ヒロさ
ん、ここはひとつ日本音楽著作権協会とかどこか適当な所にはたらきか
けて、歌詞の外国語部分のプルーフ事業をしてみませんか。
 このMLのメンバーの方々ならよくわきまえていらっしゃることでし
ょうけれど、ごく短い文章でも応用の利く例文となるものは数多くある
わけですから、それがもとになって日本人の外国語センスが少しでも向
上するきっかけになればいいですよね。
 実はこれは以前関係していたFM局の人たちやプロダクションの人た
ちにも話してみたことがあるんですが、個人的には大いに賛同してくれ
たものの、現場レベルではどうにもならない問題なんですね。
 だから、まずマスメディアで問題提起することにしましょうか。

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みやもと よしひこ


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From: Hironobu Matsuoka <>
Subject: [lex] the end of the world {02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 11:53:20 +0900

こんにちは。松岡博信@安田女子大学.広島です。

"The End of the World" はフジテレビのドラマ「この世の果て」のモチーフとなった曲で、

ブレンダ・リーが歌って、かって日本でも人気があった曲で、私も大好きですが、

元々は、Skeeter Davis (カントリーとポップスの両方で活躍した女性シンガー)という人が

1963年に全米でミリオンヒットさせた曲の題名です。(http://www.tohgoku.or.jp/~f
ujisawa/luu/top40.htm 参照)

この中に

 Don't they know it's the end of the world
 It ended when you said good bye

というフレーズがあります。私は

 the end of the world

というのは、主には

 the world ends

という意味関係を有している名詞句だと解釈しています。

この観点に立てば、やはり「この世の終末」かな。

そして「世界の果て」という地理的なニュアンスを含む場合は、どちらかと言えば、

 the world's end

の方を用いるのではないでしょうか。

----
Hironobu Matsuoka



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] the end of the world {02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 12:02:23 +0900

浅田 幸善 wrote:

> もう一つthe end of the
> worldで思い出すのは、PEANUTSの漫画でも時々出てくる、人を慰めるときの言い方
> 、
> "This is not the end of the
> world."(たしゥこうでしたよね? 違っていたら教えて下さい)
> たとえば、ふられたからといって世界が終わってしまうわけじゃないんだから、元
> 気を出して、というような使い方でしょうか。

浅田先生:

加藤@岩手医大です.「今は昔」,1966年に出た "A Boy Named Charlie
Brown" のサウンドとトラックの歌を集めた CBS-SONY の LP レコードをよく聞
いていて,"the end of the world”というせりふが記憶の隅っこにあったよう
な気がしたので,調べてみました.Charlie Brown が Spelling Bee の全国大
会に出て,見事に失敗してがっかりして帰宅し,落胆のあまり自分の部屋に閉
じこもってしまいます.すると,Linus がやって来て,慰めます:

LINUS: Well, I can understand how you feel. You worked hard studying
for the spelling bee and I suppose you feel you let everyone
down and you made a fool of yourself and everything....
... But did you notice something, Charlie Brown?

CHARLIE: What's that?

LINUS: The world didn't come to an end.

the end of the world をそのまま使った漫画もあるかもしれませんが,とりあ
えず報告まで.

このレコードのジャケットの transcript とその訳には興味深いところがあり
ます.transcript の誤記と,その誤記をレコードを聞かないで訳した個所で
す.
レコードの最初でチャーリーたちが,雲を見ながら大人顔負けの知的な会話を
するところがあります.その一節:

PIGPEN: How about this whole conversation situation?
こいう事をどう考えてる?

レコードでは conversation ではなく, conservation(自然保護)と言って
います.

脱線してしまいました.



From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] homemaker {02}
Date: Thu, 21 Jan 1999 14:32:17 +0900

水野です。

> このメーリングリストでも御紹介したOxford America Wordpower (1998) は、こ
> の語の定義に関して「かなりいい線」をいっているのではないかと思います。

Oxford America WordpowerのISBNが分かったら教えて頂けませんか?
高額なものでなければ是非購入したいと思っているのですが、丸善や
紀ノ国屋はもとより、Amazon.comでも見つけることができませんでした。

宜しくお願い致します。

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] homemaker {03}
Date: Thu, 21 Jan 1999 15:09:35 +0900

Asako Mizuno wrote:
>
> 水野です。

> Oxford America WordpowerのISBNが分かったら教えて頂けませんか?
> 高額なものでなければ是非購入したいと思っているのですが、丸善や
> 紀ノ国屋はもとより、Amazon.comでも見つけることができませんでした。
>
> 宜しくお願い致します。
>
加藤@岩手医大です.下記をご覧ください:

Subject: [lex] Oxford American Wordpower {01}
Date: Sat, 9 Jan 1999 23:44:52 -0000
From: "Hiroshi Shoji" <>
Reply-To:
To: "lex List Member" <>

東海林@バーミンガムです。

年末のロンドンで、1998年出版の学習辞典を2冊見つけました。
もっと早く御紹介するつもりだったのですが、コーパスと辞書を巡る議論があっ
たため、年が明けてしまいました。
今回と次回と2通のメールに分けて御紹介させていただきます。

今回御紹介する辞書:

Oxford American Wordpower Dictionary (1998)
edited by Ruth Urbom, Oxford University Press
ISBN 0-19-431319-0 (pb)

ロンドンFoyle'sにて、7ポンドで購入。(安いのでびっくり!店員も一瞬値段
を疑っていました。)

基本的には、次の辞書のアメリカ英語版と考えられます。

Oxford Wordpower Dictionary (1993)
edited by Sally Wehmeier, Oxford University Press
ISBN 0-19-431138-4 (pb)



From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] homemaker {04}
Date: Thu, 21 Jan 1999 15:17:05 +0900

加藤様

さっそくのレス、ありがとうございました。
年末年始にたまった膨大なメールを処理しきれておらず、
フォローできていませんでした。

書店に問い合わせてみたところ、在庫はありませんでした。
(当然かもしれませんが・・・)丸善にでも頼んで取り寄せて
もらうことにします。

取り急ぎ御礼まで。

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子



From: "Hiroshi Shoji" <>
Subject: [lex] homemaker {03}
Date: Thu, 21 Jan 1999 06:35:39 -0000

東海林@バーミンガムです。

水野様:

> Oxford America WordpowerのISBNが分かったら教えて頂けませんか?
> 高額なものでなければ是非購入したいと思っているのですが、丸善や紀ノ国
> 屋はもとより、Amazon.comでも見つけることができませんでした。

申し訳ありません、Oxford 'American' Wordpowerと書くべきところ、間違えて
しまいました。この辞書を御紹介したメール(日本時間では1月10日に配信さ
れていると思います)で、私は次のように書きました:

> Oxford American Wordpower Dictionary (1998)
> edited by Ruth Urbom, Oxford University Press
> ISBN 0-19-431319-0 (pb)
>
> ロンドンFoyle'sにて、7ポンドで購入。(安いのでびっくり!店員も一瞬
> 値段を疑っていました。)

書店名は正確には'Foyles'(apostropheなし)でしたが、購入価格はこの通りで
したから、日本円に直すと1400円程度でした。しかしこれは書店側の値段の
書き間違えということも考えられます(^_^;)。

さて、以下は提案というよりも「こうなったらいいのに」という願望程度のもの
ですが、メーリングリスト参加者の皆様に聞いていただけたらと思います。

このメーリングリストでは日夜様々な辞書について話題になっています。少しで
も辞書に興味があれば誰でも知っているものから、専門的で一部の人しか知らな
いものや、出版されたばかりのものまで、非常に多岐にわたります。

過去に話題になった辞書については、井上先生や松本先生が編集して下さってい
る「過去ログ」のサイトを検索すれば見つかることが多いのですが、投稿者の書
き方のスタイルが一定でないことが多いため、一部の情報が抜けていることもあ
ります(私自身も過去に抜かして投稿してしまったことが何度かあります)。

そこで、特に新刊辞書、ほとんど話題にならない特殊辞書を紹介する場合の「一
応のガイドライン」のようなものを定めたらどうだろうか、というのが第一の願
望です。(「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」「ISBN」あたりでしょ
うか?)

ここは多数の辞書愛好家が出入りするメーリングリストですから、開設以来話題
になった辞書は膨大な数にわたると思います。次の願望は、過去話題になった辞
書の可能な限り全てをデータベース化できないかなということです。井上・松本
両先生の御努力による過去ログを第一資料として、一定のフォーマットにした
がったデータベースが作成され、それをWeb上に公開できれば、参加者ばかりで
なく辞書に興味を持つ者にとって大変有益な資料になるのではないでしょうか。
Web上への公開を前提として考えた場合、HTML形式がいいでしょうね。

以上、あくまでも願望ですが、御賛同・御理解が得られれば、私自身がデータ
ベース作成作業に着手してもいいと思っております。

Hiroshi Shoji
<University of Birmingham, UK>
<Shion Junior College, Japan>



From: Minoru MURATA <>
Subject: [lex] はじめまして {03}
Date: Thu, 21 Jan 1999 15:36:33 +0900

加藤先生

村田 年(千葉大)です.
ありがとうございました.



From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] homemaker {04}
Date: Thu, 21 Jan 1999 16:02:16 +0900

東海林 様

> 以上、あくまでも願望ですが、御賛同・御理解が得られれば、私自身がデータ
> ベース作成作業に着手してもいいと思っております。

ゼロから起こすのも1つですが、私たち夫婦が談話室として
使っているシステムをご活用頂けば、スレッドを維持したり、
キーワード検索をしたりできるバックナンバーデータベースを
作成できます。

特定の発言の一括表示や、スレッドだけを抜き出した一括
表示なども自由自在、文字色など色まわり設定なども任意です。

Have a Good Time!
http://port.monjunet.ne.jp/

ここで「談話室を作る」で一部屋作成して頂けば、あとはコピー&
ペーストで入力していくだけです。URLなどのリンクもアンカー
タグを使わずに普通に http://... と書いて頂ければリンクに
なります。以前、このシステムの前身になったプログラムを使って
メールマガジンのバックナンバーを管理していたことがあるの
ですが、HTMLでファイルを作成してアップするより格段に楽で
利用者にとっても便宜が図れます。

辞書学メーリングリストのホームページから談話室にダイレクト
リンクをはれば、MLのページから出入りできるように構成する
ことも可能です。

もちろん、最初からデータベースを作ることを前提としてページを
起こすなど他の方法もあるとは思いますが、選択肢の1つとして
情報提供まで。

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子



From: "浅田 幸善" <>
Subject: [lex] the end of the world {03}
Date: Thu, 21 Jan 1999 20:04:24 +0900

加藤先生:

Peanutsに関するご報告ありがとうございました。

とにかく、「世界の終わり」という部分だけが記憶に残っていました。

手元にPeanutsの本がなかったので、うろ覚えで書いてしまいました。
.... come to an end以外のvariation(s)があるかどうか、今度段ボールに入れたま1
0年以上放っている本を取りだして調べてみることにします。

浅田幸善 (ASADA Yukiyoshi)



From: 赤野 一郎 <>
Subject: [lex] {01}メビウスからのお知らせ
Date: Fri, 22 Jan 1999 08:42:31 +0900

各位

Forwarded by 赤野 一郎 <>

出欠のご返事を出していただかなくても結構です.身近な方にお知らせいただけ
れば幸甚に存じます.

---------------- Original message follows ----------------
From: "Takahiro ONO" <>
To: <>
Date: Fri, 22 Jan 1999 01:00:21 +0900
Subject: メビウスからのお知らせ
--

第68回メビウス研究会の予定が決まりましたのでお知らせいたします。ご来
場をお待ち申しております。

メビウス月例研究会
第68回発表会
http://www.kufs.ac.jp/English/mebius/mebius.htm

シンポジウム:冠詞をめぐって
倉田 誠・藤枝善之・立石浩一・小野隆啓

日時:1999年1月30日(土) 13:30〜17:00
場所:京都外国語大学国際交流会館4階会議室

 今回は、冠詞をテーマにシンポジウムを組み、それぞれの講師がそれぞれの
専門の立場から、いろいろな考え方などを紹介し、なかなか一筋縄ではいかな
い冠詞という問題に迫ってみたいと思います。冠詞に興味のある方は是非ご参
加下さい。なお、是非、学習辞典をご持参下さい。いろいろな問題点を指摘し
たいと思います。

倉田 誠「ゼロ冠詞と不定冠詞の一基準」
Tenny (1987, 1989)やJackendoff (1991)などが提唱している出来事を測る
(measure out)という概念を利用して、ゼロ冠詞と不定冠詞を中心に考えてみ
たいと思います。簡単な例を上げると、(1) I like chocolate. (2) I bought
a car. (1)のような現象がゼロ冠詞です。ではなぜ、(1)の名詞には不定冠詞
がつかず、(2)の名詞にはつくのでしょうか?このような現象の考察から、話
しをpolitenessのような抽象名詞の複数化にも展開できればと考えています。

藤枝善之「集合冠詞論」
定冠詞、不定冠詞、無冠詞はどのようなコンセプトに支配されているのでしょう
か。例えば、「特定・不特定の違いを表す」、「新情報、旧情報の違いを表す」
などという説が有名ですが、これらの説に当てはまらない例が数多く存在するこ
とも確かです。では、例外なく説明できる理論はないのでしょうか?集合概念を
手がかりに、冠詞の背後に潜む基本コンセプトに迫ってみたいと思います。

立石浩一「冠詞を始めとする機能語の語順と弱形音」
いわゆる機能語(function words)と呼ばれる物の代表格である冠詞を主題材に
とり、統語分析においてそれがどのように扱われているのかを概観します。そ
の上で、機能語の語順に関する英語の特徴を、いわゆる縮約・弱形とよばれる
タイプの音韻現象とのかかわりでとらえてみたいと思います。

小野隆啓「冠詞と統語現象」
冠詞の有無や、種類により統語規則が制約を受けたりすることがあります。最
もよく知られているのが、there構文でしょう。この構文では一般的に定冠詞
がついた名詞句は用いられません。(*There was the book on the desk.)この
ほかにもwh疑問文や、動詞句削除、数量詞解釈など多くの統語現象に、冠詞は
影響を与えます。このような冠詞と統語現象の相関関係を概観したいと思いま
す。

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
小野隆啓(Takahiro ONO)
()
http://www.kufs.ac.jp/English/faculty/ono/hp-ono.htm 
      京都外国語大学
Kyoto University of Foreign Studies
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] flappy {01}
Date: Sat, 23 Jan 1999 11:17:07 +0900

加藤@岩手医大です:

昨夕たまたま衛星放送で大相撲の英語中継を視聴していて,ゲストが今場所の
貴闘力の相撲について "too flappy" と言っていたように思いました.この表
現は,私には,貴闘力の「勝とう,勝とう」という気持ちが先回りして,結果
として「ばたばたした」相撲になっている(そのために負け越し寸前だ)とい
う意味のように受け取れたのですが,問題はこの用法の一般性です.例によっ
て BNC その他心当たりを少し探しましたが,類例には出遭いませんでした.

Webster's Third International Dictionary (W3) は この単語に次のような
語義を与えています:

FLAPPY 1: SLACK, FLABBY <f- skin>
2: flapping or likely to flap <long f- hound ears> <loose f-
trousers>

私が探した例の中には flappy lips や flappy lips/flappy boxers のような
例もありました.そこで,W3 の "-y" の項を見てみますと,

dirty/leggy/muddy/clayey/gluey/watery/lacy/waxy/homey/wintry/
folksy/winy などのほか schoolteachery/Hoollywoody/stagy/Frenchy/
horsy/outdoorsy

のような名詞に -(e)y という接尾辞がついたもの,purply/suedy/woodeny
(私は yellowy/bluey なども見たことがあります)のような,形容詞にこの語
尾がついたもののほかに,動詞についた例として clingy/sleepy/chatty/criey
のような例を挙げています.上の W3 の 2 がそれにあたると思うのですが,
昨日衛星放送で耳にした flappy もこの延長線上にあると思います.しかし,
このゲストの用法は比喩的―metaphor―です.
こういう用法がどの程度一般的なのか知りたいと思っています.コメントや
類例をいただければ幸いです.



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] RealAudio {01}
Date: Sat, 23 Jan 1999 11:31:31 +0900

加藤@岩手医大です:

最近まで衛星放送だけではなく,ネット上でも The NewsHour with Jim Lehrer
を見ていたのですが,数日前から音声を聞こうとすると, RealAudio のソフト
が upgrade されたので,新しいソフトをダウンロードするようにというメッセ
ージが出てきます.ダウンロードしようとすると,30日間かの試用期間はある
みたいなのですが,結局は30ドルぐらい払わなければならないようです.
私は臆病で,まだ cybershopping をしたことがないのですが,このソフトは
無料で入手できないのでしょうか.また,有料だとしても cybershopping 以外
の方法で入手できないのでしょうか.大変初歩的で,しかも,あまり辞書に関
係のない質問で恐縮です.



From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] 日本語全文検索 {01}
Date: Sun, 24 Jan 1999 07:23:41 +0900

水野です。

かなり前に、佐藤先生が漢字のAND検索に関する情報を探して
いらっしゃるというレス無し未解決スレッドに手を出したことが
ありましたが、手を加えることを前提に提供されている日本語
全文検索ツールが出ていることが分かりました。

http://ring.aist.go.jp/openlab/namazu/index-j.html

佐藤先生の問題を解決するには電子辞書の規格を理解する必要が
あったのは承知しております。上記のシステムが少しは役立つのか
全く役立たないのかは分かりませんが、Windowsパソコンに保存
されたファイルに対して全文検索したり、WWWの全文検索を
作ったりできるようなので、一応アップしておきます。

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子



From: Sumio Sakomura <>
Subject: [lex] RealAudio {02}
Date: Sun, 24 Jan 1999 13:54:11 +0900

加藤先生、

> 私は臆病で,まだ cybershopping をしたことがないのですが,
> このソフトは無料で入手できないのでしょうか.また,有料だと
> しても cybershopping 以外の方法で入手できないのでしょうか.

小生は50回くらいカード決済をしていますが(最近は、アップル社のクイッ
クタイム・プロで、やはり30ドルでした)、幸いなことに、トラブルの経験
はありません。どうしてもほしい音楽CDとかをオーバーナイト便で注文した
りすると、翌日届くのはいいのですが、本体より送料のほうが高かったりして、
何やってんだかという感じです。

直接のお答えにならなくてすみません。

------------------------
迫村純男(Sumio Sakomura)



From: WATANABE Keiichi <>
Subject: [lex] RealAudio {03}
Date: Sun, 24 Jan 1999 15:31:31 +0900

渡辺佳一と申します。日頃romを決め込んでいますが、ちょっとひとことだけ。

Sumio Sakomura さんは書きました:
>加藤先生、
>
>> 私は臆病で,まだ cybershopping をしたことがないのですが,
>> このソフトは無料で入手できないのでしょうか.また,有料だと
>> しても cybershopping 以外の方法で入手できないのでしょうか.
RealAudio Playerには有料のものの他、basic versionという無料のものも
あるようですが(ダウンロードサイトでは並んでいる)、こちらでは
ダメなのでしょうか(トップページから直接だと有料のものしかダウンロード
できないようです。なかなか商売上手ですね、このサイト)。
http://www.real.com/products/player/

>小生は50回くらいカード決済をしていますが(最近は、アップル社のクイッ
>クタイム・プロで、やはり30ドルでした)、幸いなことに、トラブルの経験
>はありません。
私はいつも怖いのでカード番号はファクシミリを使っていました。そろそろ、信頼
できそうなサイトなら試してもいいのかな。

では。

--
WATANABE Keiichi



From: Hironobu Matsuoka <>
Subject: [lex] RealAudio {02}
Date: Sun, 24 Jan 1999 22:34:09 +0900

こんにちは。松岡博信@安田女子大学.広島です。

出始めの頃は RealAudio と言っていたのですが、

現在は RealPlayer が標準です。これは RealVideo と RealAudio

の両方を再生してくれます。

RealPlayer そのものは無料です。これに付加機能が付いた RealPlayer Plus

の方は有料です。

現実的には RealPlayer で十分です。現在の最新ヴァージョンは

RealPlayer G2 のファイナル・ヴァージョンです。

http://www.real.com/products/player/index.html?src=dlbutton_all

でダウンロードできます。マックはRealPlayer Ver.5 までしか出ていませんが、それ
で十分です。

なお、昔 RealEncoder と呼んでいた録音・録画ルーツは現在は RealProducer といい
ます。

こちらも Plus だけが有料です。

http://proforma.real.com/mario/tools/producer.html?wp=798tools

にあります。マックは RealEncoder の Ver.5.1 までしか出ていません。

----
Hironobu Matsuoka
URL: http://ace.yasuda-u.ac.jp/~hmatuoka
Office: 082-878-9833(direct dialing)
Fax: 082-872-2896



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] RealAudio {03}
Date: Mon, 25 Jan 1999 09:07:00 +0900

迫村・渡辺・松岡様:

加藤@岩手医大です.
RealAudio に関する情報どうもありがとうございました.


From: 正保 富三 <>
Subject: [lex] the end of the world {01}
Date: Mon, 25 Jan 1999 10:51:19 +0900

正保@龍谷大学です。

 the end of the world は COBUILD に次のように載っています。

If you say that something bad is not the end of the world, you are trying to
stop youself or someone else being so upset by it, by suggesting that it is
not the worst thing that could happen. (例) Obviously I'd be disappointed
if we don't make it, but it wouldn't be the end of the world.

私がロンドンで入っていた合唱団で本番で蝶ネクタイがないことに気づいた
ら、そばにいる人が何とかしてくれて、It's not the end of the world. と言って
くれたので、なるほどこういうのか、と感心した思い出があります。

 浅田さんの引用しておられる PEANUTS の漫画にでてくるという言い方も
これと同じでしょうね。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
正保 富三 ()
TEL & FAX (0748-77-2983)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



From: Isahara Hitoshi <>
Subject: [lex] American National Corpus {01}
Date: Mon, 25 Jan 1999 13:23:35 +0900

郵政省通信総合研究所の井佐原と申します。

このメイリングリストには、英語コーパスに興味をお持ちの出版社・研究者の方
が多いかと思い、メイルさせて頂きます。

現在アメリカではフィルモアやニューヨーク大学でCOMLEXという電子化辞
書を作成している Catherine Macleod が中心になって、BNCと同様にANC
を作ろうという動きがあります。

これに関して、以下のようなメイルを貰いました。日本の現状では、このような
計画への出資は難しいのではないかと思われますが、何かご意見・ご質問・アド
バイスがございましたら、井佐原までお知らせ下さい。

よろしくお願い致します。

郵政省通信総合研究所
井佐原均

-----------------------------------------------------------------------
Date: Mon, 11 Jan 1999 17:40:56 -0500 (EST)
From: Catherine Macleod <>
Message-Id: <>
To:
Cc:
Subject: American National Corpus

Dear Isahara-san,

As I may have told you, I am involved in an initiative to get together
an American National Corpus on the lines of the British National Corpus
and we are hoping to have a meeting, the day prior to the DSNA meeting
in Berkeley, the end of May. Our meeting would be May 26, if we can get
the funding for it.

We trying to get the publishers of dictionaries to put up at least half
of the money and we were wondering if some Japanese dictionary
publishers would be interested in this project. Can you suggest any
publishers of hard copy dictionaries and if possible some contact to
whom, I could write?

Thanks,

Catherine
-----------------------------------------------------------------------



From: (SATO Hiroaki)
Subject: [lex] 日本語全文検索 {02}
Date: Mon, 25 Jan 1999 15:04:13 +0900

At 7:23 AM 99.1.24 +0900, Asako Mizuno wrote:
>水野です。
>
>かなり前に、佐藤先生が漢字のAND検索に関する情報を探して
>いらっしゃるというレス無し未解決スレッドに手を出したことが
>ありましたが、手を加えることを前提に提供されている日本語
>全文検索ツールが出ていることが分かりました。
>
>http://ring.aist.go.jp/openlab/namazu/index-j.html

epwing形式の「ジーニアス英和・和英辞典」や「リーダーズ+プラス」であれば、電
子辞書のデータをテキストファイルに変換するツールで、辞書の全データをテキスト
ファイルに変換します。そうすれば、このNamazuで日本語の検索ができると思います。
辞書会社とのライセンス契約をきちんとすれば、電子辞書をサーバーにインストール
して100台のクライアントがNamazuによる全文辞書引きを行うことも可能でしょう。

epwingでない電子辞書だと、辞書会社が用意した検索ソフトしか使えないので、特別
な研究をやろうとした場合に、限界があります。100台のコンピュータで電子辞書を
使おうとした場合に、100台すべてに検索プログラムをインストールしなければなら
ないので、保守・管理が大変です。また、epwingでない電子辞書だと、Macや最近は
やりのlinux用の検索ソフトがないので、使うことすらできません。epwingでない電
子辞書でも、せめて内部の仕様を公開してくれれば、その仕様に合わせた検索プログ
ラムが作れますが、「全部秘密」ではなにもできません。

___________________
(SATO Hiroaki)
http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/
〒214-8580 専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明 専修大学・商学部・助教授(英語)



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] 引用句辞典と Mencken {01}
Date: Mon, 25 Jan 1999 18:04:21 +0900

加藤@岩手医大です.

1月22日の NHK 衛星放送の "ABC Nightline" は上院の大統領弾劾裁判特集で
した.その中である議員が次のようなことを言っていました:

As Mencken said, "This is not about money, it's about money," this
is not about sex, it's about sex.(録画はしなかったので,うろ覚えで
す.)

次の引用句辞典を調べてみたのですが,どれにもありません.これは本当に
H.L. Mencken のことばなのでしょうか.それとも私の聞き違いだったのでし
ょうか.下の(2)には Mencken の引用が70以上あって,それをしらみつぶ
しにあたってみたのですが,空振りに終わったのでがっかりしました.

(1) (Bartlett's) Familiar Quotations, 15th and 125th Annniversary
Edition (Macmillan, 1980). ISBN 0-333-30917-0

(2) The International Thesaurus of Quotations (Thomas Y. Crowell, 1970)
ISBN 0-690-44584-9

(3) The Oxford Dictionary of Quotations, 3rd Edition (Oxford University
Press, 1979). ISBN 0-19-211560-X

(4) The Oxford Dictionary of Humorous Quotations (Oxford University
Press, 1995). ISBN 0-19-214244-5



From: "Matumoto Yosihito" <>
Subject: [lex] RE: [lex] センター入試 {02} {01}
Date: Tue, 26 Jan 1999 09:25:42 +0900

佐賀の松本です。

佐藤先生
>高校生にこのような口語英語を教える場合に、「入試に出るから暗記しろ」とう
>レベルの指導ではかわいそうです。関連する表現とともに、体系的に分かりや
>すく教えてあげる必要があります。そのためには適切な教科書・参考書が必要
>です。教師用の参考書としては、藤井健三『アメリカの口語英語』(研究社)が良
>いと思いますが、絶版です。

良い参考書があったのですね。絶版というのが残念です。
もし譲っても良い、という方がいらっしゃいましたら、ご一報いただければ幸いで
す。
mailto:

>口語英語は大切だと思いますが、良い参考書・資料が不足しており、教育現場での

>導方法が確立していない状況で、今回のセンター入試のような英語問題が出題され

>しまうと、高校の英語教育は大混乱するのではないかと心配です。

今年の問題は生徒達にとってかなり難しかったようです。平均点もまだ最終的ではあ
りませんが、17点ほど去年を下回るようです。難しいと言ってもいろいろ種類があ
ると思いますが、現在の高校における教科指導と少しずれがあった点が、難しさに結
びついているような気がしました。



From: "Matumoto Yosihito" <>
Subject: [lex] the end of the world {02}
Date: Tue, 26 Jan 1999 10:00:58 +0900

おはようございます。佐賀の松本です。

正保先生。
> the end of the world は COBUILD に次のように載っています。
>
>If you say that something bad is not the end of the world, you are trying
to
>stop youself or someone else being so upset by it, by suggesting that it is
>not the worst thing that could happen. (例) Obviously I'd be
disappointed
>if we don't make it, but it wouldn't be the end of the world.
>
> 私がロンドンで入っていた合唱団で本番で蝶ネクタイがないことに気づいた
>ら、そばにいる人が何とかしてくれて、It's not the end of the world. と言っ

>くれたので、なるほどこういうのか、と感心した思い出があります。

イギリスの歌手、David Bowie のアルバム、LET'S DANCE の RICOCHET という曲に、
RICOCHET IT'S NOT THE END OF THE WORLD
という部分があります。The end of the world は、否定の言葉と共に用いるのが普
通のようですね。

もう20年ほど前ですが、予備校にいた頃、松山という先生がカーペンターズ(のカ
レンさん)の大ファンで、授業の終わりには必ずカーペンターズ版の「この世の果
て」をテープで流されていたのを思い出しました。そのときに「この世の果て」とい
う題はおかしい、「この世の終わり」転じて、「絶望」とかいう意味なんだよ、と
おっしゃっていたのを覚えています。



From: 羽鳥 浩太郎 <>
Subject: [lex] 語の発生年代を調べる {01}
Date: Tue, 26 Jan 1999 13:16:30 +0900

羽鳥と申します。
はじめまして。このたび初めて投稿させていただきます。

さて、突然の登場で恐縮ですが、どうぞみなさまのお知恵を拝借したいのです。

知り合いの在日アメリカ人が私にいいました。
英語の辞書では、ある単語を調べたとき、その語の登場の大まかな発生時期が記述されて
いる辞書は少なくないのですが、日本語の辞書でそのようなものの手ごろなものはないの
か、と。

みなさまなら、どなたかが恰好なものをご紹介してくださるかと思い、助けを求めてみた
いと思います。
具体的には、「ベジタリアン」および「菜食主義者」という言葉が、日本で使用され始め
たのがいつ頃のことであるかということと、また身近にそのようなことを手軽に調べるこ
とのできる事典は入手可能なのかということでした。

非礼を承知ですが、何とぞよろしくお願い申し上げます。

羽鳥浩太郎



From: yasuko Okabe <>
Subject: [lex] 語の初出年代を調べる {01}
Date: Tue, 26 Jan 1999 16:42:26 +0900

奈良女子大学の岡部(国語学)でございます。

[kotoba]MLでも同文の質問を見かけましたが、こちらで一括して
お返事いたしますね。
(あちらの皆さんには、このポストが過去ログとしてupされた段階
 で、そのURLを知らせて差し上げて下さいまし>羽島様)

Tue, 26 Jan 1999 13:16:30 +0900 羽鳥 浩太郎 様wrote:
> 知り合いの在日アメリカ人が私にいいました。
> 英語の辞書では、ある単語を調べたとき、その語の登場の大まかな発生時期が記述されて
> いる辞書は少なくないのですが、日本語の辞書でそのようなものの手ごろなものはないの
> か、と。

出来るだけ用例を示す態度の『日本国語大辞典』(小学館、略して
「日国」とも)は、得られた限りの用例からなるべく初出のものを示
すようにしているようですが、これとて十分なものではありません。
ことに、羽島様ご所望の「ベジタリアン」のような外来語は弱いで
すね。(今確認したら、この語は見出しとしても立項されていない
ようで、少々驚きました。)
このあたりの事情(日国の改訂や、日本語コーパス構築にまつわる情
報など)は、以前こちらで行われた「牛津 (オックスフォード)」の
初出をめぐってのやりとりをご参照下さい。
項目別にログをまとめたページのここ↓にございます。
http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log2/1998/free/hongkong.htm

> 具体的には、「ベジタリアン」および「菜食主義者」という言葉が、日本で使用され始め
> たのがいつ頃のことであるかということと、また身近にそのようなことを手軽に調べるこ
> とのできる事典は入手可能なのかということでした。

日国の挙げる「菜食主義」の例は芥川(大正期)あたりが早いようで
すが、「菜食」「菜食家」などの例は明治からあり、肉食のアンチ
テーゼとしての信条を言う vegetarianism,vegetarianの訳語として
の「菜食××」は、近代初頭から存在したと予想されます。

なお、人名地名など固有名詞を含む外来語の語形(表記)は、近代に
おいては相当な揺れがあり、例えば電算化されたコーパスなどから
機械的に検索しようとするときには、十分な注意が必要です。
「ベジタリアン」の語に即して申せば、例えば宮沢賢治の「ビジテ
リアン大祭」には、表題通りこの語は「ビジテリアン」の語形で出
て参ります。

例:
> 私たちビジテリアンというのは、ご存知の方も多いでしょうが、
> 実は動物質のものを食べないという考のものの団結でありまして、
> 日本では菜食主義者と訳しますが主義者というよりは、も少し意
> 味の強いことが多いのであります。菜食信者と訳したら、或は少
> し強すぎるかも知れませんが、主義者というよりは、よく実際に
> 適っていると思います。     (新潮文庫の100冊より)

> ビジテリアンの主張は全然誤謬である。今この陰気な非学術的思
> 想を動物心理学的に批判して見よう。
>  ビジテリアンたちは動物が可哀そうだから食べないという。動
> 物が可哀そうだということがどうしてわかるか。ただこっちが可
> 哀そうだと思うだけである。全体豚などが死というような高等な
> 観念を持っているものではない。 ( 同 )

以上、参考になりましたら幸いです。

〜〜以下ついでながら〜〜〜

(1)日国改訂作業は、現在三校の戻しを始めた段階だそうです。
             (編集部からの今年の年賀状より)

(2)先ほど項目別ログを確認しに行って気が付いたのですが、「牛津」
のわたくしのポストの採録の

> 齊以碩儒推馬氏。久將好學冠牛津。

の部分、プロポーショナルフォントで表示した場合には肝心の下線
部がずれて見えるようですね。メールでは他に方法がなかったので
すが、HTMLならタグが使えるはずですから、<U> 〜 </U>タグを使
って示していただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
# これはどちら様にお願いしたものでしょう?管理者様でしょうか?

==================
岡部 泰子
奈良女子大学 人間文化研究科・助手
==================



From: 赤野 一郎 <>
Subject: [lex] 新刊紹介 {01}
Date: Tue, 26 Jan 1999 20:41:51 +0900

英語の学習方法に関する情報が満載の『大学生の英語学習ハンドブック』 (四六
版上製 380頁;2,600円+税)という本がこの3月末に研究社より出版されます.
辞書関係の内容にもかなりページが割かれています.参考に目次を添付させてい
ただきます.

はしがき                   編集部

1.大学でどんな英語を学ぶか
  大学と英語--その学問と生活        豊田昌倫
  現在の大学英語教育            大谷泰照

2.英語4技能の習得
  リーディング               飛田茂雄
  ライティング               成瀬武史
  リスニング                渡辺和幸
  スビーキング               上田明子

3.どんな道具が必要か
  英和辞典                 堀内克明
  和英辞典                 中尾啓介
  英英辞典                 磐崎弘貞
  特殊辞(事)典              山田政美
  参考書(文法書、MLAのルールブックなど) 東 信行
  視聴覚教材(テープ・CD・ビデオ教材、
   ラジオ・テレビ番組などの利用法)    鈴木 博
  コンピュータ関係(CD‐ROMなど含む)   赤野一郎
  洋書購入 図書館(電子図書館)利用法   末廣 幹

4.各種英語資格認定テストに挑戦        吉田研作
  英検 TOEFL、TOEICなど、その傾向と対策

5.海外留学をするには             仁木久恵
  TOEFLのことなど(どれくらい必要か)/
  入学申請書の書き方、向こうでの生活のことなど

6.専門分野の学習法
  イギリス文学               川口喬一
  アメリカ文学               井上 健
  英米文学以外の英語文学          土屋 哲
  英語学 言語学              高見健一
  英語教育                 米山朝二
  英語文化研究と異文化理解         松村賢一

7.経済および理科系の英語
  経済の英語                寺澤浩二
  理科系の英語               志村史夫

8.レホート・論文(卒業論文)の書き方
  概論:一般的な英語の論文の書き方     原田敬一
  実例:英米文学              加藤行夫
     英語学・言語学           水光雅則
     英語教育              高梨芳郎
     異文化理解             本名信行

9.卒業後の就職選択と対策
  英語教師                 佐藤暢雄
  マスコミ関係--新聞社 又江原格(ジャパンタイムズ)
  マスコミ関係--通信社 会田弘継(共同通信)
  商社         渋谷彰久(兼松江商)
  メーカ一       池見清志(本田技研)
  通訳者        村松増美(サイマル・インター)
  翻訳家        志村正雄

 一線で活躍するひとたち(上に同時掲載)
 (1)英語教師       田尻悟郎(島根松江中)
 (2)編集者        加賀谷祥子(岩波書店)
 (3)新聞記者       久田貴志子(英文朝日)
 (4)外資系企業勤務    金沢寿子(フオルクスワーゲン)
 (5)メーカー勤務     磯貝聡志(タカラ)
 (6)通訳者        千田昌子

10.大学院への進学               渡辺利雄
入学試験、どのくらいの英語力と知識が必要か

資料縞
資料1:英語と英米文化についての略年表
資料2:語学雑誌および関係団体一覧
 語学関係雑誌
 主要洋書販売店
 主要研究団体
 国際関係機関
 出版社の住所 連絡先

__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/
AKANO, Ichiro
Kyoto University of Foreign Studies
TEL: 075-322-6103
E-MAIL:
英語語法文法学会: http://member.nifty.ne.jp/usage_grammar
__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/__/



From: "Matumoto Yosihito" <>
Subject: [lex] RE: [lex] 語の初出年代を調べる {01} {01}
Date: Wed, 27 Jan 1999 15:47:13 +0900

岡部先生こんにちは。佐賀の松本@ログ整理担当です。

>(2)先ほど項目別ログを確認しに行って気が付いたのですが、「牛津」
> のわたくしのポストの採録の
>
>> 齊以碩儒推馬氏。久將好學冠牛津。
>
>の部分、プロポーショナルフォントで表示した場合には肝心の下線
>部がずれて見えるようですね。

確認いたしました。次回の更新の時に訂正いたします。

これからもよろしくお願い申し上げます。≦()≧

追伸
ピグマリオン(Evah)メーリングリスト
http://www.hf.rim.or.jp/~yosihide/pygml.htm
でのご発言、いつも楽しく拝見しております(^_^)。



From: 村田 年 <>
Subject: [lex] RE: [lex] センター入試 {01}{02}{01}
Date: Wed, 27 Jan 1999 22:30:44 +0900

松 本 祥 仁 先生

村田 年(千葉大)です.

確か藤井健三先生の『アメリカの口語英語―庶民英語の研究―』を
持っていたな,と思って昨日家で捜したのですが,見つからず,今
日大学でも捜したが,なくて,諦めることにしたのですが,たった
今すぐ近くに積んである本の中に発見しました!

不勉強で本には執着はなくなりましたが,差し上げてまた返してく
れと言うのもなんですから,よろしかったら数ヶ月お貸しします.
だれか譲ってくれる人がいればいいですが・・・



From: (SATO Hiroaki)
Subject: [lex] American National Corpus {02}
Date: Thu, 28 Jan 1999 12:14:54 +0900

At 1:23 PM 99.1.25 +0900, Isahara Hitoshi wrote:
>現在アメリカではフィルモアやニューヨーク大学でCOMLEXという電子化辞
>書を作成している Catherine Macleod が中心になって、BNCと同様にANC
>を作ろうという動きがあります。
年末・年始の話題に「コーパスで学習英和を作る3(How to build)」がありました。
文部省科学研究費で「学習英和用コーパス」を作るという<初夢>です。このコーパ
スでは、米語のデータ収集が1つの柱でしたが、American National Corpus計画があ
るようなので、このコーパスと重ならないように、「学習英和用コーパス」の内容を
変える必要が出てきました。American National Corpusでは実現できない部分を、別
計画・別予算の「学習英和用コーパス」が補完するように研究し、できあがったコー
パスを無料で全世界に公開する。American National Corpusにも役に立つはずです。

いずれにしても、まずは、American National Corpusの計画内容を調べなくてはなり
ません。3月26日のAmerican National Corpusの会議に参加したいのですが、どな
たに連絡をすればよいか教えていただけないでしょうか? >井佐原さま

___________________
(SATO Hiroaki)
http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/
〒214-8580 専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明 専修大学・商学部・助教授(英語)



From: Minoru MURATA <>
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 12:56:28 +0900

    学生の英和辞典使用調査

村田 年(千葉大)です.

いま期末試験をして帰ってきたところですが,「英語Uリーデイング」で辞書
使用可で試験したら全員辞書持参でした.

ジーニアス英和       16(ほとんど初版)
ライトハウス英和       5
旺文社中英和         2
リーダーズ英和        2
グローバル英和        2
研究社中英和         2
フレッシュジーニアス英和   2
ラーナーズ・プロ英和     2
サンライズ英和        1
講談社中英和         1 
シニア英和          1
ニューアンカー英和      1
クラウン英和         1
プロシード英和        1
ニューセンチュリー英和    1
リトル英和          1
旺文社コンパクト英和     1 
講談社パックス英和      1
           計  43

自由選択で,いろいろな学部から2年生以上が50人ほど希望し,43名残
りました.学生の質は千葉大で中の下ぐらいでしょうか.英字新聞を材料に
したテキストを読みました.

試験が終わってから何人かの学生が出てきて調査の結果はどうでしたか,と
いうので,辞書の調査などに学生が興味があることに驚きました.「ジーニ
アスが多いというのはどういうことですか」「ぼくの使っているライトハウ
スとジーニアスではどこが違うのですか」といった質問から,学生は自分が
使っている辞書以外の辞書のことは皆目わからないことがわかりました.高
校1年で買わされた辞書を大学2年まで使い続けている学生が多い点も問題
がありそうです.汚れ具合から8割は高校のときの辞書ですね. 



From: Isahara Hitoshi <>
Subject: [lex] American National Corpus {02} {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 13:31:43 +0900

通信総研の井佐原です。

お返事、ありがとうございます。

> Date: Thu, 28 Jan 1999 12:14:54 +0900
> From: (SATO Hiroaki)
> 年末・年始の話題に「コーパスで学習英和を作る3(How to build)」がありました。

はい。拝見しておりました。

> いずれにしても、まずは、American National Corpusの計画内容を調べなくて
> はなりません。3月26日のAmerican National Corpusの会議に参加したいの
> ですが、どな> たに連絡をすればよいか教えていただけないでしょうか?

彼らは昨年5月にスペインであった First International Conference on
Language Resources & Evaluation のポスターセッションでも発表していました
が、論文誌を見ても、具体的な内容には言及していないようです。

(この会議では私たちが自然言語処理研究用に作成している、文同士、句同士、
固有名詞同士の対応を付けた英日対訳コーパスについても発表しました。)

詳細につきましては、Ms. Catherine Macleod <> に直接お
問い合わせ下さい。井佐原がメイリングリストに出したのを見たと書いて頂けれ
ば、分かってくれると思います。

よろしくお願い致します。

井佐原@通信総研



From: Yukio TONO <>
Subject: [lex] 学習英和用コーパス {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 04:40:20 GMT

投野@ランカスター大Dです。

On Thu, 28 Jan 1999 12:14:54 +0900
(SATO Hiroaki) wrote:

> American National Corpusでは実現できない部分を、別計画・別予算の「学
> 習英和用コーパス」が補完するように研究し、できあがったコーパスを無料
> で全世界に公開する。American National Corpusにも役に立つはずです。

BNC とパラレルな構造で作るようですから、会話データの収集なども実際に
field work などをしてやるのでしょうかね。大変時間のかかりそうなプロジェク
トですね。BNC も一度作ったはいいのですが、メンテナンスのお金を取るのが大
変で、ランカスターでも fund 切れになって version 2(タグの手直しをしたも
の)以降どうなるかわからない状況です。

いずれにせよ、佐藤先生の言われるように、現代英語のコーパスを日本で作ると
いうのはもうノウハウ的にも予算的にもあまりメリットはないと思います。他の
国でどんどん現代英語のものは作っていますから。むしろ、日本でやるべきは
BNC に匹敵する日本語コーパスだと思います。

「学習英和用コーパス」という発想ならば、話は別で大変興味があります。ただ
しこれも、現代英語のデータをいろいろ拾ってくるのはコピーライトも大変です
し、精力注いでも外国のよりもよいものが出来るとは思えません。むしろ、以下
のような特殊コーパスをモジュールとしてもっていて、利用者が必要に応じて切
り替えて使えるようなものがいいと思います:

a)日本人学習者の書いた英作文コーパス
b)日本人学習者の話した英会話コーパス
c)日本文化を英語で紹介した記事のコーパス
d)日本の英字新聞のコーパス(日本の国内状況の時事英語表現を集める)
e)高校入試問題・大学入試問題コーパス(長文・文法・語彙別)
f)他にありますでしょうか?

そして可能ならばこれらをすべて日本語訳とのパラレル・データで持っているこ
とです。そうすれば、和英辞典の作成に威力を発揮します。

こういうコーパスならば、私もプロジェクトに参加したいです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−
投野由紀夫@ランカスター大院
Email:
−−−−−−−−−−−−−−−−−



From: (SATO Hiroaki)
Subject: [lex] 学習英和用コーパス {02}
Date: Thu, 28 Jan 1999 15:06:24 +0900

At 4:40 AM 99.1.28 +0000, Yukio TONO wrote:
>「学習英和用コーパス」という発想ならば、話は別で大変興味があります。ただ
>しこれも、現代英語のデータをいろいろ拾ってくるのはコピーライトも大変です
>し、精力注いでも外国のよりもよいものが出来るとは思えません。むしろ、以下
>のような特殊コーパスをモジュールとしてもっていて、利用者が必要に応じて切
>り替えて使えるようなものがいいと思います:
>
>a)日本人学習者の書いた英作文コーパス
これは、朝尾先生@東海大学グループが作ってますよね?

>e)高校入試問題・大学入試問題コーパス(長文・文法・語彙別)
需要は大きいと思いますが、著作権の問題が複雑なので無理でしょう。入試問題では、
著作権者に無断で英文を使うことが日本の著作権法で許されています。しかし、その
英文をコーパスに収録するには、著作権者の許諾が必要です。文章の真ん中に穴が空
けられたり、下線が引かれたりして、ズタズタに切り裂かれた自分の著作物を見れば、
普通の著作権者は怒ります。コーパスに登録するなど許してくれるはずはありません。

>f)他にありますでしょうか?
アメリカ映画のスクリプトの出版権を、多分、世界で一番沢山持っている出版社は、
名古屋のスクリーンプレイ出版です。ここと協力すれば、世界最大のアメリカ映画の
セリフのデータベースが公開できる可能性があります。既に、セリフの日本語訳のデー
タ入力も終わっているので、著作物使用料金さえ支払えば、コーパスに登録して、一
般に公開できるのではないかと思います。

___________________
(SATO Hiroaki)
http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/
〒214-8580 専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明 専修大学・商学部・助教授(英語)



From: Asao Kojiro <>
Subject: [lex] 学習者コーパ {01}ス
Date: Thu, 28 Jan 1999 16:04:51 +0900

朝尾@東海大学です。

「学習英和用コーパス」のスレッドで、佐藤さんのメッセー
ジに続けて書いています。Subject を変更して書いています。

>a)日本人学習者の書いた英作文コーパス
これは、朝尾先生@東海大学グループが作ってますよね?

学習英和用コーパスのお話を興味深くたどっておりました。
投野先生、佐藤先生から学習者コーパスの話が出ましたので
書いております。

日本人学習者の書いた英語をコーパス化する作業をここ数年、
行っております。作業に加わっているメンバーは現在、次の
とおりです。

朝尾幸次郎(東海大学)
尾関 修治(中部大学)
杉浦 正利(名古屋大学)
野澤 和典(立命館大学)
原田 邦彦(名古屋外国語大学)
投野由紀夫(元、東京学芸大学、現在、ランカスター大学)

この計画を立てたとき、ひとつの原則を立てました。それは
集めたデータは公開するという原則です。研究データ、成果
は研究者に公開し、共有をはかるということです。現在、作
業にあたっているのは上の6人ですが、この作業にはたくさ
んの方に加わっていただきたいと願っています。

メンバーがおおむね大学に所属していますので、集めたデー
タは大学に大きくかたよっています。中学校、高校のデータ
をなんとか加えたいと考えています。いっしょに学習者コー
パス作りに参加していただけます方は、次までお知らせくだ
さい。

データはまだ作業中のものが多いのですが、これまでに集め
たものは次に公開をしています。

http://www.lb.u-tokai.ac.jp/lcorpus/

どうぞたくさんの方が参加いただけますよう、お願いをいた
します。

------------------------------ phone (work): 0463-58-1211 --
朝尾幸次郎 東海大学(文学部)英文学科 内線: 3133
fax (work): 0463-50-2239
-- http://www.lb.u-tokai.ac.jp/~koji/ ----------------------



From: "Matumoto Yosihito" <>
Subject: [lex] RE: [lex] 学習英和用コーパス {02} {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 16:21:03 +0900

佐賀の松本です。

Yukio TONO <> wrote
>c)日本文化を英語で紹介した記事のコーパス

これは大学でテキストとして使われていた分で、絶版になった分を出版社のご厚意で
公開していただく、という手段は使えないでしょうか。大口のユーザーでいらっしゃ
る先生方の口利きであれば、協力していただける出版社もあるのではないかと思いま
す。ほとんどのテキストに「教師用指導書」が付いていることですし、パラレルコー
パスにするのにはもってこいではないでしょうか。



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {02}
Date: Thu, 28 Jan 1999 17:03:49 +0900

村田先生:

加藤@岩手医大です.

Minoru MURATA wrote:
>
>     学生の英和辞典使用調査


> 校1年で買わされた辞書を大学2年まで使い続けている学生が多い点も問題
> がありそうです.汚れ具合から8割は高校のときの辞書ですね. 
>
つい2,3日前教材にした論文の "state-of-the-art counselling about safe
sex" の "state-of-the-art" に学生がつまずいたので,最近の英和辞典なら大
抵見出し語になっているはずだ.あなたの辞書の出版年はいつか,「奥付け」
おw見ればわかるはずだと聞いたら,「奥付け」ということばも耳慣れないら
しく,しばらく戸惑っていましたが,近隣からの手伝いを得て読み上げてくれ
ました.確か「1986年」ではなかったかと思います.

ついでですから,付け加えますが,英語の外来語を辞書で検索できなくて困っ
ている学生をよく見かけます.簡単な例を挙げますと,per capita です.彼ら
(彼女ら)はこれを per と capita に分解してしまって,「辞書にありませ
ん」ということがよくあります.その度に英語の辞書では外来語の語句はそれ
全体が見出し語になっているからと言って,その学生が辞書を持っている場合
は引き直させたり,一言注意したりするのですが,なかなか徹底しません.で
すから,次に post(-)hoc が出てくると,また,同じ「説教」をすることにな
ります.



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] 引用句辞典と Mencken {02}
Date: Thu, 28 Jan 1999 17:48:40 +0900

加藤@岩手医大です.

自分の書き込みに返信を書くのもおかしな話ですが,引用には昔から苦労して
いるので,雑談をさせてもらいます.

「失われた時を求めて」(A la recherche du temps perdu)(by Marcel Proust)
の英訳のタイトルは Remembrance of Things Past ですが,これが
Shakespeare の Sonnet の一節であることは,昔日本語を教えていた北米の学
生たちを引率して盛岡に来ていた Arthur Little という先生に教わるまでは知
りませんでした.引用だということがわかっていれば,引用句辞典を引けばい
いのですが(空振りに終わることはもちろんあります),問題はそれが引用か
どうかどうか見当がつかないことがよくあることです.

以前 Roald Dahl の "Lamb to the Slaughter" の教科書版を教材として使った
ことがありますが,その教科書には他のことには注がくわしすぎるほどついて
いるのに,肝心のタイトルが聖書の引用であることにはふれておりませんでし
た.そういう経験をする度に外国語を教えることが恐くなります.

2,3日前に注文していた新しい引用句辞典がとどきましたが,やはりこれにも前
回のメールで書いた Mencken の引用はありませんでした.そして,もう一つ驚
いたことはこの引用句辞典には聖書もシェイクスピアもないのです.(早とち
りをするといけない思って,索引を見直してみると,イザヤ書からの引用はあ
るのですが,ルカ伝からの引用は見当たらないようです.つまり,Bartlett の
ように聖書が一まとめになっているというやりかたではありません.)しかし,
John Naisbitt のような現代の評論家の引用はたくさんあるといった具合で,
かなり癖のある引用句辞典です:

Leonard Roy Frank (ed.), Random House Webster's Dictionary (Random
House, November 1998) ISBN: 0-679-44850-0

> (1) (Bartlett's) Familiar Quotations, 15th and 125th Annniversary
> Edition (Macmillan, 1980). ISBN 0-333-30917-0
>



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] 引用句辞典と Mencken {03}
Date: Thu, 28 Jan 1999 18:22:49 +0900

kazuo kato wrote:
>
> 加藤@岩手医大です.

すみません.書名を間違えました.
>
> Leonard Roy Frank (ed.), Random House Webster's Dictionary (Random
> House, November 1998) ISBN: 0-679-44850-0
>
正しくは,

Random House Webster's Quotationary でした.



From: "Hiroshi Shoji" <>
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {03}
Date: Thu, 28 Jan 1999 09:25:20 -0000

東海林@バーミンガムです。

加藤先生:

> 英語の外来語を辞書で検索できなくて困っている学生をよく見かけます.簡
> 単な例を挙げますと,per capita です.彼ら(彼女ら)はこれを per と
> capita に分解してしまって,「辞書にありません」ということがよくありま
> す.その度に英語の辞書では外来語の語句はそれ全体が見出し語になってい
> るからと言って,その学生が辞書を持っている場合は引き直させたり,一言
> 注意したりするのですが,なかなか徹底しません.ですから,次に post(-)
> hoc が出てくると,また,同じ「説教」をすることになります.

バーミンガム大学の「辞書学」の授業の初回で、担当者であるCOBUILDの
Rosamund Moon女史は、アメリカでの調査結果として、かなりの割合の辞書使用
者が何らかの点で辞書に不満を持っているというデータを紹介しました(正確な
割合をノートしそこないましたが、半数以上だったと記憶しています)。
それに対してドイツ人学生が、「それは使用者が辞書の正しい使い方を知らない
からではないか」とコメントしたところ、Rosamundは「それではユーザー教育が
必要なのだろうか?」という反問をしました。
このやり取りは非常に興味深く感じました。「辞書」が変わるべきか、「使用
者」が変わるべきか、二者択一の問題ではないとは思いますが、辞書を作る側の
一員であるRosamundから、上記のようなコメントが出たことを心強く思いまし
た。

加藤先生が紹介された例も、例えば空見出しのcapitaにper capitaへの参照を付
けることによってある程度の解決ができるとも考えられます。このような措置は
「こうすべきである」という決定的な策があるわけではなく、辞書使用者の英語
力によっても変わってくる問題だと思いますが、研究が必要な一分野だと思いま
す。

Hiroshi Shoji
<University of Birmingham, UK>
<Shion Junior College, Japan>



From: kazuo kato <>
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {04}
Date: Thu, 28 Jan 1999 18:48:45 +0900

東海林先生:

加藤@岩手医大です.

Hiroshi Shoji wrote:
>
> 加藤先生が紹介された例も、例えば空見出しのcapitaにper capitaへの参照を付
> けることによってある程度の解決ができるとも考えられます。このような措置は
> 「こうすべきである」という決定的な策があるわけではなく、辞書使用者のp語
> 力によっても変わってくる問題だと思いますが、研究が必要な一分野だと思いま
> す。

まったくその通りですね.慣れのせいか,どうも辞書の現在の姿を "given" と
してしまう傾向があるようです.反省しています.



From: (SATO Hiroaki)
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {04}
Date: Thu, 28 Jan 1999 19:48:13 +0900

At 9:25 AM 99.1.28 +0000, Hiroshi Shoji wrote:
>加藤先生が紹介された例も、例えば空見出しのcapitaにper capitaへの参照を付
>けることによってある程度の解決ができるとも考えられます。
電子辞書の検索ソフトでも実現できるアイデアですね。

私がマッキントッシュで使っている電子辞書の検索ソフト「書見台」は素晴らしいソ
フトですが,"state-of-the-art"や"per capita"を調べるには、コツが必要です。ア
ルファベット以外の文字を削除して、"stateoftheart"と"percapita"とキー入力して
調べないと、うまく行きません。「アルファベット以外の文字は自動的に削除して、
語句を検索する」などという機能は簡単にプログラムできるのですが(プログラミン
グ言語Perlだと、s/[^a-zA-Z//g)、英和辞典を引かないコンピュータ・プログラマー
たちは、この機能の重要性に気づかないのです。

その他にも電子辞書を調べる場合には変な約束事が多いと感じます。前に書きました
が、"Give me a break"「勘弁してくれよ!」を「書見台」で調べるには、give AND
me AND a AND breakでは失敗します。give AND sb AND a AND breakで検索すると、c
drom版「リーダーズ+プラス」では、
 1 give sb a break チャンスを与える.
 2 give sb an even break 人を公平に扱う.
の2つの用例が見つかりますが、「勘弁してくれよ!」の"Give me a break"そのも
のは見つかりません。

cdrom版の「ジーニアス英和・和英辞典」で、give AND sb AND a AND breakで用例検
索しても、「書見台」は適切な検索結果を出力できません。meとaを外して、give AN
D breakだとうまく行きます。meは常に外して検索するのか、といえば、そうではな
く、"Me, too"はme AND tooで成句検索できます。どうなっているんだ?!

___________________
(SATO Hiroaki)
http://www.senshu-u.ac.jp/~thc0408/
〒214-8580 専修大学8号館8411研究室
佐藤弘明 専修大学・商学部・助教授(英語)



From: "Hiroshi Shoji" <>
Subject: [lex] 学習者コーパ {01}ス {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 10:49:44 -0000

東海林@バーミンガムです。

またコーパスの話が盛り上がってきたようですので、一言発言をお許し下さい。

「英語学習者コーパス」のプロジェクト、非常に貴重なデータが集まる(集まっ
ている)ことと思います。これまでに教師が「感覚」に頼って指導していた部分
が、客観的なデータに頼ることができるようになることは、素晴らしいことだと
思います。このデータは学習辞典の編集にも大変役立つことと確信します。

今回私が申し上げたいのは、「学習者コーパス」がコインの片面だとしたら、
authentic English corpusがもう一方の面になるのではないかということです。
「このような点が間違いやすい」ということを厳密に述べるためには、「基準」
がなければなりません。その基準として、既成のコーパスを利用することに様々
な点で限界・問題があるとしたら、やはりいろいろな障害はあろうとも、日本人
の手でauthentic English corpusを作る希望は捨てたくないというのが今回の発
言の主旨です。

誤解がないように補足しておきますが、'authentic'という言葉には決して「規
範的」という意味を込めてはいません。あくまでも学習者の英語との比較として
の基準データを得るためのコーパスが必要ではないかという主張です。

Hiroshi Shoji
<University of Birmingham, UK>
<Shion Junior College, Japan>



From: "noboru inoue, mr" <>
Subject: [lex] RE: [lex] 英和辞典使用調査 {04} {01}
Date: Thu, 28 Jan 1999 21:13:57 +0900

井上ともうします。
昨年会社を退職して、自宅で翻訳業を行っています【自営】

今夜、本MLに入ったばかりですが、早速、辞書について熱い議論がなされており、
うれしくなりました。
私は、日本の辞書は、英和、和英、日本語辞書とも悲惨な状況にあると思っていま
す。

その不満を個条書きに書いておきます。将来の辞書編纂者(?)たる皆様のご意見
をお聞かせいただければ幸いです。順不同

○日本語辞書に発信型の辞書がない。すなわち、Rogetの名を関して続々出版される
類義語で満足なものがまったくない。最近出た、三省堂の漢字引き逆引き大辞林が
かろうじて渇をいやす。
○英和辞典  帯に短したすきに長し。私は小学館ランダムハウスを9冊くらいにば
らして製本しなおして使用中。とかく、辞書は(日本語)だけにかぎらず、大きす
ぎ速度を要する実務者の使用のことを考えていない。また、辞書は読むものであり
、バラしたのは通勤電車で読むためでもあった。ようやく、大辞林が3冊にばらした
けれども、まだ少し重い。-->通勤電車で読む人には。
○和英   ー>日本にはない。
○英英 OED(cdrom)を別にすれば、去年oxfordから出たNew Oxford
Dictionary of English
=NODEが良いと思う(35万語) 最近のことば、私の専門で言えば、hyperlink,
url, applet などという科学技術語が多く載っている。また、意味も斬新で a や
theの説明など、あっと驚くようなものがある。 

○日本の英和辞典で不満なのは、覚えさせる工夫が全くないこと(つまり、単語は
一回引くだけで完全に覚えられるだけの情報、語源とか、ぴったりくる用例などが
ない) リーダースがよいのは、語源説明が非常に短いがついているため、新語を
覚えるのに非常に都合がよい。 辞書編集者に言いたいのは、単語というのは、頭
にいれといつでも出せるくらいにならなければ実用にならない。一度引いたら、二
度と引かせない、というくらいの、気迫を持って辞書を編んで欲しい。 用例の面
でスペース上の制約があるのは理解できる。そのとき、良いのは、上記のバイト誌
とかTime誌などの全文記事である。なかなか、覚えられない単語はこれで全文検索
を行うと、自分にとってぴったりくる用例が必ず見つかる。5年分のTIME誌に数度の
頻度でしか出ない単語はおぼえられなくても納得する。

○日本語による類語辞典がないため、そのかわりとして、英和辞典を使用している
状況であるが、みなさんのご友人に日本語研究者がおられたら、なんとかしていた
だくようお願いしてください。とりあえず、最新の英語版Rogetを和訳するという手
はどうでしょうか。とにかく、概念辞書がないのである。あったとしても、お粗末
なものしかない。

○ちなみに私の翻訳環境は、
電子ブック3台 リーダース(pc版も)、EB科学技術大辞典、日本大百科事典
CD-ROM ブリタニカ、雑誌バイト9年分のバックナンバー、タイム誌90-95、
インタープレス135万語大辞典、OED2

○電子ブックをのぞいては、その都度適当なものを使用している。最近、学習辞典
をそのままCD-ROMで出版しているがその意味は?少し、安易にCD-ROM化すすぎると
おものですが。小学館ランダムハウスも紙版をそのままCD-ROM化しているだけ。い
ったいなにを考えているのか。編集時に収集したコーパスをすべて網羅して、最低4-
5巻のボリュームにして発行すべきではないか。Time誌とかEconomisit誌とかと契約
して、最新の用例を取り入れれば、読むのが楽しくてしようがない辞書になるのに
。また、コピーを自由に許して、ユーザの利便を図ること。OEDを見よ。日本の辞書
会社のユーザの利便を省みないという定評は当分揺るぎそうもない。

また、最近は学習辞典のようなふけばとぶような、辞書まで猫も杓子も、CD-ROM化
しているが果たしてその利便は?

実務者向けの、ツールをなんとかしてほしい。切実な祈りである。検索する分量は
、日に日に増えるが、これをいちいち辞書を引いて調べていたのでは話にならない
。ことばは電脳上にあったのではつかいものにならず、脳のなかにprintしてこそ芽
が出るのであることにご理解を。

ぐちばかりになりましたが、新加入のあいさつです。
==============



From: "Hiroshi Shoji" <>
Subject: [lex] 英和辞典使用調査 {05}
Date: Thu, 28 Jan 1999 13:37:30 -0000

東海林@バーミンガムです。

東海林:
> 加藤先生が紹介された例も、例えば空見出しのcapitaにper capitaへの参照
> を付けることによってある程度の解決ができるとも考えられます。

佐藤先生:
> 電子辞書の検索ソフトでも実現できるアイデアですね。

昨年出たCOBUILD E-dictの'Keywords Index'は、既にこの点に関して配慮がなさ
れていることがわかりました。'capita'と入力して検索すると、'per capita'の
みが候補として得られ、ダブルクリックで目的の項目が表示できます。
'post(-)hoc'は収録されておりませんが、'ad hoc'なども同様のことが可能で
す。

ただし、データが付属のWindows専用検索ソフト固有の形式なので、他機種や他
ソフトでの検索ができないというのが残念であります。

Hiroshi Shoji
<University of Birmingham, UK>
<Shion Junior College, Japan>



From: Minoru Moriguchi <>
Subject: [lex] 学習英和用コーパス {04}
Date: Fri, 29 Jan 1999 17:33:20 +0900

シャープ・森口です。

>>c)日本文化を英語で紹介した記事のコーパス
>
>これは大学でテキストとして使われていた分で、絶版になった分を出版社のご厚意で
>公開していただく、という手段は使えないでしょうか。大口のユーザーでいらっしゃ
>る先生方の口利きであれば、協力していただける出版社もあるのではないかと思いま
>す。ほとんどのテキストに「教師用指導書」が付いていることですし、パラレルコー
>パスにするのにはもってこいではないでしょうか。

米国の大学で日本文化を教えた経験からすると、講談社インターナショナルの
Illustrated Encyclopedia Japan が、偏りはありつつも、辞書としては
頼りがいがあると感じました。日本語がないのがパラレルコーパスという点では
難ですが。

--
Minoru Moriguchi
Technical Communicator
Personal Computer Division
SHARP Corporation



From: Lexicon <>
Subject: [lex] 引用句辞典と Mencken {01}
Date: Fri, 29 Jan 99 02:17:32 -0800

>As Mencken said, "This is not about money, it's about money," this
>is not about sex, it's about sex.(録画はしなかったので,うろ覚えで
>す.)

加藤先生:

私もご指摘の Nightline を偶然見ましたが。
その議員(元アーカンソー州知事)が言っていたのは

「Mencken が言ったとうり、誰かが、それは金のことではない、
と言ったとすれば(弁解すれば)、実際は金のことに違いなく、
誰かが、セックスのことではない、と言えば、実際はセックスの
ことに違いない」

という意味だったように記憶しています。上記の英文は少し違う
ようです。

これが Mencken の正確な引用かどうかは、私にも解りません。

LEXICON ()



From: yasuko Okabe <>
Subject: [lex] 日本語の類義語辞典など {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 00:32:13 +0900

奈良女子大学の岡部(国語学)でございます。

Thu, 28 Jan 1999 21:13:57 +0900 noboru inoue様 wrote:
> ○日本語辞書に発信型の辞書がない。すなわち、Rogetの名を関して続々出版される
> 類義語で満足なものがまったくない。最近出た、三省堂の漢字引き逆引き大辞林が
> かろうじて渇をいやす。
<勝手ながら中略>
> ○日本語による類語辞典がないため、そのかわりとして、英和辞典を使用している
> 状況であるが、みなさんのご友人に日本語研究者がおられたら、なんとかしていた
> だくようお願いしてください。とりあえず、最新の英語版Rogetを和訳するという手
> はどうでしょうか。とにかく、概念辞書がないのである。あったとしても、お粗末
> なものしかない。

たしかに日本語研究の分野では、シソーラスの概念や その構築の必
要性の認識などが やや立ち後れているように、わたくしも感じます。
日本語教育の分野ではまだいくぶんマシで、日本語学習者向けの類
義表現辞典の類が少しあるようです。

『類義語活用辞典』小学館
『類義語使い分け辞典』研究者
『類義語例解辞典』東京堂出版
『日本語学習使い分け辞典』講談社
『日本語使いさばき辞典』あすとろ出版    などなど。

おそらくこれらもお手にした上でなお お粗末だ・満足できない と
いうお話だとは思いますが、念のためご紹介いたしました。
(念には念を入れて、一々についての概略も添えようかと思ったの
ですが、残念ながらただいまこれらの辞典類は亭主の職場の研究室
にありまして、すぐに手に取ることが出来ません…)

なお、これらのものは、日本語教育の盛んになってきた'90年代以降
に出されたものですが、日本語のシソーラスについては、実は '60
年代半ばにいち早く、国立国語研究所のほうから「国立国語研究所
資料集6」として『分類語彙表』(秀英出版)というものが出ており
ます。
分類項目は大きく「体の類・用の類・相の類」(それぞれ体言・用言
・相言)と、さらに「その他の類」として接続詞や感動詞などが挙げ
られており、かなり広汎なものが収められています。網羅的ではな
く、採録語がかなり恣意的な印象を受けるものの、使いようによっ
ては有益であるかもしれません。
しかしこれまた残念ながら秀英出版がつぶれてしまったため、おそ
らく現在入手不可能であったように記憶しております。'93年12月に
フロッピ版も出されておりますので、場合によってはこちらをご覧
になることのほうが、実現は容易かもしれません。

以上、取り急ぎ…何かのご参考になりましたら幸いです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

松本@ログ整理担当 様
過去ログのアンダーラインの件、お忙しい折にお手数をおかけいた
します!英語辞書学MLの本筋からはずれる"雑談"レベルの内容です
のに、我が儘を申します(^^;)申し訳ありません…こちらこそ、今後
ともあちらでもこちらでもどうぞよろしくお願い致します。m(_ _)m

==================
岡部 泰子
奈良女子大学 人間文化研究科・助手
==================



From: "noboru inoue, mr" <>
Subject: [lex] RE: [lex] 日本語の類義語辞典など {01} {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 01:11:56 +0900

岡部様

いろいろお教えいただきありがとうございます。とくに、秀英出版のものはずいぶ
ん便利だったらしい(本田勝一氏がどこかでそういっていました)ので、どんなも
のかと思っていたのですが、思いがけず、これに言及されておりうれしかったです

下記に紹介されているものは一応試してみましたが、今少しものたりません。下記
が案外有用です。

●研究社 新漢英字典 大力作
●講談社 日本語大辞典  用語を少し刈り込んで欲しい。和英辞典にもなる。

それより、Rogetから日本語を想像するのがよいかもしれません。

ところでなぜ日本語の類義語辞典がお粗末なのかについて、本日下記文章をべつのML
にてpostingしました。

==============

類義語辞典についてのべるにあたって、白川静氏の「漢字古訓抄」を紹介しなかっ
た。その論述の途中、おもう、という漢字について述べた部分を抜粋して紹介する
。 

いわく。

「はかる」とよむ漢字は[名義抄]にあげるもの約九十字[諸橋、大漢和]にあげるも
のは百三十余にもおよんでいる。・・・

「とる」は百七十字、「つく」は二百字にもおよんでいる。このことは、漢字を国
語表記の方法として用いるわが国において、かなり重要な問題を含むものであるよ
うにおもう。・・・

「おもう」を示す漢字は五、六十字にも及ぶが、国語には「おもふ」の一語しかな
い。しかし「おもふ」はまた、それゆえに無限定的な思惟情感の全体であることが
できた。そして、必要なときには、「念ふ、想ふ、懐ふ、憶ふ、以為ふ、惟ふ」な
ど、それぞれ限定的な用義の字を選択することができた。しかし、今のわが国の国
語政策では、われわれは「思ふ」こと以外には、「念ふ」ことも「懐ふ」ことも「
憶ふ」ことも、みな制限されている。しかも、念願、想像、懐古、追憶することは
許されているのである。しかしすでに訓読みを失ったこれらの字を、学習者はどの
ようにして理解することができるというのであろうか。

白川静「文字逍遙」平凡社より

こどもの活字離れを嘆くまえに、日本語無政策を嘆くべきであった。あるいは、来
世紀は日本語を捨てて、終戦直後の志賀直哉の提言よろしく、彼の場合はフランス
語であったが、国語を英語にするか?いや、すでにその道を確実に歩んでいるよう
に思う。サー、がんばって英語勉強するか。破たん防止、だの、充てん、だの、自
殺ほう助、だの、脳やせき髄、だの、新聞で読まずにすむだけでも気が休まるし。
。。
井上



From: "kawakami yusaku" <>
Subject: [lex] RE: [lex] RE: [lex] 日本語の類義語辞 {01}典など {01} {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 03:18:39 +0900

井上様

>日本語の類語、同義語についてのご意見興味深く拝見しております。
 もうご存じかもしれませんが、同じように英語の翻訳で日本語と格闘しておられる
柳瀬尚紀(たしかこの字だったと思いますが、間違っていたら済みません)先生のお
考えが参考になるかと思い、メールを差し上げる次第です。

 この方は斎藤秀三郎著「熟語本位 英和中辞典」を徹底的に読破されたそうです。
これ以降数々の英和辞典が出たが、日本語のセンスでこれを上回るものはない、と
言っておられます。

 「おもう」「とる」「つく」など何十種類もの漢字があるではないか、とのことで
すが、柳瀬先生は英文に合う漢字をまさに変幻自在にあてはめられ、見事に雰囲気を
出されています。あのむずかしいジェイムス=ジョイスを訳された日本語を見てみま
すと、実に辞書をよく読んでおられるな、と感心します。

 いい意味でことばを手玉にとり、ことばと戯れておられるように思えました。辞書
はあくまでも参考で、それから先はひらめきと想像力がモノをいうようです。



From: "noboru inoue, mr" <>
Subject: [lex] RE: [lex] RE: [lex] RE: [lex] 日本語の {01}類義語辞 {01}典など {01} {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 04:06:49 +0900

かわかみ様

ご意見ありがとうございます。
斉藤本は、まだ完了していませんが、通読をめざしています。前置詞の解説などは
私には見事に思え、はしていませんが、英語のよくわかっているたとえば、夏目漱
石などのような、あっと思わせる解釈があって楽しい読み物です。

柳瀬氏のFinnegansの役を見ると(まだ通読はしていませんが)、漢字をまさに当て
はめているのであり、わたしのいう類義語とは直接結びつかないと思います。たと
えば、authorizeされていない読み方にルビをつけ、二つの日本語を一つの漢字であ
らわす、とか。ちょっと、レベルが違う話だと思うのですが。うまく、いえません
が。(その本を持ち出してきて、具体例をだせば、よいのですが。探し出すのが面
倒なので。すみません)
>
すが、柳瀬先生は英文に合う漢字をまさに変幻自在(=Finnegansのような原文自体
がコトバ遊びだから許される特殊な翻訳だと私は思っています。毒は毒をもって制
す、ということでしょうか)にあてはめられ、見事に雰囲気を
>
出されています。あのむずかしいジェイムス=ジョイスを訳された日本語を見てみ
ま> すと、実に辞書をよく読んでおられるな、と感心します。
>
>
 いい意味でことばを手玉にとり、ことばと戯れておられるように思えました。辞

> はあくまでも参考で、それから先はひらめきと想像力がモノをいうようです。
●私の相手にしているような翻訳は、ひらめきも想像力のない(むしろ、あっては
ならない)レベルです。と、いうふうに認識しています。翻訳は、原著者の頭にあ
る語彙/辞書を使用して翻訳するべきだとおもいます。Joyceは、私の理解では、世
界中のコトバに通じておりかつ、語呂合わせとかいろんな仕掛けをほどこしている
超文学であり、超訳をもって(跳約、調約、聴約、重約,兆約、張約、腸約、彫約
、頂約、懲約、挑約,眺約、喋約、澄約、諜約、凋約などとコトバ遊びをついした
くなります)のぞむしかなく、柳瀬氏も、Joyceの頭にある辞書をもとめて格闘され
たと聞いております。

斉藤氏の辞書がなぜ優れているかというと、斉藤氏が和漢につうじているからです
(日本における英語学者ですから、当然の条件とはいえ)。したがって、漱石が英
和辞典をあんだらこうなるであろうようなものの一端が熟語本意、と銘打ってある
辞書においても発揮されています。したがって、thinkなどの何でもない用語に、ジ
ャンジャンと踊るような日本語がとびでてきます。そういう意味では、前メールで
述べたように(英和辞典を日本語類義語辞典として使う)、最近のコトバは使用さ
れていませんが日本語類義語辞典としても非常に優秀であると思います。

はなしは、変わりますが、予告によると、柳瀬氏が個人で英和辞典を新潮社から出
版される時期がまもなくくるとおもうのですが。大いに期待しています。

井上



From: "Matumoto Yosihito" <>
Subject: [lex] homemaker {04}
Date: Sat, 30 Jan 1999 13:46:13 +0900

東海林先生、佐賀の松本祥仁@亀レスです。

風邪でログを流し読みしていたせいで、東海林先生の重要なご提案に対する返事が遅
れてしまいました。申し訳ありません。

>過去に話題になった辞書については、井上先生や松本先生が編集して下さってい
>いる「過去ログ」のサイトを検索すれば見つかることが多いのですが、投稿者の
>書き方のスタイルが一定でないことが多いため、一部の情報が抜けていることも
>あります(私自身も過去に抜かして投稿してしまったことが何度かあります)。

井上先生とも、そのことについてお話ししたことがあります。

>そこで、特に新刊辞書、ほとんど話題にならない特殊辞書を紹介する場合の「一
>応のガイドライン」のようなものを定めたらどうだろうか、というのが第一の願
>望です。(「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」「ISBN」あたりでしょう
か?)

大賛成です。そういったフォーマットを、もっとみなさまにインフォメーションすべ
きだった、と反省しております。上記フォーマットで投稿されました分に付きまして
は、表題に反映させていきたいと思っています。

「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」「ISBN」のご記入、よろしくお願い申
し上げます。>投稿者のみなさま

>ここは多数の辞書愛好家が出入りするメーリングリストですから、開設以来
>話題になった辞書は膨大な数にわたると思います。次の願望は、過去話題
>になった辞書の可能な限り全てをデータベース化できないかなということです。
>井上・松本両先生の御努力による過去ログを第一資料として、一定のフォー
>マットにしたがったデータベースが作成され、それをWeb上に公開できれば、
>参加者ばかりでなく辞書に興味を持つ者にとって大変有益な資料になるの
>ではないでしょうか。Web上への公開を前提として考えた場合、HTML形式が
>いいでしょうね。

おっしゃるとおりだと思います。

>以上、あくまでも願望ですが、御賛同・御理解が得られれば、私自身がデータ
>ベース作成作業に着手してもいいと思っております。

井上永幸先生のお考えもうかがえれば、と思いますが、井上先生、いかがでしょうか

追伸
実は私もやってみようと思ったのですが、能力不足でうまく行きませんでした
(^_^;)。

追伸2
参加者が増え、姓だけでは区別が付かない事態が生じてきています。ご投稿の際は、
フルネームでお願いできれば幸いです。



From: "浅田 幸善" <>
Subject: [lex] 新潮英和 {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 17:15:36 +0900

noboru inoue, mr wrote:
>予告によると、柳瀬氏が個人で英和辞典を新潮社から出
>版される時期がまもなくくるとおもうのですが。
>大いに期待しています。

この辞典については、昨年の2月22日(日曜日)付けの日本経済新聞の文化欄(p.36)
に、柳瀬氏本人が『「読む」辞書を「書く」』というタイトルの文章の中で紹介され
ていました。(この記事について、あるいはこの辞書について、そのうち誰かがこの
MLに書き込んでくださるだろう、と思っているうちに1
年近くたってしまいました。多少参考になるかもしれませんので、ご紹介しておきま
す。)

「(フィネガンズ・ウェイクの)単独翻訳を終えてから。通常の仕事には手ごたえを
感じなくなっていた。同じくらい手ごたえのある仕事をするとしたら、おそらく単独
の英和辞典だろう。」という調子で始まる文です。
ただものではない柳瀬氏の手になる辞典なので、辞典もただものであるはずはなく、
たとえば通常の英和辞典ではPという項目では、
1英語アルファベットの第16字、ピー 2 p (P)があらわす音.......
となるところを、『新潮英和(仮称)』では、

「いきなり実例を差し出し、訳語を差し出す。
"I'm pleased" , he said, but his lips caught on the *p* and sounded a *b* in
its place. (「万福(ばんぷく)の思いだ」と言ったが「ぷ」でつかえて「ぶ」に聞
こえた)」

のようになるのだそうです。
kawakami yusakuさんもおっしゃっていた斎藤秀三郎「熟語本位英和中辞典」の例も
引きながら、なぜこのようなスタイル
をとるか、などを書き記しています。

「英和辞典にかぎらず辞書はたんに引くだけのものではなく、読むべきものだという
信念」の持ち主である氏は

『新潮英和』も、おもしろいものにしようという意図が根底にある。読んで
楽しい英和辞典だ。

と書き、

『新潮英和』はAからzymurgyに至るまで、実例しか採らない。実物に英語をしゃべ
らせて、筆者が通訳に当たる。実用的な現場感覚の英和辞典になりつつある。

という言葉で締めくくっています。

興味のある方は、図書館で、縮刷版を探して、全文をお読みください。

浅田幸善 (ASADA Yukiyoshi)



From: "noboru inoue, mr" <>
Subject: [lex] RE: [lex] 新潮英和 {01} {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 18:38:09 +0900

浅田様

貴重な情報をありがとうございました。いつ発売されるのか、来週新潮社に確認し
ます。

柳瀬さんは、Ulyssesも、画期的な新理論のもとに翻訳中でしたが、こちらはもう片
づいたのでしょうか。辞書のほう、首を長くして待っています。柳瀬氏には、つぎ
に、日本語の類義語辞典の編纂もよろしくお願いします。

井上



From: Nagayuki Inoue <>
Subject: [lex] homemaker {05}
Date: Sat, 30 Jan 1999 22:22:42 +0900

東海林先生,松本先生

井上(島根大学)です。

> >そこで、特に新刊辞書、ほとんど話題にならない特殊辞書を紹介する場合の「一
> >応のガイドライン」のようなものを定めたらどうだろうか、というのが第一の願
> >望です。(「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」「ISBN」あたりでしょう
> か?)
>
> 大賛成です。そういったフォーマットを、もっとみなさまにインフォメーションすべ
> きだった、と反省しております。上記フォーマットで投稿されました分に付きまして
> は、表題に反映させていきたいと思っています。
>
> 「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」「ISBN」のご記入、よろしくお願い申
> し上げます。>投稿者のみなさま

「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」くらいまでは,多くの方がすでに書か
れていると思います。「ISBN」ですが,「わかる方は…」くらいでいいので
はないでしょうか。あまりに書き方が制限されると,気楽に書けなくなるおそれ
があります。インターネットをその気になって検索すれば,すぐわかることでしょ
うから。(^_^;)

> >ここは多数の辞書愛好家が出入りするメーリングリストですから、開設以来
> >話題になった辞書は膨大な数にわたると思います。次の願望は、過去話題
> >になった辞書の可能な限り全てをデータベース化できないかなということです。
> >井上・松本両先生の御努力による過去ログを第一資料として、一定のフォー
> >マットにしたがったデータベースが作成され、それをWeb上に公開できれば、
> >参加者ばかりでなく辞書に興味を持つ者にとって大変有益な資料になるの
> >ではないでしょうか。Web上への公開を前提として考えた場合、HTML形式が
> >いいでしょうね。
>
> おっしゃるとおりだと思います。
>
> >以上、あくまでも願望ですが、御賛同・御理解が得られれば、私自身がデータ
> >ベース作成作業に着手してもいいと思っております。
>
>
> 井上永幸先生のお考えもうかがえれば、と思いますが、井上先生、いかがでしょうか
> ?

えっと,すでに松本先生が苦労されて項目別のログをお作りですね。しかも,辞
書紹介については,最近では見出しのフォーマットもかなり定式化して行なって
かなり利用しやすくなっていると思います。

さらにそれらを編集して,切った貼ったを繰り返すとだれに著作権があるのかわ
からなくなることが心配です。その辺りはどうでしょうか?〔著作権が保障して
もらえないとなると,書き込みにも影響してくると思われます〕

**********************井上永幸 <>*********************
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--



From: "Hiroshi Shoji" <>
Subject: [lex] dictionary database {01}
Date: Sat, 30 Jan 1999 15:02:48 -0000

東海林@バーミンガムです。

水野様、松本先生、井上先生、私の願望に対してのコメントありがとうございま
した。

井上先生:

> 「辞書名」「出版年」「編者」「出版社」くらいまでは,多くの方がすでに
> 書かれていると思います。「ISBN」ですが,「わかる方は…」くらいで
> いいのではないでしょうか。あまりに書き方が制限されると,気楽に書けな
> くなるおそれがあります。インターネットをその気になって検索すれば,す
> ぐわかることでしょうから。(^_^;)

おっしゃる通りだと思います。私が「願望」と書いたのは、「できればそうでき
たらありがたいなあ」という程度であり、「制限」という意味合いではもちろん
ありませんでした。'I wish we could do that.'程度でしょうか。

> えっと,すでに松本先生が苦労されて項目別のログをお作りですね。しかも,
> 辞書紹介については,最近では見出しのフォーマットもかなり定式化して行
> なってかなり利用しやすくなっていると思います。
>
> さらにそれらを編集して,切った貼ったを繰り返すとだれに著作権があるの
> かわからなくなることが心配です。その辺りはどうでしょうか?〔著作権が
> 保障してもらえないとなると,書き込みにも影響してくると思われます〕

私が元発言で意図したのは、純粋な「書誌データ」のみのデータベース化でし
た。実は今のところ個人利用の目的で、公開されている過去ログからCSV形式の
辞書データベースを作成しています。項目は、Title, Edition/Version, Date,
Editor(s)/Author(s), Format, ISBN, Categoryのみで、紹介文は含めていませ
ん。純粋な書誌データのみを抜き出す場合、著作権は問題にならないと考えてい
ますが、如何でしょうか?(参考文献リストのようなものですから。)

実は結構大変な作業で、いつ一応の形になるかもわかりませんが、著作権上の問
題がないことがはっきりすれば公開も考えております。井上先生他の御見解をお
聞かせいただければ幸いです。

Hiroshi Shoji
<University of Birmingham, UK>
<Shion Junior College, Japan>



From: Lexicon <>
Subject: [lex] Re dictionary database {02}
Date: Sat, 30 Jan 99 14:57:13 -0800

>項目は、Title, Edition/Version, Date,
>Editor(s)/Author(s), Format, ISBN, Categoryのみで、紹介文は含めていませ
>ん。純粋な書誌データのみを抜き出す場合、著作権は問題にならないと考えてい
>ますが、如何でしょうか?(参考文献リストのようなものですから。)(東海林
先生)

「紹介文」こそが、このデータベースの価値を高める最大の利点になりえる
のだと思います。単なる「参考文献リスト」のような物でしたら、インター
ネットの検索でもすれば、誰にだって作れるわけですから。使用者の立場、
特に日本人の使用者の立場からの批評は、貴重な情報です。まして、当ML
には辞書については一家言を持つ方がかなりいらっしゃるようですので、尚
更でしょう。

フォーマットに関しては、とりあえず投稿者の名前とe-mail addressを、
明記するところから始められてはいかがでしょうか。

将来的には、紹介者のみならず、他のメンバーからの批評なども随時、追加
できるようにすると、一層利用価値が高まると思います。

LEXICON ()



From: "Asako Mizuno" <>
Subject: [lex] Re dictionary database {03}
Date: Sun, 31 Jan 1999 08:39:52 +0900

Lexicon wrote:
> 「紹介文」こそが、このデータベースの価値を高める最大の利点になりえる
> のだと思います。

同感です。
私は翻訳者向けに書籍を紹介する仕事にも関わっていますが、
情報を得る側の意見としては「どれを選べばよいか迷った時に
実際に使ったことのある人のコメントは判断の助けになる」と
いうのがよくあがります。都心部など大型書店が多く実際に
手にとって見ることのできる場所にいる人はまだいい方ですが、
そうでないところから電話注文などで書籍を入手する場合、
どのようなものか分からないというのはリスクも大きいですよね。
そんなとき、先輩翻訳者たちの書評やコメント、使っていての
感想などは後輩の判断を大きく助けています。

書名やタイトルだけでなく、どのような点がよくてどのような
点は改善の余地ありなのかとか、簡単な紹介文がついている
方が利用者は喜ぶのではないでしょうか。

*****************************************************
有限会社サグラーシェ 水野麻子

特許翻訳の世界
http://www.monjunet.ne.jp/PT/



From: Nagayuki Inoue <>
Subject: [lex] Re dictionary database {04}
Date: Sun, 31 Jan 1999 13:38:35 +0900

松本先生,東海林先生,LEXICON様,水野様,辞書データベースのご意見
ありがとうございます。

井上(島根大学)です。

すでに,ここに登録いただいております方々はすでに松本先生によります

http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log2/index.htm

から,1998過去ログメニュー→新刊辞書購入方法でごらんいただけますページは
ご存知でしょうか。

このページも,書名タイトル表示形式の統一,アルファベット順配列,和書洋書
の別など,もう少し整理すれば,ほぼ皆さんの要望にかなうのもになるのではな
いでしょうか。ご意見をうかがえれば幸いです。

せっかく書き込んでいただいたご意見は,できるだけそのままの形で閲覧できる
ようにしておいたほうがよいと思うのですが,いかがでしょうか。編集作業自体
が大変なこともさることながら,特定の個所だけの引用がときに誤解を招くこと
もあったりしますから,できれば話しの筋も追える方がよいと思うのです。

**********************井上永幸 <>*********************
[辞書学MLログを公開中: http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log.html]
--辞書学ML脱会は宛てにsignoff lexと送る--



From: "Yukihiro Kondoh" <>
Subject: [lex] Re dictionary database {05}
Date: Sun, 31 Jan 1999 18:15:43 +0900

近藤@四国、です。
 
井上先生 wrote:  
井上(島根大学)です。
すでに,ここに登録いただいております方々はすでに松本先生によります

http://lexis.edu.shimane-u.ac.jp/inoue/ml_log2/index.htm

から,1998過去ログメニュー→新刊辞書購入方法でごらん
いただけますページはご存知でしょうか。

●上記サイトに早速行ってみました。
 
私のように田舎に住んでいて、みなさまから教えていただいた書籍をすぐには
確認できない環境の者にとりましては、大阪や東京に出かけることが決まった
時に、事前に上記サイトで興味のあるものを選び出して準備することができま
すので、大変ありがたい資料です。大いに利用させて頂きたいと思います。
 
データベースの構築には無知なのでそういう点では、お役に立てなくて申し訳
ありませんが、これからどう発展するか楽しみです。
 
関係者の諸先生方、ありがとうございました。
 
★*☆*★*☆*★*☆*★
Yukihiro Kondoh
    
♪★*☆*★*☆*★*☆*★



From: Lexicon <>
Subject: [lex] Re dictionary database {06}
Date: Sun, 31 Jan 99 03:33:57 -0800

>せっかく書き込んでいただいたご意見は,できるだけそのままの形で閲覧できる
>ようにしておいたほうがよいと思うのですが,いかがでしょうか。編集作業自体
>が大変なこともさることながら,特定の個所だけの引用がときに誤解を招くこと
>もあったりしますから,できれば話しの筋も追える方がよいと思うのです。
>(by 井上先生)

同感です。編集や引用は著作権を気にする方にとっても問題が多いと思われ
ます。

そこで提案ですが、まず、東海林先生のおっしゃるような、基本的なデータ
ばかりのページを制作し、そこから該当の投稿へひとつひとつリンクを張っ
てはどうでしょうか。そうすれば、リンクである以上、著作権の問題は全く
なくなるわけです。

ただし、これを実現させるには、すべての投稿に通し番号を付け、過去ログ
のHTMLを少々変更する必要があります。

具体的には、過去ログのひとつひとつの投稿の頭の部分に
<A name="通し番号"> </A>
を挿入するだけです。過去ログを分解して、投稿ごとのページを作る必要は
無論なく、過去ログの体裁も今までのものと、全く変わることはありません。

基本データのページとは、例えば以下のようなものです。

------------------------------
TITLE:     NTC's English Idioms Dictionary
EDITION:   1st (1993)
AUTHOR:    Spears, Richard A.
PUBLISHER: National Textbook Company
ISBN:      0-8442-5478-9 (Hardcover)
------------------------------
TITLE:     コンサイス ワープロ漢字辞典
EDITION:   初版 (1994)
AUTHOR:    三省堂編修所 編
PUBLISHER: 三省堂
ISBN:      4-385-14076-6 (Cased)
------------------------------
TITLE:     Oxford 3-in-1 Bilingual Dictionary
EDITION:   1st (1997)
AUTHOR:    Sykes, J. B., et al.
PUBLISHER: Oxford University Press
ISBN:      0-19-268332-2 (CD-ROM)
------------------------------

そして、各々のエントリーの中に例えば以下のようなリンクを設けます。

COMMENTS:  井上永幸  001456
           松本祥仁  001459
           
この番号が投稿の通し番号で、リンクは、
<A HREF="http://.........001456"> 井上永幸  001456 </A>
とでもなるのでしょうか。そこをクリックすれば、各々その辞書に言及され
ている投稿を読むことが出来るわけです。

リンク使用の利点としては、出版社やオンライン書店のページに直接リンク
を張れることの他、新規投稿へも、リンクをひとつ増やすことで迅速に対応
できることがあります。難点としては、何と言っても、全ての投稿に通し番
号を付ける煩わしさでしょうか。

ただ、一度システムが出来上がってしまえば、索引を作る要領で、リンクを
増やしていける気楽さはあると思います。また、(1)基本データを作り、
(2)通し番号ふり、(3)過去ログHTML変更、の3つの仕事を、少なく
とも3名で手分け分担できることは、考慮しても良い点でしょう。

以上です。(文中敬称略!!)

LEXICON ()



From: Kazuhiro Sugimoto <>
Subject: [lex] 語の初出年代を調べる {02}
Date: Sun, 31 Jan 1999 23:12:45 +0900

埼玉の杉本です。

Ms. yasuko Okabe wrote:

> Tue, 26 Jan 1999 13:16:30 +0900 羽鳥 浩太郎 様wrote:
> > 知り合いの在日アメリカ人が私にいいました。
> > 英語の辞書では、ある単語を調べたとき、その語の登場の大まかな発生時期が記述されて
> > いる辞書は少なくないのですが、日本語の辞書でそのようなものの手ごろなものはないの
> > か、と。
>
> 出来るだけ用例を示す態度の『日本国語大辞典』(小学館、略して
> 「日国」とも)は、得られた限りの用例からなるべく初出のものを示
> すようにしているようですが、これとて十分なものではありません。
> ことに、羽島様ご所望の「ベジタリアン」のような外来語は弱いで
> すね。(今確認したら、この語は見出しとしても立項されていない
> ようで、少々驚きました。)

お二人の方の書かれたのを読んで、淮陰生『一月一話 読書こぼればなし』
(岩波新書、1978)の一節を思い出しました。

「小股の切れ上がった女」の解釈をめぐって諸説に触れた後で、

「徹底的用例蒐集」をしないために、どれも「だろう解」に終わっているのは
「この国国語学者の致命的欠陥といっても言い過ぎではないのではないか」
(p. 51)

更に、多数の反響があって再び取り上げ、

  一昨年の一文を書いたとき、淮陰子が言いたかったのは、その折りにもち
 ょっと触れたように、わが国の国語辞書編集というのに、まったくといって
 よいほど、歴史的実証の方法が欠けているという遺憾であった。すべてが
 編纂者の主観的解釈(原文「解釈」に傍点)なのである。これではいくら
 新辞書が出たところで解決はない。こんどまた大部な国語辞書がでるようだ
 が、この項目など、どんなことになるか注目したい。問題は方法論そのもの
 の根本的反省にあるのであり、単に収録語彙の豊富さだけを自慢するのは、
 辞書編集法として、少なくとも一世紀近く世界の大勢におくれているといって
 よいであろう。(p. 81)

という文です。

「今度出る大部な国語辞書」は『日本国語大辞典』を指していたと思います
が、この辞書は「歴史的実証」の点ではどう評価されているのでしょうか。
この一文が書かれたのは1973年ですが、25年たった今、「英語の
辞書では少なくない、その語の登場の大まかな発生時期が記述されている」
国語辞書はどのくらい出ているのかなあ、と思いました。



From: Kazuhiro Sugimoto <>
Subject: [lex] 新潮英和 {02}
Date: Sun, 31 Jan 1999 23:45:17 +0900

埼玉の杉本です。

浅田 幸善先生 wrote:

> noboru inoue, mr wrote:
> >予告によると、柳瀬氏が個人で英和辞典を新潮社から出
> >版される時期がまもなくくるとおもうのですが。
> >大いに期待しています。
>
> この辞典については、昨年の2月22日(日曜日)付けの日本経済新聞の文化欄(p.36)
> に、柳瀬氏本人が『「読む」辞書を「書く」』というタイトルの文章の中で紹介され
> ていました。

1998年1月12日の朝日新聞でも紹介されていました。
(読まれた方も多いと思いますが)一部引用しますと、

「柳瀬版英和」をのぞかせてもらった。
  最初の単語はA。しかし「アルファベットの第一字」などとは説明しない。
 代わりに Beethoven's Symphony No. 7 in A major <ベートーヴェンの交響曲
第7番イ長調>という実例例が付く。これでAがイ音であることと、楽曲の
表記法の両方がわかる。最後の単語は zymurgy (醸造学、発酵化学)。実例
 は、read all the way from aardvark to zymurgy <辞書を最初の頁(ページ)
から最後のページ まで読み通す>。実際に読み通した人はニヤリとする
だろう。
「それを期待したんですよ」
  和訳にも、脚韻あり、ことば遊びあり。こりにこった仕掛けがあちこちに埋
め込まれている。まるで英語の世界のテーマパーク。

「書斎にパソコンを4台並べ、寝て、起きて、書いて、のサイクルが一日に二
度。家から出るのは十日に一回」の生活(!)で、語彙数は三万語、今世紀中に
新潮社から出版の予定だそうです。

私もこれを読んだときから出版されるのが待ち遠しくてなりません。


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